法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

コスト意識が不十分で事前の見通しが甘い契約について

2007-10-17 19:47:07 | Weblog
契約書作らずTM開催 「法令に反する」と検査院 - さきがけ on the Web

 会計法第29条の3第1項には,「契約担当官等は,競争により落札者を決定したとき,又は随意契約の相手方を決定したときは,政令の定めるところにより,契約の目的,契約金額,履行期限,契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし,政令で定める場合においては,これを省略することができる。」とある。契約書の作成省略は例外的であり,財務大臣との協議,会計検査院への通知等の手続きを要する場合がある(「予算決算及び会計令」第100条の2参照)。
契約書の作成時期を明定した条文は見あたらないように思うが,同じく会計法第29条の3の第2項には,「前項の規定により契約書を作成する場合においては,契約担当官等が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ,当該契約は,確定しないものとする。」とある。契約書の作成時期は履行の着手前と見るのが自然だ。当然と言えば,当然の話し。

会計検査院 タウンミーティングの運営に関する請負契約に関する事項について


会計法の関連条文

第二十九条  各省各庁の長は,第十条の規定によるほか,その所掌に係る売買,貸借,請負その他の契約に関する事務を管理する。

第二十九条の三  契約担当官及び支出負担行為担当官(以下「契約担当官等」という。)は,売買,貸借,請負その他の契約を締結する場合においては,第三項及び第四項に規定する場合を除き,公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。
2  前項の競争に加わろうとする者に必要な資格及び同項の公告の方法その他同項の競争について必要な事項は,政令でこれを定める。
3  契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第一項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては,政令の定めるところにより,指名競争に付するものとする。
4  契約の性質又は目的が競争を許さない場合,緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては,政令の定めるところにより,随意契約によるものとする。
5  契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては,第一項及び第三項の規定にかかわらず,政令の定めるところにより,指名競争に付し又は随意契約によることができる。

第二十九条の五  第二十九条の三第一項,第三項又は第五項の規定による競争(以下「競争」という。)は,特に必要がある場合においてせり売りに付するときを除き,入札の方法をもつてこれを行なわなければならない。
2  前項の規定により入札を行なう場合においては,入札者は,その提出した入札書の引換え,変更又は取消しをすることができない。

第二十九条の六  契約担当官等は,競争に付する場合においては,政令の定めるところにより,契約の目的に応じ,予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする。ただし,国の支払の原因となる契約のうち政令で定めるものについて,相手方となるべき者の申込みに係る価格によつては,その者により当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるとき,又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあつて著しく不適当であると認められるときは,政令の定めるところにより,予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした他の者のうち最低の価格をもつて申込みをした者を当該契約の相手方とすることができる。
2  国の所有に属する財産と国以外の者の所有する財産との交換に関する契約その他その性質又は目的から前項の規定により難い契約については,同項の規定にかかわらず,政令の定めるところにより,価格及びその他の条件が国にとつて最も有利なもの(同項ただし書の場合にあつては,次に有利なもの)をもつて申込みをした者を契約の相手方とすることができる。

第二十九条の八  契約担当官等は,競争により落札者を決定したとき,又は随意契約の相手方を決定したときは,政令の定めるところにより,契約の目的,契約金額,履行期限,契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし,政令で定める場合においては,これを省略することができる。
2  前項の規定により契約書を作成する場合においては,契約担当官等が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ,当該契約は,確定しないものとする。

第二十九条の十一  契約担当官等は,工事又は製造その他についての請負契約を締結した場合においては,政令の定めるところにより,自ら又は補助者に命じて,契約の適正な履行を確保するため必要な監督をしなければならない。
2  契約担当官等は,前項に規定する請負契約又は物件の買入れその他の契約については,政令の定めるところにより,自ら又は補助者に命じて,その受ける給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認を含む。)をするため必要な検査をしなければならない。
3  前二項の場合において,契約の目的たる物件の給付の完了後相当の期間内に当該物件につき破損,変質,性能の低下その他の事故が生じたときは取替え,補修その他必要な措置を講ずる旨の特約があり,当該給付の内容が担保されると認められる契約については,政令の定めるところにより,第一項の監督又は前項の検査の一部を省略することができる。4  各省各庁の長は,特に必要があるときは,政令の定めるところにより,第一項の監督及び第二項の検査を,当該契約に係る契約担当官等及びその補助者以外の当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に行なわせることができる。
5  契約担当官等は,特に必要があるときは,政令の定めるところにより,国の職員以外の者に第一項の監督及び第二項の検査を委託して行なわせることができる。

「予算決算及び会計令」の関連条文

(随意契約によることができる場合)
第九十九条  会計法第二十九条の三第五項 の規定により随意契約によることができる場合は,次に掲げる場合とする。
一  国の行為を秘密にする必要があるとき。
二  予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
三  予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。
四  予定賃借料の年額又は総額が八十万円を超えない物件を借り入れるとき。
五  予定価格が五十万円を超えない財産を売り払うとき。
六  予定賃貸料の年額又は総額が三十万円を超えない物件を貸し付けるとき。
七  工事又は製造の請負,財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が百万円を超えないものをするとき。
八  運送又は保管をさせるとき。
九  国際協力銀行,日本政策投資銀行,公庫の予算及び決算に関する法律 (昭和二十六年法律第九十九号)第一条 に規定する公庫その他特別の法律により特別の設立行為をもつて設立された法人のうち財務大臣の指定するものとの間で契約をするとき。
十  農場,工場,学校,試験所,刑務所その他これらに準ずるものの生産に係る物品を売り払うとき。
十一  国の需要する物品の製造,修理,加工又は納入に使用させるため必要な物品を売り払うとき。
十二  法律の規定により財産の譲与又は無償貸付けをすることができる者にその財産を売り払い又は有償で貸し付けるとき。
十三  非常災害による罹災者に国の生産に係る建築材料を売り払うとき。
十四  罹災者又はその救護を行なう者に災害の救助に必要な物件を売り払い又は貸し付けるとき。
十五  外国で契約をするとき。
十六  都道府県及び市町村その他の公法人,公益法人,農業協同組合,農業協同組合連合会又は慈善のため設立した救済施設から直接に物件を買い入れ又は借り入れるとき。
十七  開拓地域内における土木工事をその入植者の共同請負に付するとき。
十八  事業協同組合,事業協同小組合若しくは協同組合連合会又は商工組合若しくは商工組合連合会の保護育成のためこれらの者から直接に物件を買い入れるとき。
十九  学術又は技芸の保護奨励のため必要な物件を売り払い又は貸し付けるとき。
二十  産業又は開拓事業の保護奨励のため,必要な物件を売り払い若しくは貸し付け,又は生産者から直接にその生産に係る物品を買い入れるとき。
二十一  公共用,公用又は公益事業の用に供するため必要な物件を直接に公共団体又は事業者に売り払い,貸し付け又は信託するとき。
二十二  土地,建物又は林野若しくはその産物を特別の縁故がある者に売り払い又は貸し付けるとき。
二十三  事業経営上の特別の必要に基づき,物品を買い入れ若しくは製造させ,造林をさせ又は土地若しくは建物を借り入れるとき。
二十四  法律又は政令の規定により問屋業者に販売を委託し又は販売させるとき。
二十五  国が国以外の者に委託した試験研究の成果に係る特許権及び実用新案権の一部を当該試験研究を受託した者に売り払うとき。

