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十二歳 椰月 美智子

2018年06月15日 | 

 なぜこれを読もうと思ったのか、図書館にリクエストしたのかおぼえていないのだけれど、読み始めてすぐ放り出してしまった。
 今、ネットで調べるともなしに見てみると、12歳の頃の心情を丁寧に描いているなどと書いてあるのだが、どうもそういうふうに思えない。これは受け取る僕の問題に過ぎないが、どうも12歳の心情として読むことを拒否しているらしいのだ。僕自身の12歳の頃の気持ちの残渣が違和感を唱えている。まあ僕は男だしね。
 12歳の頃の気持ちは、こういうふうに文字にできない。所詮おとなの解釈だ、と思う。でもまあおとなが、あるいはもしかしたら小学生が読んで、共感を覚えることもあるのだと言うことを否定はしない。でも僕は読まない。自分の12歳の時の心情は僕だけのもので、それはふとした、例えば紅茶にマドレーヌを浸した時とか、昔読んだ本を読んで思い出したりするのだ。

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