嘘の吐き方(うそのつきかた)
人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。
 



もしも、僕が僕を誇らしく思うことが、僕のすべてであったのなら、
きっと交わることは、どうしようもない敗北で、
受け入れることも、認めることも、迷うことも、流される事も許されないのだろう。

だけど、そんなハッキリとした固い決意なんてものはなんにもなくて
むしろ、どうしようもないほどに、きっとどうにもならないほどがんじがらめに、
ぼくはただ、道徳の奴隷であるのだと思う。

人を殺すことが悪だってことすら、
きっと世の中ではすでにずっと昔から否定されっぱなしで、
それは奴隷を縛るためのぎゅっと縛った鋼鉄の綱で、
確かに笑いかけているみんなの笑顔ですらも、
きっとそれを崩さないための鋼鉄の網で、
そして人と人の信頼とか、友情とか、そういった耳心地のいい響きさえも、
きっと鋼鉄の縄でしかなくて、
ずっとその鋼鉄の牢獄の中で、
僕はただ倫理に縛られた人たちと仲良くやって、
そうやってすべてをひた隠しに隠し続けて死んでくんだと思う。

世界中の全ての他意識を殺した時に目覚める自意識があるってこと、
僕は知っているけれど、
そんな予感もするけれど、
僕がそれをやるには、あまりにも幼すぎるし、弱すぎるし、
だいいち心臓が耐えられない。

だからきっと僕は、せいぜい、家族が死んでも泣かない程度の残酷さで、
陳腐な冷酷を気取って、
秘密をばらまいて溶かしてゆく。

きっと僕には、もう何もかもが遅すぎて、何もかもが遠すぎて、
そして何もかもが懐かしくて、なにもかもが後悔の記憶で出来たロボットだけが、
僕を包む肉体にふさわしいのだと思う。

きっとこの暴れだす声も、
泣きそうで泣かないかすれ声も、
白い目で見つめるまっくろな真空も、
きっと君たちには届かない。
ただ、手を伸ばす事だけが僕らの権利で、
憧れる事だけが僕らの理想で、
恋焦がれる事だけが、僕らを滅ぼす想像力で
いつもそのやさしくて真剣なまなざしだけが、
時を越えて僕らをばらばらに壊していくんだと思う。

だから僕にはやっぱり、死がやさしいとしか思えないよ。
とてもあたたかくて、とても平等に、僕らに降り注ぐ雨だと思うよ。
緑の匂いで出来たロボットの仮面がはずされて、
僕らが人間になる時が来るのなら、
その時は、本当に、人の意思が、魂が、幻想が、
科学を踏み潰して絶望を色濃くかたどって欲しいと思う。
どんな現実にも負けない超越した理想だけが、
理解できない並行世界のように、無数に傍で散らばっているのが見えたら、
きっとその時は、僕なら重力にも勝てるよ。

永遠も刹那も、嘘として形を剥ぎ取って、
なにものにも縛られない死だけが、
僕らを次の場所へ連れてゆくよ

きっと誇りは、穢されながらも息づいてゆく光の鼓動だね。
君たちの強欲な光がここへ降り注いで壊れるとき、
僕の闇が、すべてを満たしてくれたなら、
僕はもう、それだけで満足だよ。

いつかきっと全てが僕と同じになるから、
過ちを綴りながら、今はただ、ブロックを壊してゆく。
全ての闇をつんざくように、光の悪意は僕をほろぼしてゆく。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 罰当たりなピ... 魂の無い、墓場。 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。