第九十九条の二  契約担当官等は,競争に付しても入札者がないとき,又は再度の入札をしても落札者がないときは,随意契約によることができる。この場合においては,契約保証金及び履行期限を除くほか,最初競争に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。

第九十九条の三  契約担当官等は,落札者が契約を結ばないときは,その落札金額の制限内で随意契約によることができる。この場合においては,履行期限を除くほか,最初競争に付するときに定めた条件を変更することができない。

(予定価格の決定)
第九十九条の五  契約担当官等は,随意契約によろうとするときは,あらかじめ第八十条の規定に準じて予定価格を定めなければならない。

(見積書の徴取)
第九十九条の六  契約担当官等は,随意契約によろうとするときは,なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。

(契約書の記載事項)
第百条  会計法第二十九条の八第一項 本文の規定により契約担当官等が作成すべき契約書には,契約の目的,契約金額,履行期限及び契約保証金に関する事項のほか,次に掲げる事項を記載しなければならない。ただし,契約の性質又は目的により該当のない事項については,この限りでない。
一  契約履行の場所
二  契約代金の支払又は受領の時期及び方法
三  監督及び検査
四  履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息,違約金その他の損害金
五  危険負担
六  かし担保責任
七  契約に関する紛争の解決方法
八  その他必要な事項
2  前項に定めるもののほか,契約書の記載その他その作成に関する細目は,財務大臣の定めるところによる。

(契約書の作成を省略することができる場合)
第百条の二  会計法第二十九条の八第一項 ただし書の規定により契約書の作成を省略することができる場合は,次に掲げる場合とする。
一  第七十二条第一項の資格を有する者による一般競争契約又は指名競争契約若しくは随意契約で,契約金額が百五十万円(外国で契約するときは,二百万円)を超えないものをするとき。
二  せり売りに付するとき。
三  物品を売り払う場合において,買受人が代金を即納してその物品を引き取るとき。
四  第一号に規定するもの以外の随意契約について各省各庁の長が契約書を作成する必要がないと認めるとき。
2  各省各庁の長は,前項第四号の規定による認定をしようとするときは,財務大臣に協議しなければならない。
3  財務大臣は,前項の協議が整つたときは,会計検査院に通知しなければならない。

(契約保証金の納付の免除)
第百条の三  契約担当官等は,会計法第二十九条の九第一項 ただし書の規定により,次に掲げる場合においては,契約保証金の全部又は一部を納めさせないことができる。
一  契約の相手方が保険会社との間に国を被保険者とする履行保証保険契約を結んだとき。
二  契約の相手方から委託を受けた保険会社,銀行,農林中央金庫その他財務大臣の指定する金融機関と工事履行保証契約を結んだとき。
三  第七十二条第一項の資格を有する者による一般競争に付し,若しくは指名競争若しくはせり売りに付し,又は随意契約による場合において,その必要がないと認められるとき。

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事件性は全くないとの判断について

2007-10-15 22:06:58 | Weblog
asahi.com 力士急死で検視怠る 愛知県警,病死と判断

 記事によれば,消防本部から不審死の疑いがあると連絡があったほか,解剖担当者の言としても,一見してけいこではできないような傷がいくつもあった,とのこと。
作成された死体見分調書は「その死体が犯罪に起因するものでないことが明らかである場合」に調査・作成されるもの(死体取扱規則第4条第1項参照)。
検視規則第2条には「警察官は,変死体を発見し,又はこれがある旨の届出を受けたときは,直ちに,その変死体の所在地を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。」,同第3条には「前条の規定により報告を受けた警察署長は,すみやかに,警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。以下同じ。)にその旨を報告するとともに,刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百二十九条第一項の規定による検視が行われるよう,その死体の所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官に次の各号に掲げる事項を通知しなければならない。」とある。
部屋関係者の説明を軽信し,検視の手配を怠った警察署,失策と言われても致し方ない。


刑事訴訟法の関連条文

第二百二十九条 変死者又は変死の疑のある死体があるときは,その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は,検視をしなければならない。
2 検察官は,検察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。

検視規則の関連条文

(この規則の目的)
第一条 この規則は,警察官が変死者又は変死の疑のある死体(以下「変死体」という。)を発見し,又はこれがある旨の届出を受けたときの検視に関する手続,方法その他必要な事項を定めることを目的とする。

(報告)
第二条 警察官は,変死体を発見し,又はこれがある旨の届出を受けたときは,直ちに,その変死体の所在地を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。

(検察官への通知)
第三条 前条の規定により報告を受けた警察署長は,すみやかに,警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。以下同じ。)にその旨を報告するとともに,刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百二十九条第一項の規定による検視が行われるよう,その死体の所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官に次の各号に掲げる事項を通知しなければならない。
一 変死体発見の年月日時,場所及びその状況
二 変死体発見者の氏名その他参考となるべき事項

(現場の保存)
第四条 警察官は,検視が行われるまでは,変死体及びその現場の状況を保存するように努めるとともに,事後の捜査又は身元調査に支障をきたさないようにしなければならない。

(検視の代行)
第五条 刑事訴訟法第二百二十九条第二項の規定により変死体について検視をする場合においては,医師の立会を求めてこれを行い,すみやかに検察官に,その結果を報告するとともに,検視調書を作成して,撮影した写真等とともに送付しなければならない。

(検視の要領)
第六条 検視に当つては,次の各号に掲げる事項を綿密に調査しなければならない。
一 変死体の氏名,年齢,住居及び性別
二 変死体の位置,姿勢並びに創傷その他の変異及び特徴
三 着衣,携帯品及び遺留品
四 周囲の地形及び事物の状況
五 死亡の推定年月日時及び場所
六 死因(特に犯罪行為に基因するか否か。)
七 凶器その他犯罪行為に供した疑のある物件
八 自殺の疑がある死体については,自殺の原因及び方法,教唆者,ほう助者等の有無並びに遺書があるときはその真偽
九 中毒死の疑があるときは,症状,毒物の種類及び中毒するに至った経緯
2 前項の調査に当つて必要がある場合には,立会医師の意見を徴し,家人,親族,隣人,発見者その他の関係者について必要な事項を聴取し,かつ,人相,全身の形状,特徴のある身体の部位,着衣その他特徴のある所持品の撮影及び記録並びに指紋の採取等を行わなければならない。

死体取扱規則の関連条文

(この規則の目的)
第一条 この規則は,警察官が死体を発見し,又は死体がある旨の届出を受けた場合における死因の調査,身元の照会,遺族への引渡,市区町村長への報告等その死体の行政上の取扱方法及び手続その他必要な事項を定めることを目的とする。

(刑事手続との関係)
第二条 検視,検証,実況見分等刑事手続の対象となる死体についても,その行政上の取扱方法及び手続その他必要な事項に関しては,この規則の定めるところによる。

(報告)
第三条 警察官は,死体を発見し,又は死体がある旨の届出を受けたときは,すみやかにその死体の所在地を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。

(警察署長の措置)
第四条 前条の規定による報告を受けた警察署長は,すみやかに,警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。)にその旨を報告したのち,その死体が犯罪に起因するものでないことが明らかである場合においては,その死体を見分するとともに死因,身元その他の調査を行い,死体見分調書(別記様式第一号)を作成し,又は所属警察官にこれを行わせなければならない。
2 前項に規定するもののほか,同項に規定する警察署長は,死亡者が外国人であることが判明したときは,遅滞なく,その旨を当該領事機関(総領事館,領事館,副領事館又は代理領事事務所をいう。)に通報するものとする。

