はんどろやノート

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終盤探検隊 part194 ≪亜空間最終戦争一番勝負≫ 第93譜

2020年12月31日 | しょうぎ
≪最終一番勝負 第93譜 指始図≫ 6五金打まで

指し手 △7七歩  ▲7五金



   [夜明けの空]

したいことが見つけられないから
急いだ振り 俯くまま

転んだ後に笑われてるのも
気づかない振りをするのだ

形のない歌で朝を描いたまま
浅い浅い夏の向こうに

冷たくない君の手のひらが見えた
淡い空 明けの蛍

 (ボーカロイド初音ミク楽曲『夜明けと蛍』作詞作曲 n-buna より 歌詞の一部抜粋)





<第93譜 曙光(一)>


≪最終一番勝負 第93譜 指始図≫ 8八玉まで

 後手 △7六金 に、▲8八玉(図)まで進んだところ。

 ここで後手「8六金」は、7五金と香を取る手があって無効。
 また「8六桂」は、7七歩、7八桂成、同金と進んでみると――(次の図)

変化8六桂図01
 後手に有効手がなく、困っている。8六金は7五金がある。
 7七金、同金、同香成、同玉、3一金と進むのなら、5四桂と打って、5三銀には、5一竜として次に4二銀をねらう。
 これは先手良しである。

変化8六桂図02
 「8六桂」に対しては、7五金(図)でも先手良しになる。
 以下7八桂成、同金、7五金上、同馬、同金、4二角と進んで―――(次の図)

変化8六桂図03
 これは、先手の戦力が強すぎて、後手に勝ち目がない。先手勝勢。

 ということで、≪指始図≫ では、後手は △7七歩 とする(次の図)



≪途中図1 7七歩まで≫

 △7七歩(図)と打って、銀を歩で取りにいく。
 もともとこの歩が打ちたいから、7五香~7六金と指してきたのであるから。

 ここで先手、どうするか。


変化8七銀図01
 △7七歩 には、8七銀(図)いう応手がある。これででどうなるか。
 実戦中、我々はこれでは負けだと判断し、この手を見送ったのであった。8七同金、同玉に、7八銀で勝てないと思ったからである(次の図)

変化8七銀図02
 ところが、戦後調査で、その判断は誤りでこれは「先手勝ち」の変化だ、ということが判明した!
 7八同金、同歩成に、8四馬 が有効手になるのだった!

 8四同銀に、3一銀、同玉、4二金、同玉とし、4三歩(次の図)

変化8七銀図03
 4三同玉なら、5四角以下、後手玉 “詰み” である。3四玉なら2五銀、同玉、3七桂以下、5三玉なら6二銀、4二玉、5一銀不成以下。
 よって4三同銀と取り、そこで「5一角」と打つのが大事な一手(「4三歩、同銀」を利かした効果で後手玉は4三から上部脱出ができなくなっている)
 以下3一玉、4二金、2二玉、3一銀、1一玉、8四角成(次の図)

変化8七銀図04
 “2度目の8四角(馬)切り” というのが面白い。
 この手が "詰めろ逃れの詰めろ" で決め手になる。このための「5一角」であった。

 つまり、8七銀 なら先手勝ち なのだった。




≪最終一番勝負 第93譜 指了図≫ 7五金まで 

 実戦では、先手は、▲7五金(図)とした。

  これは、「8七銀の勝ち筋をのがした」ということになるのだろうか。
 それとも、「7五金でも先手勝ち」となるのだろうか。


 実戦中、我々は、「勝ち」へと続く道筋の “光” が見えてきた気がしていた。



第94譜につづく