はにかみ草

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目取真俊『沖縄「戦後」ゼロ年』 生活人新書 2005年 

2007-11-25 19:45:03 | 公開
メモです。

 目取真俊『沖縄「戦後」ゼロ年』 生活人新書 2005年 

第一部 沖縄戦と基地問題を考える

☆「戦後」60年
日本人が「平和」を享受していたと思いこんでいた「戦後」がどのような犠牲によって支えられていたのか。沖縄、朝鮮半島、台湾、中国・・・(14頁)

・沖縄の占領は終わったのか?
「銃剣とブルドーザー」で土地を奪われ、60年経った今も沖縄島の20%の面積を占拠している米軍基地。そこから戦闘機がイラクに。ヘリの墜落(宜野湾市の沖縄国際大学)、女性が米兵に強姦されるといった基地があるゆえの被害。

・・・歴史・・・

☆同化=皇民化教育「土人」→「日本人」。歴史、文化、習俗、言葉、身体的特徴を恥じ、積極的に日本人になろうとしていった(沖縄人の差別への恐怖ー※)40頁。 戦場への総動員(筆者の父も。2千数百名の学徒が動員)。「国体護持」を目的とした「本土決戦」のための時間稼ぎにより、「捨て石」にされ、県民の4分の1(10万人以上)が犠牲に。軍隊は住民を守らない。

※44頁 1903年人類館事件・・・第五回内国勧業博覧会で琉球人が見せ物にされる
アイヌや朝鮮人、台湾の「生蕃」にたいするヤマトゥの差別を内面化し、みずからも差別する側に回っていく

・「沖縄の住民を虐殺した日本兵で、戦後、みずからの行為を悔い、謝罪し、虐殺に至った経過や理由を自己検証した日本人がいない」という批判(36頁)
→日本人の沖縄に対する根深い差別感情がある。

差別と被差別、戦争の加害と被害の二重性

☆「沖縄ブーム」ヤマトゥンチューにとって都合の悪い沖縄の歴史や現実を見ないために利用されている

☆平和の礎(いしじ)・・・1995年に沖縄県が激戦地だった糸満市の摩文仁に建設
 沖縄戦でなくなったすべての人の名前が刻まれるはずだったが、愛楽園と宮古島の南静園というハンセン病施設でなくなった人々の名前は2004年までずっと刻まれなかった。強制連行された朝鮮人労働者や「慰安婦」の人々も(63頁)。

☆沖縄戦と慰安所(65頁)
沖縄人女性が日本兵や、米兵の相手をさせられる。「ナワピー」という蔑称
戦争と性暴力(『虹の鳥』)

☆筆者の立場・・・沖縄戦の実相を知るだけでなく、肉親の生きた歴史を共有し、記憶として生かし続けること、そのための方法の一つが沖縄戦を小説で書くこと(70頁)、沖縄戦を通して米軍基地や自衛隊基地の問題を考える

☆天皇の戦争責任(76頁)
1983年 献血推進運動全国大会で皇太子明仁が来たとき、警備当局から「精神障害者は表に出すな」との指示。昭和天皇はついにガンで来れず。しかし来沖が焦点となると、卒業式・入学式での「日の丸・君が代」が問題に。

「天皇メッセージ」(126頁)・・・米軍が沖縄の軍事占領を続けるよう、日本の天皇が希望しているという天皇の対米メッセージ

☆基地のない村(98頁)
筆者が生まれ育ったのは、今帰仁村。米軍基地も自衛隊基地もまったくない。
基地関連の補助金が出ない分、予算面では厳しいが自力で生きる姿勢が作られてきた村。

筆者は子どものころから沖縄戦の話を聞いてきても、最初から戦争に否定感を持って考えていたのではない。大学に入ってから基地を自分の目で確かめ、考えるようになった。

・友人の発言「生まれたときから基地やフェンスがあるから、それが当たり前のことだと思っていた。疑問に思わなかった。」

☆住民の立場の多様性・生活の中の米軍基地(104頁)
基地の種類(飛行場・軍港・兵站基地・通信基地・住宅・教育施設・上陸訓練場、射撃訓練場)や所属部隊の性格によって、隣接する地域にもたらす影響も変わる。爆音被害や演習に伴う事故の危険性も場所によって違う。

・沖縄内部の差別と矛盾
「ヤンバル」という言葉・・・北部地域を指す。首里を中心とした那覇から見れば、山に囲まれた「野蛮」な田舎→「南北問題」

「東西問題」→西海岸はリゾート地としてにぎわっているのに、東海岸はさびれて演習も行われている

・学校の施設も米軍軍事基地関連の補助金で作られている
学校と防衛施設局の関係(108頁)