(撮影,記録,指紋の採取等)
第六条 死体の見分を行うに当つては,特に人相及び全身の形状並びに歯がの形状,傷こん,いれずみ等特徴のある身体の部位,着位,所持品等の撮影及び記録並びに指紋の採取等を行い,その後の身元調査等に支障をきたさないようにしなければならない。
2 死体の見分を行うに当つて必要があるときは,医師の立会を求めなければならない。

(死体の遺族等への引渡)
第八条 死体について,身元が明らかになつたときは,着衣,所持金品等とともに死体をすみやかに遺族等に引き渡さなければならない。ただし,遺族等への引渡ができないときは死亡地の市区町村長に引き渡すものとする。
2 前項の引渡を行つた場合においては,死体及び所持金品引取書(別記様式第三号)又は死産児及び付属金品引取書(別記様式第四号)を徴しておかなければならない。

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謹製日について

2007-10-13 13:30:10 | Weblog
asahi.com 赤福,解凍出荷認める 社長謝罪「偽装の意図ない」

 JAS法においては,平成13年4月以降,すべての加工食品に,それまでの「製造年月日」ではなく,「賞味期限」などの期限表示をすることとなった。「製造年月日」は消費者への情報提供としての任意の表示である。
さて,農水省の加工食品品質表示基準第6条は加工食品の表示禁止事項に係る規定。第3号には「その他内容物を誤認させるような文字,絵,写真その他の表示」とある。農水省,「謹製」なる日付の表示はこの号に該当するという判断のようだ。なるほど,消費者を惑わす表示である。
謹製は「心を込め,謹んで作りました」という意味。「心を込め,謹んで解凍しました」「心を込め,謹んで包装し直しました」ということであれば,「謹解凍」「謹再包装」とでもした方が良かったかもしれない。

農水省 株式会社赤福が販売した商品(商品名「赤福餅」)における不適正表示に対する措置について

農水省 加工食品の表示に関する共通Q&A


「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」の関連条文

(法律の目的)
第一条  この法律は,適正かつ合理的な農林物資の規格を制定し,これを普及させることによつて,農林物資の品質の改善,生産の合理化,取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図るとともに,農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによつて一般消費者の選択に資し,もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(製造業者等が守るべき表示の基準)
第十九条の十三  農林水産大臣は,飲食料品の品質に関する表示の適正化を図り一般消費者の選択に資するため,農林物資のうち飲食料品(生産の方法又は流通の方法に特色があり,これにより価値が高まると認められるものを除く。)の品質に関する表示について,農林水産省令で定める区分ごとに,次に掲げる事項のうち必要な事項につき,その製造業者等が守るべき基準を定めなければならない。
一  名称,原料又は材料,保存の方法,原産地その他表示すべき事項
二  表示の方法その他前号に掲げる事項の表示に際して製造業者等が遵守すべき事項
2  農林水産大臣は,飲食料品の品質に関する表示の適正化を図るため特に必要があると認めるときは,前項の基準において定めるもののほか,同項に規定する飲食料品の品質に関する表示について,その種類ごとに,同項各号に掲げる事項につき,その製造業者等が守るべき基準を定めることができる。
3  農林水産大臣は,飲食料品以外の農林物資(生産の方法又は流通の方法に特色があり,これにより価値が高まると認められるものを除く。)で,一般消費者がその購入に際してその品質を識別することが特に必要であると認められるもののうち,一般消費者の経済的利益を保護するためその品質に関する表示の適正化を図る必要があるものとして政令で指定するものについては,その指定のあつた後速やかに,その品質に関する表示について,その製造業者等が守るべき基準を定めなければならない。
4  農林水産大臣は,前三項の規定により品質に関する表示の基準を定めたときは,遅滞なく,これを告示しなければならない。
5  農林水産大臣は,第一項から第三項までの規定により品質に関する表示の基準を定めようとするときは,あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
6  第七条第二項並びに第十三条第一項,第四項及び第五項の規定は第一項から第三項までの場合について,同条第二項から第五項までの規定は第一項から第三項までの規定により定められた品質に関する表示の基準について準用する。この場合において,第十三条第四項中「その改正について審議会の審議に付さなければ」とあるのは,「その改正をしなければ」と読み替えるものとする。

(表示に関する指示等)
第十九条の十四  農林水産大臣は,前条第一項若しくは第二項の規定により定められた同条第一項第一号に掲げる事項(以下「表示事項」という。)を表示せず,又は同項若しくは同条第二項の規定により定められた同条第一項第二号に掲げる事項(以下「遵守事項」という。)を遵守しない製造業者等があるときは,当該製造業者等に対して,表示事項を表示し,又は遵守事項を遵守すべき旨の指示をすることができる。
2  農林水産大臣は,前条第三項の規定により定められた品質に関する表示の基準を守らない製造業者等があるときは,当該製造業者等に対し,その基準を守るべき旨の指示をすることができる。
3  農林水産大臣は,前二項の指示を受けた者が,正当な理由がなくてその指示に係る措置をとらなかつたときは,その者に対し,その指示に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

加工食品品質表示基準の関連条文

(適用の範囲)
第1条 この基準は,加工食品(容器に入れ,又は包装されたものに限る。)に適用する。

第3条 加工食品の品質に関し,製造業者,加工包装業者又は輸入業者(販売業者が製造業者,加工包装業者又は輸入業者との合意等により製造業者,加工包装業者又は輸入業者に代わってその品質に関する表示を行うこととなっている場合にあっては,当該販売業者。以下「製造業者等」という。)が加工食品の容器又は包装に表示すべき事項は,次のとおりとする。ただし,飲食料品を製造し,若しくは加工し,一般消費者に直接販売する場合又は飲食料品を設備を設けて飲食させる場合はこの限りでない。
(1) 名称
(2) 原材料名
(3) 内容量
(4) 賞味期限
(5) 保存方法
(6) 製造業者等の氏名又は名称及び住所
2 固形物に充てん液を加え缶又は瓶に密封したもの(固形量の管理が困難なものを除く。)にあっては,製造業者等がその缶又は瓶に表示すべき事項は,前項第3号に掲げる事項に代えて,固形量及び内容総量とする。ただし,内容総量については,固形量と内容総量がおおむね同一の場合又は充てん液を加える主たる目的が内容物を保護するためのものである場合は,この限りでない。
3 固形物に充てん液を加え缶及び瓶以外の容器又は包装に密封したものにあっては,製造業者等がその缶及び瓶以外の容器又は包装に表示すべき事項は,第1項第3号に掲げる事項に代えて,固形量とすることができる。
4 品質が急速に変化しやすく製造後速やかに消費すべきものにあっては,製造業者等がその容器又は包装に表示すべき事項は,第1項第4号に掲げる事項に代えて,消費期限とする。
5 輸入品以外の別表2に掲げる加工食品(以下「対象加工食品」という。)にあっては,製造業者等がその容器又は包装に表示すべき事項は,第1項各号に掲げるもののほか,原料原産地名とする。
6 輸入品にあっては,製造業者等がその容器又は包装に表示すべき事項は,第1項各号に掲げるもののほか,原産国名とする。
7 第1項の規定にかかわらず,次の表の左欄に掲げる区分に該当するものにあっては,同表の右欄に掲げる表示事項を省略することができる。

