はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

『生物都市』みたいだなあ

2006年09月14日 | まんが
 『新世紀エヴァンゲリオン』はTVシリーズのラストが、視聴者も作り手も不満があって、人気も高かったので、劇場版としてラストを作りなおされて発表されました。僕は映画館へ観にいきましたよ。「死」のにおいがぷんぷんのラストでしたねえ。

 僕はあれを見て「生物都市みたいだなあ。」と思いました。
 『生物都市』というのは、諸星大二郎の少年誌デビュー作品で、少年ジャンプの『手塚賞』大賞を受賞しています。(単行本『妖怪ハンター』に収められています。)少年漫画の短編で、あれだけインパクトがあって記憶に残る作品というのもほかに思いつかないほどです。それだけ「衝撃的」でした。
 そのマンガの内容は、ある宇宙船がもちかえったものによって、人間も生物も機械も建物もすべてが溶け合って一つの生命体になってしまう、というストーリー。その様子を丁寧に描かれた作品です。
 その「溶けて一つになる」というのが似ているわけ。

 「エヴァ」については、キャラ担当の貞本氏が、監督の庵野秀明氏への不満として、「ストーリーが進むにつれて、キャラの性格がみな同じになっていく」と言っていたのが印象に残っています。そう、みんな同じになって、融合して、一つになっていく話… それは「死」につながるので、ちょっと怖いカンジ。みんな、死んで幸せになろう、そんなストーリーにも思えますね。
 死ぬなら一人で死のうよ。「みんなで」というのはヘンだ。まあだれもそれは言ってないけど、このアニメ作品の「人類補完計画」ってのはそういう計画なんだよね。

 あと、「エヴァ」については、「理科室の人体模型」をおもいだします。あの模型って、血管を「赤」と「青」で塗られていたでしょう? 「エヴァ」の色使いって赤、青、紫、肌色というイメージ。それと理科室の寒々として生活感のない感じ。生活感のない水道の蛇口。ほんのすこし薬品のにおい。実験器具。
 僕は「エヴァ」、面白いとおもうよ。同時に、これをイヤダと言う人の気持ちにも共感します。