・性暴力・・・女生徒が米兵に襲われる。堕胎したことを隠したまま学校を卒業する。中学生の頃からディスコに通って米兵と知り合う女生徒もいる。性暴力の事件で表に出るのはほんの一部。1995年の3人の米兵による少女強姦事件。


・SACO(日米特別行動委員会)合意・・・普天間基地の「返還」を目玉とするが、そこで示された基地の「整理縮小」案は、沖縄県内に代替施設を造るというもの。基地の「県内たらい回し」。名護市辺野古沖への海上基地建設「海上ヘリポート」。111頁

基地問題を経済問題にすりかえる賛成派。財政補助や振興策
「癒しの島沖縄」への転換

☆筆者の批判・・・「そのような沖縄の現実に対して、あなたはどうするのか、という問いが、すべての日本人に向かって沖縄から発せられている」「沖縄問題」をつくりだしているのは「本土」に住む日本人である」「沖縄人は人間ではないのか」「日本人には踏まれているものの痛みが分からないのか」

「ヤマトゥの都合に合わせて振り回されても、いつまでもウチナンチューがおとなしく従順であるはずがない。自分を踏みつけている足を「どかせ」といってもどかさない者にはどうすればいいのか。最後は刺すしかないのか」

第二部 〈癒しの島幻想〉とナショナリズム

1 アメリカの世界戦略と基地沖縄 130頁
米は早期に朝鮮半島の情勢を安定化させ、東アジアに配置している米軍を中東に移動させたいと考えている

☆日本国内でつくりだされている北朝鮮への好戦的雰囲気は、間違いなく沖縄の基地強化につながる。

2 能力主義教育の浸透と沖縄の教育運動

学校現場の混乱→中学生の殺人・死体遺棄事件などの集団暴行事件
(主犯格の少年の家庭は軍用地主で裕福な家庭)

校長の権限強化、職員会議も命令の場に。授業とは関係のない仕事を増やされ、生徒と向き合えない、多忙化のために教材研究もできない・・・抵抗する先生が減っていく。愛国心教育育成の場に。階層分化。高校中退率全国2位。

☆失業率が高いため、公務員指向が強く、沖縄の教員採用試験の倍率は10倍

4 イデオロギーとしての〈癒し系〉沖縄エンターテイメント

NHK『ちゅらさん』ステレオ・タイプ化された沖縄人像
中江裕司 アメラジアン(アメリカ国籍の親とアジア諸国の国籍の親との間に生まれた人の総称)
『ナビィの恋』1999年 沖縄の映画として空前の大ヒット 

・本土:「癒し」を求める、沖縄:基地依存からの脱却を観光に求める
地域の文化、人間性や身体まで観光に従属化される。個人の健康なども。(160頁)

→基地問題の隠蔽、沖縄の商品化と消費。

・憲法9条の裏には沖縄の米軍基地という存在があった。

・研究者への批判:沖縄を素材にして論文を書き、研究実績をあげていく。それ以上に沖縄に深くかかわる研究者がどれだけいるか?
ポストコロニアリズムや多文化主義の研究。「研究テーマのはやりが変われば簡単に忘れられるだろう」

本は以上で終わり。以下もメモ

・教科書検定問題 
集団自決の軍の強制性記述を修正・削除。
憲法9条改悪に向けて、軍に対するイメージを少しでもよくしたいという改憲派の目論見のため、沖縄戦での集団自決の軍の責任をなかったことにしたい。そして集団自決を「殉国美談」とし、靖国の論理へ・・・。

・ネットでの情報
☆やんばる東村(ひがしそん)高江の現状 http://takae.ti-da.net/
☆ちゅら海をまもれ!沖縄・辺野古で座り込み中!
海上基地建設を阻止するため連日命がけで座り込みする人たちがいる!
http://blog.livedoor.jp/kitihantai555/

など。

目取真俊『虹の鳥』(影書房)************************
・基地と性暴力について
(少女の強姦事件に対しては大規模なデモや集会が起きるのに、マユやそのほかの女性(基地周辺で働く外国人女性)に対しての性暴力への批判は?)

・教育現場の荒れ・高校内での暴力(主人公カツャの置かれた状況 不良グループに入る・・・「教育困難校」
))
・軍用地主 地代での生活

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・沖縄関連参考図書
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1 コメント

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すごいですね! (ピロリ菌)
2010-01-06 13:57:12
色々な、戦争の事が書かれていてとてもすごかったです。これからも、色々な事を書いて、読者の人たいに、読ませてください

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