(表示禁止事項)
第6条 次に掲げる事項は,これを表示してはならない。
(1) 第3条の規定により表示すべき事項の内容と矛盾する用語
(2) 産地名を示す表示であって,産地名の意味を誤認させるような表示
(3) その他内容物を誤認させるような文字,絵,写真その他の表示
(4) 屋根型紙パック容器の上端の一部を一箇所切り欠いた表示(別表5の左欄に掲げる加工食品について,同表の右欄に掲げる方法により表示する場合を除く。)

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演技力の差に伴う量刑のバラツキについて

2007-10-13 10:01:03 | Weblog
MSN産経ニュース 裁判員裁判,量刑に開き 同一シナリオでも無期~懲役16年

 裁判員法第67条第2項には,「刑の量定について意見が分かれ,その説が各々,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見にならないときは,その合議体の判断は,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見になるまで,被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加え,その中で最も利益な意見による。」とある。「構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む」とあるから,裁判員,裁判官のそれぞれ1人以上が賛成していることが必要である。

さて,各地の模擬裁判で、裁判員として参加した市民から目安となる資料を求める声が相次いだと報じられていたところ。
このような事情もあってか,最高裁,裁判員に類似事件の量刑例やその分布グラフなどを参考資料として提供することを決めている。裁判員制度開始前に検証があるとは思うが,参考資料が提供された場合,判決のバラツキ具合い,どういったものになるか興味深い。
因みに,データベースは大まかな傾向が分かるようなものを構築するようだ。詳細なものになれば量刑の安定は増すが,それでは「市民の常識の反映」という裁判員制度の趣旨を損なうということのよう。この辺り,兼ね合いが難しい。


「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ,裁判員の参加する刑事裁判に関し,裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。

(対象事件及び合議体の構成)
第二条  地方裁判所は,次に掲げる事件については,次条の決定があった場合を除き,この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は,裁判所法第二十六条の規定にかかわらず,裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
一  死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
二  裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
2  前項の合議体の裁判官の員数は三人,裁判員の員数は六人とし,裁判官のうち一人を裁判長とする。ただし,次項の決定があったときは,裁判官の員数は一人,裁判員の員数は四人とし,裁判官を裁判長とする。
3  第一項の規定により同項の合議体で取り扱うべき事件(以下「対象事件」という。)のうち,公判前整理手続による争点及び証拠の整理において公訴事実について争いがないと認められ,事件の内容その他の事情を考慮して適当と認められるものについては,裁判所は,裁判官一人及び裁判員四人から成る合議体を構成して審理及び裁判をする旨の決定をすることができる。
4  裁判所は,前項の決定をするには,公判前整理手続において,検察官,被告人及び弁護人に異議のないことを確認しなければならない。
5  第三項の決定は,第二十七条第一項に規定する裁判員等選任手続の期日までにしなければならない。
6  地方裁判所は,第三項の決定があったときは,裁判所法第二十六条第二項の規定にかかわらず,当該決定の時から第三項に規定する合議体が構成されるまでの間,一人の裁判官で事件を取り扱う。
7  裁判所は,被告人の主張,審理の状況その他の事情を考慮して,事件を第三項に規定する合議体で取り扱うことが適当でないと認めたときは,決定で,同項の決定を取り消すことができる。

(評議)
第六十六条  第二条第一項の合議体における裁判員の関与する判断のための評議は,構成裁判官及び裁判員が行う。
2  裁判員は,前項の評議に出席し,意見を述べなければならない。
3  裁判長は,必要と認めるときは,第一項の評議において,裁判員に対し,構成裁判官の合議による法令の解釈に係る判断及び訴訟手続に関する判断を示さなければならない。
4  裁判員は,前項の判断が示された場合には,これに従ってその職務を行わなければならない。
5  裁判長は,第一項の評議において,裁判員に対して必要な法令に関する説明を丁寧に行うとともに,評議を裁判員に分かりやすいものとなるように整理し,裁判員が発言する機会を十分に設けるなど,裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならない。

(評決)
第六十七条  前条第一項の評議における裁判員の関与する判断は,裁判所法第七十七条の規定にかかわらず,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。
2  刑の量定について意見が分かれ,その説が各々,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見にならないときは,その合議体の判断は,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見になるまで,被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加え,その中で最も利益な意見による。

(構成裁判官による評議)
第六十八条  構成裁判官の合議によるべき判断のための評議は,構成裁判官のみが行う。
2  前項の評議については,裁判所法第七十五条第一項及び第二項前段,第七十六条並びに第七十七条の規定に従う。
3  構成裁判官は,その合議により,裁判員に第一項の評議の傍聴を許し,第六条第二項各号に掲げる判断について裁判員の意見を聴くことができる。

(補充裁判員の傍聴等)
第六十九条  補充裁判員は,構成裁判官及び裁判員が行う評議並びに構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたものを傍聴することができる。
2  構成裁判官は,その合議により,補充裁判員の意見を聴くことができる。

(評議の秘密)
第七十条  構成裁判官及び裁判員が行う評議並びに構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたものの経過並びにそれぞれの裁判官及び裁判員の意見並びにその多少の数(以下「評議の秘密」という。)については,これを漏らしてはならない。
2  前項の場合を除き,構成裁判官のみが行う評議については,裁判所法第七十五条第二項後段の規定に従う。

附則

(施行期日)
第一条  この法律は,公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし,次の各号に掲げる規定は,当該各号に定める日から施行する。
一  次条及び附則第三条の規定 公布の日
二  第二十条から第二十三条まで,第二十五条,第七十一条,第七十二条,第七十五条,第七十六条及び附則第五条の規定 公布の日から起算して四年六月を超えない範囲内において政令で定める日
三  第十七条第九号の規定(審査補助員に係る部分に限る。) 刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第六十二号)附則第一条第二号に定める日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日

(施行前の措置等)
第二条  政府及び最高裁判所は,裁判員の参加する刑事裁判の制度が司法への参加についての国民の自覚とこれに基づく協力の下で初めて我が国の司法制度の基盤としての役割を十全に果たすことができるものであることにかんがみ,この法律の施行までの期間において,国民が裁判員として裁判に参加することの意義,裁判員の選任の手続,事件の審理及び評議における裁判員の職務等を具体的に分かりやすく説明するなど,裁判員の参加する刑事裁判の制度についての国民の理解と関心を深めるとともに,国民の自覚に基づく主体的な刑事裁判への参加が行われるようにするための措置を講じなければならない。
2  前条の政令を定めるに当たっては,前項の規定による措置の成果を踏まえ,裁判員の参加する刑事裁判が円滑かつ適正に実施できるかどうかについての状況に配慮しなければならない。

(環境整備)
第三条  国は,裁判員の参加する刑事裁判の制度を円滑に運用するためには,国民がより容易に裁判員として裁判に参加することができるようにすることが不可欠であることにかんがみ,そのために必要な環境の整備に努めなければならない。

(経過措置)
第四条  この法律の施行の際現に係属している事件については,第二条第一項及び第四条の規定は適用しない。この法律の施行前判決が確定した事件であってこの法律の施行後再審開始の決定が確定したものについても,同様とする。
2  前項の規定にかかわらず,裁判所は,この法律の施行の際現に係属している事件であってその弁論を対象事件の弁論と併合することが適当と認められるものについては,決定で,これを第二条第一項の合議体で取り扱うことができる。
3  裁判所は,前項の決定をした場合には,刑事訴訟法の規定により,当該決定に係る事件の弁論と当該対象事件の弁論とを併合しなければならない。

