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25年前のヒットよりも大ヒットした「恋人たちのクリスマス」

2019-12-21 21:48:23 | トレンド

先日、朝のFM番組を聞いていたら、「え?!」と思うような、話題があった。
その内容が、huffpostにあった。
huffpost:マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が発売から25年で、ようやく1位に。ネットも「えつ、今?」の声

一昨年あたりだったと思うのだが、このマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」を、クリスマスシーズンに流さないでほしい、という話題があった。
そして今年も、この「ウザイ!クリスマスソング」が、話題になっている。
livedoornews: 「街にあふれるXmasソングがウザい」の声。最もイラつく曲は?

「ウザい」と感じる理由の一つが、同じ曲が延々とループ状態で聴かされるからだ。
当然、ヒットしたXmasソングはその傾向が強くなる。
楽曲の良し悪しとは関係なく、「ほどほど」というレベルを超えてしまうと、人は嫌悪感を感じる、ということだろう。
その代表的な曲の一つが、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」ということになる。
逆に言えば、Huffpostの見出しにあるように「随分前に大ヒットした曲で、クリスマス・ソングとして定番化していたのでは?」という印象が強い、ということにもなると思う。

にもかかわらず、大ヒットしたであろう25年前ではなく、今年になってからbillboard誌の1位を獲得した、というのは「何ぜ?」という、疑問を感じてしまうのは当然だろう。
その理由は、ストリーミングという新しい音楽の聴き方の登場によるところが大きい、というのがFM番組での説明だった。

25年前のbillboard誌のヒットチャートは、「CDセールス+ラジオのオンエア回数」というデータを基にしていた。
ラジオでのオンエア回数が多くても、CDセールが振るわなければ1位になることは無いのだ。
しかし、昨今ではCDセールスよりも、チャートに強い影響力を与えるデータが登場した。
それが、ストリーミングというスマホなどで聴く方法だ。
もちろん、ストリーミングという視聴方法だけで、チャート1位になることは難しい。
それを可能にしているのが「サブスプリクション」と呼ばれる、定額利用ということは言うまでもない。

元々クリスマスソングとして、定番化していた「恋人たちのクリスマス」に、このストリーミング+サブスプリクションによって、ラジオのオンエア回数よりも多く、スマホなどで聴かれるようになったことで1位となったのだ。
事実、最高位3位と言われていたのは、昨年のヒットチャートだった。

もしかしたら、ストリーミングでの聴かれ方というのは「一人リクエスト番組」のようなモノなのかもしれない。
何故なら、スマホのようなメモリーそのものが限られていても「いつでも・どこでも・好きな時に自分のお気に入りを聞くことができる」というのがストリーミングの最大の魅力だからだ。
元々定番化するほどの大ヒット曲であり、このクリスマスシーズンになるとラジオなどから流れることで、改めてストリーミングで聴いてみよう!という、生活者の行動が25年前の大ヒット曲が1位になる、という現象が生まれているのだ。

「billboard誌のチャート1位には、そのような背景がある」と知った上で、「恋人たちのクリスマス」を聴いてみると、ヒット曲の創られ方の変化にも気づくという気がする。

 



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