日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ファストファッションと対極のもの

2019-06-02 20:32:57 | アラカルト

Yahoo!のトピックスに取り上げられていたある記事を読んで、「もしかしたら生活者の意識が、変わりつつあるのかもしれない・・・」という気がした。
気になった記事というのは、日経スタイルに掲載されていた「お受験服」の記事だ。
日経スタイル:人気「お受験服」誕生秘話 工場主が切った最終カード 

縫製工場が百貨店に直談判をして?企画となった「お受験服」ということのようだが、この記事にはファッションだけではなく様々な分野でも参考になる点がいくつもある。
その一つが、「生活者(この場合は、お受験ママ)が、どのようなものを求めているのか?」売り場で調査をした、という点だ。
データではなく、実際の売り場で生活者の反応を見ながら、商品の企画・製作をしたという点は、今時の「データ中心調査」とはずいぶん違う。
現場での調査というのは、実は時間と労力がかかり、調査をする人物の技量によって左右される。
合理的な方法ではないのだ。
にもかかわらず、売り場での調査をする大きなメリットは、計り知れない。
何故なら、生活者の姿を直接見ることができるからだ。
今回の「お受験服」に関していうなら、購入年齢層や日ごろの服装や持ち物、購入者一人での来店なのか、付き添い者がいるのか?などなど、単なる数字では分からない、購入者となる生活者の多角的な情報を一気に知ることができる。
「お受験服」を必要とする背景までも知ることで、より購入者となる生活者の「今」を知る材料が増え、的確な企画ができる、ということになるのだ。

この「お受験服」と対極にあるのが、ファストファッションだろう。
シーズンごとに発表される国内外のファッションコレクションの中から「トレンド」と呼べそうなものをピックアップし、一気に大量生産をする。
売れ残りなどのリスクも当然考えたうえでの、商品展開であり生産量ということになる。
大量に生産され、購入されず在庫となってしまった商品だけではなく、そのような大量消費によって購入された商品は短期間の間で着られなくなり、処分されていく。
それが今、社会的問題にもなりつつある。

ファストファッションが悪い!という気はない。
ただ、「お受験服」のように着心地を追求し、長い間着られる服がこれから見直されていくのでは?ということなのだ。
令和になり、皇后となられた雅子妃は「着回し上手」として、同世代~若い世代の女性たちから注目されるようになってきた。
ワンシーズンではなく、10年以上前に着られていた服を手直しされながら着ることができる、ということは最初から着心地の良さや仕立ての良さがあってのことだ。
そして、雅子妃をお手本としたい女性が増えれば、「お受験服」をつくる縫製工場が復活する機会となるように思うのだ。
それは「ライフスタイル」にも、影響を与えるのでは?と、考えている。






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