(検討)
第八条  政府は,この法律の施行後三年を経過した場合において,この法律の施行の状況について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて,裁判員の参加する刑事裁判の制度が我が国の司法制度の基盤としての役割を十全に果たすことができるよう,所要の措置を講ずるものとする。

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知事の多選制限条例について

2007-10-10 20:02:13 | Weblog
MSN産経ニュース 全国初の知事多選禁止条例成立へ 神奈川

 記事には,概略,多選を条例で制限するには法律の根拠が必要などの慎重意見が続出,とある。
慎重意見は,次に掲げる総務省「首長の多選問題に関する調査研究会 報告書」の「制限の法形式」を踏まえた物言いであろう。

 地方公共団体の長の多選制限は,どの程度の期間在任できるかという在任期間の制限であり,任期と同様に,地方公共団体の組織及び運営に関する基本的な事項である。したがって,在任制限を制度化する場合には,法律にその根拠を置くことが憲法上必要であり,地方公共団体の組織及び運営に関する事項を一般的に定めた地方自治法において規定することが適当であると考えられる。
 法律に地方公共団体の長の多選制限の根拠を置くのであれば,法律によって一律に多選制限を行うこととするのか,あるいは,多選制限の是非や具体的内容を条例に委ねることとするのか,については,立法政策の問題であり,憲法上の問題は生じないと考えられる。
 なお,立法政策論としては,次のような考え方があり得る。
 まず,地方公共団体の長の多選制限の根拠を,立憲主義及び民主主義の原理に求める考え方からすれば,地域による差異を認める必要もないことから,法律によって,一律に,対象となる地方公共団体の長の多選を制限するという考え方もある。このような考え方については,地方自治法において長の任期を4年とし,その終期,解職の要件,手続等を一律に定めている現行制度とも整合的であるとも言える。
 一方,地方公共団体の自主的な判断をできる限り尊重する観点から,多選制限をすること自体の是非や多選制限の具体的な内容は条例に委ねるという考え方もある。このような考え方については,地方分権推進委員会第2次勧告において言及されており,地方公共団体の自主性を尊重する地方分権改革の考え方とも整合的であるとも言える。


憲法第92条には「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は,地方自治の本旨に基いて,法律でこれを定める。」とある。多選制限は地方公共団体の組織及び運営に関する基本的な事項 → 多選制限は法律(具体的には地方自治法)にその根拠を置くことが憲法上必要,という理屈のようだ。
さて,地方自治法が全国一律制限方式をとることも考えられる現時,地方自治体が多選制限条例を制定するには勇気がいる。施行をペンディングにしたとはいえ,神奈川県,思い切ったなという印象。
因みに,記事にある埼玉県の多選自粛条例は以下のとおり。

埼玉県知事の在任期間に関する条例

(目的)
第一条 この条例は,知事が幅広い権限を有する地位にあることにかんがみ,知事の職に同一の者が長期にわたり在任することにより生ずるおそれのある弊害を防止するため,知事の在任期間について定め,もって清新で活力のある県政の確保を図ることを目的とする。

(在任期間)
第二条 知事の職にある者は,その職に連続して三期(各期における在任期間が四年に満たない場合も,これを一期とする。)を超えて在任しないよう努めるものとする。


総務省 首長の多選問題に関する調査研究会 報告書


日本国憲法の関連条文

第十三条  すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする。

第十四条  すべて国民は,法の下に平等であつて,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。
2  華族その他の貴族の制度は,これを認めない。
3  栄誉,勲章その他の栄典の授与は,いかなる特権も伴はない。栄典の授与は,現にこれを有し,又は将来これを受ける者の一代に限り,その効力を有する。

第十五条  公務員を選定し,及びこれを罷免することは,国民固有の権利である。
2  すべて公務員は,全体の奉仕者であつて,一部の奉仕者ではない。
3  公務員の選挙については,成年者による普通選挙を保障する。
4  すべて選挙における投票の秘密は,これを侵してはならない。選挙人は,その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第二十二条  何人も,公共の福祉に反しない限り,居住,移転及び職業選択の自由を有する。
2  何人も,外国に移住し,又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第九十二条  地方公共団体の組織及び運営に関する事項は,地方自治の本旨に基いて,法律でこれを定める。

第九十三条  地方公共団体には,法律の定めるところにより,その議事機関として議会を設置する。
2  地方公共団体の長,その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は,その地方公共団体の住民が,直接これを選挙する。

第九十四条  地方公共団体は,その財産を管理し,事務を処理し,及び行政を執行する権能を有し,法律の範囲内で条例を制定することができる。

公職選挙法の関連条文

(選挙権)
第九条  日本国民で年齢満二十年以上の者は,衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
2  日本国民たる年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は,その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
3  前項の市町村には,その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて,当該廃置分合により消滅した市町村(この項の規定により当該消滅した市町村に含むものとされた市町村を含む。)を含むものとする。
4  第二項の規定によりその属する市町村を包括する都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有する者で当該市町村の区域内から引き続き同一都道府県の区域内の他の市町村の区域内に住所を移したものは,同項に規定する住所に関する要件にかかわらず,当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を引き続き有する。
5  第二項の三箇月の期間は,市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。

(被選挙権)
第十条  日本国民は,左の各号の区分に従い,それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。
一  衆議院議員については年齢満二十五年以上の者
二  参議院議員については年齢満三十年以上の者
三  都道府県の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの
四  都道府県知事については年齢満三十年以上の者
五  市町村の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの
六  市町村長については年齢満二十五年以上の者
2  前項各号の年齢は,選挙の期日により算定する。

(選挙権及び被選挙権を有しない者)
第十一条  次に掲げる者は,選挙権及び被選挙権を有しない。
一  成年被後見人
二  禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
三  禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
四  公職にある間に犯した刑法 (明治四十年法律第四十五号)第百九十七条 から第百九十七条の四 までの罪又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律 (平成十二年法律第百三十号)第一条 の罪により刑に処せられ,その執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた者でその執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた日から五年を経過しないもの又はその刑の執行猶予中の者
五  法律で定めるところにより行われる選挙,投票及び国民審査に関する犯罪により禁錮以上の刑に処せられその刑の執行猶予中の者
2  この法律の定める選挙に関する犯罪に因り選挙権及び被選挙権を有しない者については,第二百五十二条の定めるところによる。
3  市町村長は,その市町村に本籍を有する者で他の市町村に住所を有するもの又は他の市町村において第三十条の六の規定による在外選挙人名簿の登録がされているものについて,第一項又は第二百五十二条の規定により選挙権及び被選挙権を有しなくなるべき事由が生じたこと又はその事由がなくなつたことを知つたときは,遅滞なくその旨を当該他の市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。

(被選挙権を有しない者)
第十一条の二  公職にある間に犯した前条第一項第四号に規定する罪により刑に処せられ,その執行を終わり又はその執行の免除を受けた者でその執行を終わり又はその執行の免除を受けた日から五年を経過したものは,当該五年を経過した日から五年間,被選挙権を有しない。

