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セサミストリートが投げかける、社会の問題

2019-10-14 17:45:06 | アラカルト

facebook繋がりの友人が、とても興味深いリンクの紹介をしていた。
セサミストリートに新しく登場した女の子についてだった。
その女の子のお母さんは、ある「依存症」を抱え、家族と離れ治療をしなくてはならない、という設定だ。
NHK NEWS WEB:「セサミストリート」薬物中毒に苦しむ親を持つ女の子が登場

薬物中毒というと、日本では芸能人が逮捕されるような種類の薬物を思い浮かべると思うのだが、「セサミストリート」で取り上げた薬物というのは「オピオイド」と呼ばれる、鎮痛剤の一種だ。
そしてこの「オピオイド」に関しては、製造・販売をしているジョンソン&ジョンソンを相手に訴訟まで起きている。
BBC:米J&Jに600億円の制裁金、オピオイド中毒をめぐる訴訟で

日本では承認・販売されていない為に、ピンとこない方も多いと思うのだが、以前トヨタ自動車の米国人役員の女性が「違法薬物を米国から送ってもらった」という事件で問題とされた薬物が、この「オピオイド系鎮痛剤」だったと思う。
他にも、King Of Popと呼ばれたマイケル・ジャクソンやプリンスの死因となったのも、この「オピオイド系鎮痛剤の常用」と言われている(マイケル・ジャクソンは「オピオイド系鎮痛剤+睡眠薬」の過剰摂取とも言われている)。
それほどまでに、米国で社会問題となっているのが「医師が処方する鎮痛剤」による中毒なのだ。

元々「セサミストリート」という番組ができた背景には、アメリカが抱えていた貧困層における幼児教育の問題があった。
貧困層の家庭には「本は無くても、テレビがある」という状況があり、幼児教育が遅れがちな貧困層に向けて制作されるようになったのだ。
その後も人種の問題、身障者や知的障碍者などをパペットと出演者が登場することによって、子どもたちに「偏見が無く社会に受け入れられるよう」にという配慮を最大限に考え、子どもたちが考え社会に出る勇気を与える、という制作当初からの理念を変えることなく時代の変化に合わせた番組を作っている。
そのような制作意図がある「セサミストリート」で、「オピオイド」による中毒の親を取り上げるということは、米国社会においてそれだけ深刻な状況にある、と考える必要があるだろう。

そして「セサミストリート」では、単に「オピオイド」という薬物中毒に対する問題提議だけではなく、家族向け(=依存症の親を持つ子供)向け処方となる提案もされている。
アゴラ:とにかくすごい!米国「セサミストリート」新キャラのお母さんは依存症

「依存症」そのものは、「オピオイド」という薬剤だけの問題ではない。
身近なところでは、「アルコール依存症」が挙げられるだろう。
「依存症」には「完治が無い」と言われている。
「アルコール依存症」から立ち直る為には、一生お酒と縁を切らねばならないのだ。
そして「オピオイド」という鎮痛剤による依存症が社会的問題になっているように、誰もが「依存症」になるリスクがある、ということだと思う。

「依存症」そのものは、特別なコトではない。
だからこそ、多くの人が理解し偏見を持たずに、見守る必要がある、ということ「セサミストリート」は教えてくれているように思う。







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