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ワクワクしなくなったのは、ファッションだけではない

2019-09-12 19:11:00 | マーケティング

拙ブログで時折取り上げるファッション専門誌・WWDJapan。
今日、読みながら「ファッションだけの問題ではないのでは?」という、記事があった。
WWDJapan:「かつて感じていた可能性、ワクワクするような感じはこの10年くらいない」by成実弘至教授

成実教授がおっしゃっているのは、あくまでも「ファッション業界」についてのことだ。
10年くらい前というと、日本ではユニクロのフリースやヒートテックがブームになった頃だろうか?
このころから、日本のファッションは「装う」から「着る」へと、変化していったような気がする。
実際昨年から人気となっている「ワークマン」は、その極致と言っても良いかもしれない。
「ワークマン」はご存じの通り、ガッテン系の方々の作業着や手袋、靴などを企画・製造・販売をしている。
言わば「実用面」を最大限に考えて、企画された服などを販売している。
もちろん「実用の美」というものがあるので、「ワークマン」そのものをうんぬんする気はない。
まして価格と製品の質を考えた時、「リーズナブル」という一言では言えないような、企業努力をされているのでは?と、感じる部分も多々ある。

しかし、ファッションそのものがユニクロを代表とするファストファッションやワークマンのような「実用着」ばかりが話題になる、ということもどうなのだろうか?
「着る」だけがファッションの目的でも、楽しさでもない。
やはり「装う」という、気持ちの高揚感もまた時には必要なのではないだろうか?
それは「チョッとオシャレなレストランで食事をする」とか、「久しぶりに友人に会う」、「デートに行く」など様々な暮らしの場面の中にあるのでは?

ところが、成実教授がおっしゃっているように、ここ10年くらいは「実用一辺倒」の生活志向が、商品やサービスに求められるようになってきているような気がするのだ。

しばらく前に、スマホで事前決済をすれば、待ち時間無しで注文をした商品が受け取れるというサービスをスタバで実験的に行う、というニュースがあった。
日経新聞:スタバ、アプリで事前決済 待ち時間なし、まず都内で

これなどはまさに「実用重視」のサービスだと思う。
思うのだが、このようなサービスを受けて「ワクワク(もちろん最初の頃は、上手く決済ができているのか?とか待ち時間無しで本当に受け取れるのか?などの不安が入り混じったワクワクはあると思う)」するだろうか?
とても即物的なコミュニケーションサービスのような気がするのだ。

今年に入り「アート思考」が注目、話題となっているのはその反動のようにも思えるのだ。
「アート」と「デザイン」の違いは?と、以前インテリアデザインを手掛ける方から聞かれたコトがある。
「デザイン」とは、ビジネスとして成り立つか否か、というギリギリのところの芸術であり、「アート」はビジネスとして成り立つことを考えない芸術である、というのがその方の答えだった。
ただ共通しているのは、人を「ワクワクさせる力」が無くては成り立たない、という点がある。

果たして今、私たちの暮らしにどれだけ「ワクワクさせるモノ・コト」があるのだろう?
ファッションに「ワクワク感がなくなった」のと同じように、私たちの暮らしそのものも「ワクワク感」がなくなってきているのではないだろうか?



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