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祭典の第二幕について

2007-10-09 21:33:27 | Weblog
観客席から熱い拍手 炬火消え,11日間の祭典終了 - さきがけ on the Web

 秋田わか杉国体が終了。
各競技で熱戦が繰り広げられたが,馬術競技は8日,9日に予定されていた8種目が中止となってしまった。選手の皆さんにはお気の毒というほかない。国内で馬インフルエンザの感染が確認されたのはこの8月。対策,難しかったのだろうか。
さて,記事には「祭典終了」とあるが,いやいや,13日からは障害のある方々が参加する秋田わか杉大会が始まる。

財団法人日本障害者スポーツ大会 全国障害者スポーツ大会


スポーツ振興法の関連条文

(目的)
第一条 この法律は,スポーツの振興に関する施策の基本を明らかにし,もつて国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与することを目的とする。
2 この法律の運用に当たつては,スポーツをすることを国民に強制し,又はスポーツを前項の目的以外の目的のために利用することがあつてはならない。

(国民体育大会)
第六条 国民体育大会は,財団法人日本体育協会,国及び開催地の都道府県が共同して開催する。
2 国民体育大会においては,都道府県ごとに選出された選手が参加して総合的に運動競技をするものとする。
3 国は,国民体育大会の円滑な運営に資するため,財団法人日本体育協会及び開催地の都道府県に対し,必要な援助を行なうものとする。

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口頭弁論の方式遵守に係る証明について

2007-10-08 17:19:54 | Weblog
asahi.com 非公開で口頭弁論開く 高裁,審理差し戻し 千葉地裁

 記事によれば,調書には「法廷で公開」とあるとのこと。
証拠方法の制限に係る規定のひとつとして,民訴法第160条第3項には「口頭弁論の方式に関する規定の遵守は,調書によってのみ証明することができる。ただし,調書が滅失したときは,この限りでない。」とある。これからすれば,非公開云々は争う余地はないようにも思えるが,同条第2項には「調書の記載について当事者その他の関係人が異議を述べたときは,調書にその旨を記載しなければならない。」とある。件の調書には異議があった旨,記載されているのかもしれない。
ただ,考えてみれば,口頭弁論非公開は絶対的上告理由。責問権の放棄・喪失も認められない重大な瑕疵である。仮に,調書に異議があった旨記載されていない場合でも,公開の虚偽が明々白々とあらば,方式不遵守を理由とする上訴,門前払いというわけにはいかないのではなかろうか。

それにしても,何故,書記官が公開の旨を調書に記載したのか不思議。裁判官の指示にそのまま従ったということであろうか。


日本国憲法の関連条文

第八十二条  裁判の対審及び判決は,公開法廷でこれを行ふ。
2  裁判所が,裁判官の全員一致で,公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には,対審は,公開しないでこれを行ふことができる。但し,政治犯罪,出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は,常にこれを公開しなければならない。

民事訴訟法の関連条文

(訴訟手続に関する異議権の喪失)
第九十条  当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り,又は知ることができた場合において,遅滞なく異議を述べないときは,これを述べる権利を失う。ただし,放棄することができないものについては,この限りでない。

(期日の指定及び変更)
第九十三条  期日は,申立てにより又は職権で,裁判長が指定する。
2  期日は,やむを得ない場合に限り,日曜日その他の一般の休日に指定することができる。
3  口頭弁論及び弁論準備手続の期日の変更は,顕著な事由がある場合に限り許す。ただし,最初の期日の変更は,当事者の合意がある場合にも許す。
4  前項の規定にかかわらず,弁論準備手続を経た口頭弁論の期日の変更は,やむを得ない事由がある場合でなければ,許すことができない。

(期日の呼出し)
第九十四条  期日の呼出しは,呼出状の送達,当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。
2  呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは,期日に出頭しない当事者,証人又は鑑定人に対し,法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし,これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは,この限りでない。

(口頭弁論調書)
第百六十条  裁判所書記官は,口頭弁論について,期日ごとに調書を作成しなければならない。
2  調書の記載について当事者その他の関係人が異議を述べたときは,調書にその旨を記載しなければならない。
3  口頭弁論の方式に関する規定の遵守は,調書によってのみ証明することができる。ただし,調書が滅失したときは,この限りでない。

(弁論準備手続の期日)
第百六十九条  弁論準備手続は,当事者双方が立ち会うことができる期日において行う。
2  裁判所は,相当と認める者の傍聴を許すことができる。ただし,当事者が申し出た者については,手続を行うのに支障を生ずるおそれがあると認める場合を除き,その傍聴を許さなければならない。

(第一審の判決の手続が違法な場合の取消し)
第三百六条  第一審の判決の手続が法律に違反したときは,控訴裁判所は,第一審判決を取り消さなければならない。

第三百八条  前条本文に規定する場合のほか,控訴裁判所が第一審判決を取り消す場合において,事件につき更に弁論をする必要があるときは,これを第一審裁判所に差し戻すことができる。
2  第一審裁判所における訴訟手続が法律に違反したことを理由として事件を差し戻したときは,その訴訟手続は,これによって取り消されたものとみなす。

(上告の理由)
第三百十二条  上告は,判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに,することができる。
2  上告は,次に掲げる事由があることを理由とするときも,することができる。ただし,第四号に掲げる事由については,第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは,この限りでない。
一  法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
二  法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
三  専属管轄に関する規定に違反したこと(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
四  法定代理権,訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
五  口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
六  判決に理由を付せず,又は理由に食違いがあること。
3  高等裁判所にする上告は,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも,することができる。

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監査法人の意思決定への特定社員の関与について

2007-10-07 21:03:15 | Weblog
監査法人,会計士以外も経営参画可能に・金融庁 NIKKEI NET

 6月の通常国会で公認会計士法が改正。監査法人の社員として公認会計士及び外国公認会計士以外の者が「特定社員」として認められることとなった。
改正法第34条の10の2第4項には「第二項に規定するもののほか,特定社員は,定款の定めにより監査法人の意思決定に関与し,又は補助者として監査法人の業務に従事することができる。」とある。
また,第34条の4には第3項として「監査法人の社員のうちに公認会計士である社員の占める割合は,百分の五十を下らない内閣府令で定める割合以上でなければならない。」という規定があらたに加わった。


改正公認会計士法の関連条文

(公認会計士の使命)
第一条  公認会計士は,監査及び会計の専門家として,独立した立場において,財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより,会社等の公正な事業活動,投資者及び債権者の保護等を図り,もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。

(公認会計士の職責)
第一条の二  公認会計士は,常に品位を保持し,その知識及び技能の修得に努め,独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

(定義)
第一条の三  この法律において「財務書類」とは,財産目録,貸借対照表,損益計算書その他財務に関する書類(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて,電子計算機による情報処理の用に供されるもので内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。
2  この法律において「公表する」とは,公告をすることその他株主,債権者その他多数の者の知り得る状態に置くことをいう。
3  この法律において「監査法人」とは,次条第一項の業務を組織的に行うことを目的として,この法律に基づき設立された法人をいう。
4  この法律において「有限責任監査法人」とは,その社員の全部を有限責任社員とする定款の定めのある監査法人をいう。
5  この法律において「無限責任監査法人」とは,その社員の全部を無限責任社員とする定款の定めのある監査法人をいう。
6  この法律において「特定社員」とは,監査法人の社員のうち,公認会計士及び外国公認会計士(第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)以外の者をいう。
7  この法律において「外国監査法人等」とは,第三十四条の三十五第一項の規定による届出をした者をいう。

