日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ファッションをつまらないものにさせたのは、誰だ!

2019-08-03 21:06:03 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、日本のアパレル産業の不振の理由の一つが分かるような記事があった。
元となった記事は、プレジデントに掲載されている。
プレジデント:”安い服”にこだわり続ける日本人の残念さ 似たり寄ったりで没個性が加速する

バブル経済が崩壊してから、日本の生活者の意識は「守り」に入ったと思う。
冒険をしない、堅実で安定感のあるモノ・コトを求め、価格そのものにもシビアになった。
それがファッションの世界でいうなら、ファストファッションの台頭ということになるのだろう。

ファストファッションが悪い、という気はない。
ただ、日本の生活者の思考が「安価でみんなと同じファッション」に凝り固まってしまっている感が、ファッションをつまらないものにしている、ということだと思う。
それが顕著に表れるのが、「リクルートスーツ」と呼ばれる就職活動用のスーツでありヘアスタイルやバッグ、靴だろう。
まるで「制服」のように、同じようなデザイン、色、ヘアスタイルで「(企業側からの)就職活動の同調圧力でもあるのか?」という、印象すら受ける。

この記事にあるように、ファッションデザイナーも若手と呼ばれる人たちが登場しにくくなっている傾向は、ニューヨークだけではなくファッションの中心地・パリでも同じかもしれない。
若手デザイナーの一人ステラ・マッカートニーなど、キャリアから言えば若手というよりも既に中堅と言ってもおかしくはない。
日本人デザイナーに関していえば、残念としか言えないほど20代、30代のデザイナーが登場していない感がある。
「東京ガールズコレクション」などが、華やかに取り上げられるコトが多いが、コレクションと言いながら実は即売会だ。
「売れる服をガール(=若い人たち)に即売する会」なので、パリやミラノ、ニューヨークなどで発表される「デザイナーがファッションとして提案したい服」とは大きく違う。
そもそも、パリやミラノ、ニューヨークなどのコレクションは、「大人の(経済的にも豊かな)女性」を想定したデザインの発表をする場面であり、若い女の子たちからはすれば「いつか、あのような服が似合う女性になりたい」という、憧れを持たせるようなデザインが中心にる。
パリコレなどでは、突飛もないデザインで「誰が着るの?」というデザインもない訳ではないが、コレクションとして発表されるデザインの中で7割程度は、実際に販売に結びつくものではない、とバブルの頃ですら言われていた(と記憶している)。
突飛なデザインであっても、デザイナーのファッション思考や次の時代感を表現している、という点が重要で、そのデザインテイスト(デザインの雰囲気から何を受け止め、トレンドを創っていくのか?)ということを見極めるバイヤーも数多くいたのは確かだろう。

しかし、ファストファッションが主流になっていくと、このようなトレンドを創るバイヤーは必要ではなくなり、コンサバティブと言えば聞こえが良いが、ファストファッション側が提案しているコーディネートが、安心ファッションとして受け入れられるようになってしまった。
それが「ファッションをつまらなくさせた」と要因なのだと思う。





コメント