日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

広告には、社会を変える力があるかもしれない

2019-07-03 14:25:49 | マーケティング

フランスのカンヌと言えば、多くの人にとって「カンヌ映画祭」を思い浮かべられると思う。
実は、カンヌにはもう一つ大きなフェスティバルが開かれている。
それが「カンヌライオンズ」と呼ばれる、世界最大級の広告フェスティバルだ。

この「カンヌライオンズ」に出品される広告は、映像だけではなく確か紙媒体による広告も含まれていたと思う。
そして今回デザインの部門で金賞を受賞した作品について、Huffpostが記事を掲載している。
Huffpost:偉大な女性に、蛍光ペンでハイライトを。カンヌライオンズで金賞をとったアイディアとは

この広告を製作したのは、DDBという米国の広告代理店のドイツ・デュセルドルフ支社だ。
DDBという広告代理店は、現実と大きく違うイメージ広告が中心だった米国自動車の広告表現に、一石を投じた「ノン・グラフィック」という手法で、一躍有名になった企業だ。
「(事実を)的確に生活者に伝える広告」考えは、その後の広告業界にも大きな影響を与え続けている。

今回デザイン部門で金賞を受賞した「偉大な女性に、ハイライトを当てて」は、過去、正当な評価を受けることができなかった女性たちにスポットライトを当てる、という内容になっているのだが、広告として言いたかったのは「過去様々な偉業と呼ばれる出来事があり、それは様々な人が集まってできたこと。誰か一人の手柄ではない」ということを訴えることで、「公平さ」ということを受け手となる生活者に考えよう、ということのように感じたのだ。

Huffpostでは紹介されていないが、Brand Experience & Activation部門で銀賞を受賞した、資生堂 "My Crayon Project" (R/GA Tokyo)も、改めて「個性を尊重する」という基本的なことを示しているように感じる。
「あなたの肌の色は?」と訊かれた時、あなたは何と答えるだろう?
おそらく多くの日本人は、「肌色」と答えるはずだ。
しかし答えた「肌色」という色は、「私の肌の色」であり、質問をした「相手の肌の色」ではない。
市販されているクレヨンの「肌色」は、「私の、そしてあなたの肌の色」ではないのだ。
ただ「肌色」と言う言葉には、一人ひとり微妙に違う「肌の色」であっても、皆等しい存在であり個性を持っている、というアプローチは、実に日本的であり、「肌色」という言葉の持つ意味を改めて考えさせる。

今回フィルム部門でグランプリを受賞したのは「ニューヨークタイムズ紙」の「The Truth Is Worth It」のシリーズだった。
ニューヨークタイムズ紙らしい広告表現だと思う。

一連の受賞作品を見て感じることは、「広告には社会の意識を変える力がある(のでは?)」ということだ。

※カンヌライオンズ2019、フィルム作品については↓のサイトからご覧ください。
宣伝会議:カンヌライオンズ2019、フィルムグランプリはNY TIMES「The Truth Is Worth Is」

資生堂の「My Cryone Porject」の映像は↓




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