(公認会計士の業務)
第二条  公認会計士は,他人の求めに応じ報酬を得て,財務書類の監査又は証明をすることを業とする。
2  公認会計士は,前項に規定する業務のほか,公認会計士の名称を用いて,他人の求めに応じ報酬を得て,財務書類の調製をし,財務に関する調査若しくは立案をし,又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし,他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については,この限りでない。
3  第一項の規定は,公認会計士が他の公認会計士又は監査法人の補助者として同項の業務に従事することを妨げない。

(設立等)
第三十四条の二の二  公認会計士(外国公認会計士を含む。以下この章,次章及び第六章の二において同じ。)及び第三十四条の十の八の登録を受けた者は,この章の定めるところにより,監査法人を設立することができる。
2  第一条及び第一条の二の規定は,監査法人について準用する。

(社員)
第三十四条の四  監査法人の社員は,公認会計士又は第三十四条の十の八の登録を受けた者でなければならない。
2  次に掲げる者は,監査法人の社員となることができない。
一  第三十条又は第三十一条の規定により業務の停止の処分を受け,当該業務の停止の期間を経過しない者
二  他の監査法人において,第三十四条の十の十七第二項の規定により,監査法人の次条各号に掲げる業務を執行し,監査法人の意思決定に関与し,又は補助者として監査法人の業務に従事することの禁止の処分を受け,当該禁止の期間を経過しない者
三  第三十四条の二十一第二項の規定により他の監査法人が解散又は業務の停止を命ぜられた場合において,その処分の日以前三十日内に当該他の監査法人の社員であつた者でその処分の日から三年(業務の停止を命ぜられた場合にあつては,当該業務の停止の期間)を経過しないもの
3  監査法人の社員のうちに公認会計士である社員の占める割合は,百分の五十を下らない内閣府令で定める割合以上でなければならない。

(業務の範囲)
第三十四条の五  監査法人は,第二条第一項の業務を行うほか,その業務に支障のない限り,定款で定めるところにより,次に掲げる業務の全部又は一部を行うことができる。
一  第二条第二項の業務
二  公認会計士試験に合格した者に対する実務補習

(業務の執行等)
第三十四条の十の二  監査法人の行う第二条第一項の業務については,公認会計士である社員のみが業務を執行する権利を有し,義務を負う。
2  監査法人の行う業務であつて第三十四条の五各号に掲げるものについては,監査法人のすべての社員が業務を執行する権利を有し,義務を負う。
3  前二項に規定するもののほか,公認会計士である社員は,定款の定めにより監査法人の意思決定に関与し,又は補助者として監査法人の業務に従事することができる。
4  第二項に規定するもののほか,特定社員は,定款の定めにより監査法人の意思決定に関与し,又は補助者として監査法人の業務に従事することができる。

(法人の代表)
第三十四条の十の三  第二条第一項の業務については,公認会計士である社員のみが各自監査法人を代表する。ただし,公認会計士である社員の全員の同意によつて,公認会計士である社員のうち同項の業務について特に監査法人を代表すべき社員を定めることを妨げない。
2  第三十四条の五各号に掲げる業務については,監査法人のすべての社員が,各自監査法人を代表する。ただし,定款又は総社員の同意によつて,社員のうち当該各号に掲げる業務について特に監査法人を代表すべき社員を定めることを妨げない。
3  監査法人を代表する社員は,監査法人の業務(特定社員にあつては,第二条第一項の業務を除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
4  前項の権限に加えた制限は,善意の第三者に対抗することができない。

(特定社員の登録義務)
第三十四条の十の八  特定社員となろうとする者は,特定社員の名簿(以下この節において「特定社員名簿」という。)に,氏名,生年月日,所属する監査法人その他の内閣府令で定める事項の登録(以下この節(第三十四条の十の十第七号及び第八号を除く。)において単に「登録」という。)を受けなければならない。

(特定社員名簿)
第三十四条の十の九  特定社員名簿は,日本公認会計士協会に,これを備える。

(登録拒否の事由)
第三十四条の十の十  次の各号のいずれかに該当する者は,特定社員の登録を受けることができない。
一  公認会計士
二  未成年者,成年被後見人又は被保佐人
三  この法律若しくは金融商品取引法第百九十七条から第百九十八条までの規定に違反し,又は投資信託及び投資法人に関する法律第二百三十三条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪,保険業法第三百二十八条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪,資産の流動化に関する法律第三百八条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪若しくは会社法第九百六十七条第一項(第三号に係る部分に限る。)の罪を犯し,禁錮以上の刑に処せられた者であつて,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなつてから五年を経過しないもの
四  禁錮以上の刑に処せられた者であつて,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しないもの
五  破産者であつて復権を得ない者
六  国家公務員法,国会職員法又は地方公務員法の規定により懲戒免職の処分を受け,当該処分の日から三年を経過しない者
七  第三十条又は第三十一条の規定により公認会計士の登録の抹消の処分を受け,当該処分の日から五年を経過しない者
八  第三十条又は第三十一条の規定により業務の停止の処分を受け,当該業務の停止の期間中に公認会計士の登録が抹消され,いまだ当該期間を経過しない者
九  第三十四条の十の十七第二項の規定により登録の抹消の処分を受け,当該処分の日から五年を経過しない者
十  第三十四条の十の十七第二項の規定により,監査法人の第三十四条の五各号に掲げる業務を執行し,監査法人の意思決定に関与し,又は補助者として監査法人の業務に従事することの禁止の処分を受け,当該禁止の期間中に第三十四条の十の十四第一項(第一号又は第三号に係る部分に限る。)の規定により特定社員の登録が抹消され,いまだ当該期間を経過しない者
十一  税理士法,弁護士法若しくは外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法又は弁理士法により業務の禁止又は除名の処分を受けた者。ただし,これらの法律により再び業務を営むことができるようになつた者を除く。
十二  心身の故障により監査法人の業務の執行に支障があり,又はこれに堪えない者

(登録の手続)
第三十四条の十の十一  登録を受けようとする者は,登録申請書を日本公認会計士協会に提出しなければならない。
2  日本公認会計士協会は,前項の規定により登録申請書の提出があつた場合において,登録を受けようとする者が登録を受けることができる者であると認めたときは,遅滞なく登録を行い,登録を受けようとする者が登録を受けることができない者であると認めたときは,資格審査会の議決に基づいて登録を拒否しなければならない。
3  日本公認会計士協会は,前項の規定により登録を拒否するときは,その理由を付記した書面によりその旨を当該申請者に通知しなければならない。

(登録を拒否された場合の審査請求)
第三十四条の十の十二  前条第二項の規定により登録を拒否された者は,当該処分に不服があるときは,内閣総理大臣に対して,行政不服審査法による審査請求をすることができる。
2  前条第一項の規定により登録申請書を提出した者は,当該申請書を提出した日から三月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされない場合には,当該登録を拒否されたものとして,内閣総理大臣に対して,前項の審査請求をすることができる。
3  前二項の規定による審査請求が理由があるときは,内閣総理大臣は,日本公認会計士協会に対し,相当の処分をすべき旨を命じなければならない。

