日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

サービスに対する価値

2019-05-23 19:25:26 | ビジネス

GW中に読んだ「京大変人講座」の中に「なぜ鮨屋のおやじは怒っているのか」という、章がある。

私は、カウンターの目の前で寿司を握る昔ながらのお鮨屋さんも、回転するお寿司屋さんもほとんど縁が無い。
回転しないお寿司屋さんに行かない理由は、どのようにお鮨を注文したら良いのか、イマイチ分からないからだ。
以前、このようなお寿司屋さんに接待で行ったとき、シマアジなどを注文して相手の方の顔色を変えてしまって以来、逆に怖くなっていけなくなったのだ。
いわゆる「おまかせ」+のオプション的注文だったのだが、ものの値段を知らないというのは怖いことだな~と、痛感した。
逆に回転するお寿司屋さんに行かないのは、家族連れの中一人回転ずしを楽しむ心の余裕が無いからだ。
どちらも私に様々な余裕が無い為「寿司屋」の敷居が、とてつもなく高く上がってしまっているのだ。
だからこそ、この「なぜ鮨屋のおやじは怒っているのか?」というタイトルに興味が引かれたのだ。
内容については本を読んでいただくとして、日本の場合、回転しない鮨屋以外のサービス業に対する対価が安すぎるのでは?という、気がしたのだ。

同様の内容が、Huffpostにあった。
Huffpost:ヘアカット15万円?LAの人件費と物価に戦慄 辛酸なめ子の「LAエンタメ修行」

いわゆる日本での「高級ヘアサロン」と呼ばれる美容室のカットの値段は知らないが、さすがに15万はしないだろう。
カット代だけではなく、技術料や指名料を含めても3万円以内なのでは?
一時期話題となった「千円カット」と呼ばれる理容室(=床屋さん)などもあり、とすれば日本の理美容代というのは、総じて米国と比ではないくらい安い、ということになると思う。

ではなぜ、安いのか?
千円カットの理容室の場合、シャンプーや顔そりといったサービスはつかない(と聞いている)。
他にもこれまでの理容室とはずいぶん違う、という話は聞いているが、様々な経営努力の結果として千円カットが成り立っているだけではなく、理容師の持っている技術などに対して評価していない為なのではないだろうか?

日本の場合、製造業が産業の中心であったため、価格などの試算も製造業の試算を基本とする傾向がある。
しかし、一般的なサービス業は製造業のような「原価」+「工賃」という積み上げが、なかなかできない。
そのため、「業界価格」と呼べそうな基準となる価格が、暗黙の裡に設定されることになる。
ただ残念なことに、その基準となる価格が決して高く設定されていない、という点が問題なのだと思う。
これは理美容の業界だけではなく、クリエイティブ職を呼ばれるような業界であっても、同じだろう。
余り高い値段では、お客やクライアントが納得しないのでは?という、ところからの発想があり、お客やクライアント側もまた「値段がハッキリしないものに、高い金は出したくない」という、意識があるのでは?
だからこそ、サービスに対する価値が低めに設定され、それが固定化してしまっているのが、現状のような気がするのだ。

最初の「鮨屋のおやじ」の話だが、サービスの設定そのものを高くすることで、顧客を選び・その顧客と共に「お店の価値を作っている」という私見が述べられていた。
「お客様は神様」ではなく、「お客様はサービスをよりよくするためのパートナーであり、そのサービスは安いものではない」ということを体現しているのが「不愛想な鮨屋のおやじ」ということになるようだ。





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