日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大丈夫?トヨタ

2009-11-05 21:04:48 | ビジネス
昨日、トヨタがF1撤退を発表したが、それとは別の問題でトヨタは大丈夫なのか?と、思っている。
それは、北米で問題となっている「レクサスの事故」だ。

ご存知の方が多いと思うのだが、8月にレクサスのアクセル部分にクルマに敷いてあったマットが引っかかり、暴走し死亡者が出たという事故だ。
このとき、トヨタは「マットを外すように」という注意喚起を行っているが、9月には代車に乗っていた方が、亡くなっている。

そしてこれらの事故の原因として、トヨタ側は「クルマの問題ではない」というコトで、リコールなどをしていない。
ところが、どうやらアメリカ政府は見ていなかったようだ。
「見ていなかった」どころか、その責任の取り方に対して疑問視しているようだ。
それが、今日の朝日新聞WEBサイトに掲載されていた、トヨタの広報姿勢、米メディアが批判 レクサス暴走問題という記事だ。

日本国内でのクルマの販売台数が減少しているといわれる中、北米での売上はトヨタにとって魅力的な市場なはずだ。
特に「レクサス」という車種は、北米市場での人気を受け、日本国内での販売を決めたといわれる車種だ。
それだけに、日本国内での販売には力を入れていた。
現実には、トヨタの思惑通りとは言いがたい状況にある。
逆にいえば、それだけ「レクサス」という車種はトヨタにとって、北米市場を支える重要なクルマのはずだ。

ところが、その「レクサス」での事故対応に対して、米国メディアが一斉に疑問視し、批判まで招いているとすれば、トヨタにとってのダメージは、リコール以上に大きいのではないだろうか?

この記事を読んで思い出したことが一つある。
それは、北米トヨタの役員のセクハラ裁判だ。
当事者である役員からすれば、「まぁまぁ・・・」という程度のコトだったのかも知れない。
それは、「日本国内であれば」という注釈付きだ。
そして今回のコトも、日本であればこのような広報の対応でも、「まぁまぁ・・・」だと思ってのコトだと思っていたのではないだろうか?
グローバル企業としての、トヨタが日本スタンダード=北米スタンダード、もっと辛らつな言い方をすれば「トヨタスタンダート=日本スタンダード=北米スタンダード」という思考があったとすれば、それはそれで問題なのでは?
そして、そのような思考がトヨタ内にあるとすれば、「大丈夫?トヨタ」と思ってしまうのだ。