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news commentary

53%

2007-09-27 22:26:50 | Weblog

「中国共産党+市場経済=国民党」という政治算術の公式がむかし冗談としてあった。小平が「黒い猫だろうが白い猫だろうがネズミをとる猫がいい猫だ」と号令をかけ、徐々にその号令の効果があらわれて中国に走資派の数が増えた来たころのことである。いまではだれも冗談とは思わないだろう。

「33%―安倍晋三+福田康夫=53%」という政治算術の式も笑える。さきごろ総辞職した安倍内閣の8月改造人事後の朝日新聞世論調査の内閣支持率は、支持33%、不支持53%だった。その前が、支持26%、不支持60%だったから、改造による閣僚の入れ替えによって支持率が7%ポイント上昇したことになる。

朝日新聞が9月27日付朝刊で掲載した世論調査結果によると、福田内閣の支持率は53%、不支持率は27%だった。新しい福田内閣は前の安倍内閣の閣僚をほとんど居ぬきで引き継いだ。首相が安倍晋三から福田康夫に代わった以外、閣僚の顔ぶれはほとんど代わっていない。それでいて、内閣支持率が20%ポイント上昇し、不支持率が16%ポイント下降したのは、ひとえに安倍が去り、福田が登場したことによる。

発足した福田内閣は閣僚の顔ぶれがほとんど変わらず、まだたいして仕事らしい仕事をしないのだから、53%という数字は内閣の仕事ぶりに対する支持率というよりは、福田首相に対する支持率のことであろう。その福田首相もまだ仕事らしい仕事を始めていないので、事実上、福田首相への期待度ないし人気度である。

だが、世論調査の調査対象者になった人の多くは、福田首相をテレビで見て顔を知っている程度で、彼が何者なのか、何を考えているのか、よく知っているわけでなかろう。会社の課長や部長や社長が交代するとなんとなく新しい未来が開けてくるような錯覚におそわれる。それと似た心理なのであろう。

日本の世論調査では通例、「福田内閣を支持するか、しないか」と尋ねる。「福田首相を支持するか、しないか」とは尋ねない。しかし、出てきた支持率は多くの場合、首相への支持率、人気度、期待度と解釈される。質問の焦点があいまいなわりに、答えの記事ははっきりと首相の支持率として書かれる。

アメリカの調査では「ブッシュ大統領の仕事ぶりをよしとするか、しないか」と大統領のリーダーシップに焦点をあてて尋ねることが多い。

もし、「福田首相を支持するか、しないか」と質問したら、数字は違っていたのだろうか?

(2007.9.27 花崎泰雄)


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