はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

金魚×2

2007年08月06日 | はなし
 暑い夏になりました。でも、窓の外から風が吹いてきて心地良いです。

 みなさん「夕凪の街 桜の国」は観ましたか? 僕は先週、観に行きましたよ。渋谷の地味~な映画館で。客席は100席くらいで、客は半分くらいでした。
 あの映画の中で、皆実(麻生久美子)がハンカチを選ぶシーンがあるのですが、その図柄が2匹の金魚なんですね。「あれは、原作ではどうだったか?」なんてことが気になって、家にかえって原作の漫画でチェック。原作どおりでしたね~。
 旭役(青年時代)の伊崎充則という俳優がでてきたとき、僕は(イナモトかよ!)と心の中でツッコミましたよ。サッカーの稲本潤一に似ていませんか。伊崎充則さん、はじめて見ましたがいい感じでした。(ああ! 黒澤映画『夢』の「第2話・桃畑」の子役がこの人だったのか! あれは美しい映像だった! )
 その旭青年の広島生活時代に、2匹の金魚を飼っているシーンもあるんだけど、これは原作にはなかったね。どうして金魚にこだわるかって? 映画に行く前日にね、森絵都の『にんきもののはつこい』ってのを読んだんだけどね、これが2匹の金魚を飼うことで仲良くなる、という(小学生の)はなしだったわけ。
 偶然マニアのワタシとしては、見逃せないわけよ。(ほとんどビョーキ←ふるいぞ!) 
 ワタシャなにしろ、こうの女史と原爆資料館へ行った男(16年前?)ですからね、見よ、この偶然力! こんなの自慢しはじめたらおしまいだけどね、いいのサ。結局このブログって、ワシの「偶然力自慢のためのブログ」って気がするね。それくらいしか自慢することないのかねェ…。 ←タダだからゆるしてちょ。
 『にんきもののはつこい』は、「私のしょうらいの夢は、ましょうの女になってたくさんの男をけらいにすること」という女の子が、金魚好きの男の子に恋をするはなしです。 キンキンっていうんです、その男の子は。この「キンキン」の愛称は彼が自分でつけたんですけどね。まじめ(顔よし、勉強もスポーツもできて性格もよし)なので、いつも「○○君」と苗字で呼ばれる。それで「自分もみんなのようにあだながほしい」と思った彼は、学級委員を降りて、「金魚係りになります。だからぼくのことは今日から『キンキン』とよんでください!」とおもいきって言ったのです。そのキンキンを好きになって女の子が告白します。するとキンキン「僕はいま、金魚のことしか考えられないので、つきあうなんてできない」と交際をことわります。女の子、ショック! だけどそのあとのキンキンのセリフがすばらしい! 「つきあうことは無理だけど、いっしょに金魚を育てることならできるとおもう」
 キンキンで思い出したけど、僕の祖母は「キン」という名でした。ある日僕は祖母に聞いてみました。「子供のとき、キンタマとかって、かもわれたことがあるか」と。 …あるそうです。やっぱりね。スマンばあちゃん、いやなことを聞いてしもうた。でも、一回は聞いときたかったんじゃ。 (「かもう」というのは「からかう」とか「いじめる」という意味です。「あんたあ、こまい子を、そねいに、かもうちゃあ、いけんよ」みたいな使い方をします)
 将棋には二枚金(金無双)という囲いがあって…  ←そのへんでやめとけ~!

 涼しく、みじかく書くつもりが、こんなあつくるしい長文に…。