(変更登録)
第三十四条の十の十三  登録を受けた者は,登録を受けた事項に変更を生じたときは,直ちに変更の登録を申請しなければならない。

(登録の抹消)
第三十四条の十の十四  次の各号のいずれかに該当する場合には,日本公認会計士協会は,登録を抹消しなければならない。
一  特定社員が監査法人の社員でなくなつたとき。
二  特定社員が死亡したとき。
三  特定社員が第三十四条の十の十各号に掲げる者のいずれかに該当するに至つたとき。
2  日本公認会計士協会は,前項第三号の規定により登録の抹消(第三十四条の十の十第十二号に掲げる者に該当する場合における登録の抹消に限る。次項において同じ。)をするときは,資格審査会の議決に基づいて行わなければならない。
3  第三十四条の十の十一第三項並びに第三十四条の十の十二第一項及び第三項の規定は,前項の規定による登録の抹消について準用する。
4  日本公認会計士協会は,特定社員が第三十四条の十の十七第二項の処分の手続に付された場合においては,その手続が結了するまでは,第一項第一号の規定による当該特定社員の登録の抹消をすることができない。

(登録の細目)
第三十四条の十の十五  この節に定めるもののほか,登録の手続,登録の抹消,特定社員名簿その他登録に関して必要な事項は,内閣府令で定める。

(秘密を守る義務)
第三十四条の十の十六  特定社員は,正当な理由がなく,その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らし,又は盗用してはならない。特定社員でなくなつた後であつても,同様とする。

(特定社員に対する処分)
第三十四条の十の十七  特定社員に対する処分は,次の三種とする。
一  戒告
二  監査法人の第三十四条の五各号に掲げる業務を執行し,監査法人の意思決定に関与し,又は補助者として監査法人の業務に従事することの二年以内の禁止
三  登録の抹消
2  特定社員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反した場合には,内閣総理大臣は,前項各号に掲げる処分をすることができる。
3  第三十二条から第三十四条までの規定は,前項の処分について準用する。

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民間による銀行券及び貨幣の製造について

2007-10-07 19:49:56 | Weblog
造幣局・印刷局など,独立法人20以上民営化…政府方針 YOMIURI ONLINE

 独立行政法人国立印刷局法第14条には「印刷局は,第十一条第一項第一号及び第六号の業務を行うに当たっては,偽造防止技術に係る秘密について,その漏えいの防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。」とあり,また,独立行政法人造幣局法第14条にも「造幣局は,第十一条第一項第一号及び第七号の業務を行うに当たっては,偽造防止技術に係る秘密について,その漏えいの防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。」とある。
官報などの政府刊行物の印刷の民間委託については政府が検討に入った旨報じられていたところ。以前このブログでは,さすがに銀行券の製造の民間委託は考えにくいなどと書いたことがあったが,そうでもなさそうだ。しかし,通貨は一国の経済の根幹を成すもの。未だ一波瀾,二波乱ありそう。
因みに,「独立行政法人整理合理化計画の策定に係る基本方針」の「横断的視点」の中には,「独立行政法人の事務・事業については,「真に不可欠なもの以外はすべて廃止する」こととする。」とある。

行政改革推進本部 独立行政法人整理合理化計画の策定に係る基本方針


独立行政法人国立印刷局法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,独立行政法人国立印刷局の名称,目的,業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

(名称)
第二条  この法律及び独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項 に規定する独立行政法人の名称は,独立行政法人国立印刷局とする。

(印刷局の目的)
第三条  独立行政法人国立印刷局(以下「印刷局」という。)は,銀行券(日本銀行法 (平成九年法律第八十九号)第四十六条第一項 の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。第十一条第三項第一号を除き,以下同じ。)の製造を行うとともに,銀行券に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと等により,通貨制度の安定に寄与することを目的とする。
2  印刷局は,前項に規定するもののほか,官報の編集,印刷及び普及を行い,並びに法令全書,白書,調査統計資料その他の刊行物の編集,印刷,刊行及び普及を行うこと等により公共上の見地から行われることが適当な情報の提供を図るとともに,国債証券,印紙,郵便切手その他の公共上の見地から必要な証券及び印刷物の製造を行うこと等によりその確実な提供を図ることを目的とする。

(特定独立行政法人)
第四条  印刷局は,通則法第二条第二項 に規定する特定独立行政法人とする。

(事務所)
第五条  印刷局は,主たる事務所を東京都に置く。

(業務の範囲)
第十一条  印刷局は,第三条の目的を達成するため,次の業務を行う。
一  銀行券の製造を行うこと。
二  銀行券に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと。
三  官報の編集,印刷及び普及を行うこと。
四  法令全書,白書,調査統計資料その他の刊行物(電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。次号及び第三項第一号において同じ。)を含む。)の編集,印刷若しくは作成,刊行又は普及を行うこと。
五  国債証券,印紙,郵便切手,郵便葉書,旅券その他の公共上の見地から必要な印刷物(電磁的記録を含む。)の製造又は印刷を行うこと。
六  前各号の業務に関し,調査,試験,研究又は開発を行うこと。
七  前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2  印刷局は,前項の業務のほか,すき入紙製造取締法 (昭和二十二年法律第百四十九号)第二項 の規定に基づき,同項 の調査を行う。
3  印刷局は,前二項の業務のほか,これらの業務の遂行に支障のない範囲内で,次の業務を行うことができる。
一  外国政府,外国の地方公共団体,外国の中央銀行,国際機関その他これらに準ずるもの(以下この号において「外国政府等」という。)の委託を受けて,当該外国政府等の銀行券,国債証券,印紙,郵便切手,郵便葉書,旅券その他の印刷物(電磁的記録を含む。)の製造又は印刷を行うこと。
二  前号の業務に関し,調査,試験,研究又は開発を行うこと。

(銀行券の製造)
第十二条
 印刷局は,前条第一項第一号の業務については,財務大臣が銀行券の円滑な発行に資するために定める製造計画に従って行わなければならない。

(通貨制度の安定に重大な影響を与える契約の承認)
第十三条
 印刷局は,銀行券の偽造を防止するための製造の方法に関する技術(以下「偽造防止技術」という。)に係る事項その他の第十一条第一項第一号及び第六号の業務(同号の業務にあっては,同項第一号の業務に係るものに限る。次条及び第二十条第一項において同じ。)の実施に関する事項であって通貨制度の安定に重大な影響を与えるおそれがあるものとして財務省令で定めるものをその内容とする契約を締結しようとするときは,財務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも,同様とする。

(偽造防止技術に係る秘密の管理)
第十四条 印刷局は,第十一条第一項第一号及び第六号の業務を行うに当たっては,偽造防止技術に係る秘密について,その漏えいの防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

独立行政法人造幣局法の関連条文

(目的)
第一条 この法律は,独立行政法人造幣局の名称,目的,業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は,独立行政法人造幣局とする。

(造幣局の目的)
第三条 独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)は,貨幣の製造等を行うとともに,貨幣に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと等により,通貨制度の安定に寄与することを目的とする。
2 造幣局は,前項に規定するもののほか,勲章,褒章,記章及び金属工芸品の製造等並びに貴金属の品位の証明等であって,公共上の見地から必要とされるものを行うことを目的とする。

(特定独立行政法人)
第四条 造幣局は,通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。

(事務所)
第五条 造幣局は,主たる事務所を大阪府に置く。

(業務の範囲)
第十一条 造幣局は,第三条の目的を達成するため,次の業務を行う。
一 貨幣の製造,販売及び鋳つぶしを行うこと。
二 貨幣回収準備資金に関する法律(平成十四年法律第四十二号)第二条の規定により設置された貨幣回収準備資金に属する地金の保管を行うこと。
三 貨幣に対する国民の信頼を維持するために必要な情報の提供を行うこと。
四 勲章,褒章,賜杯,記章及び極印の製造を行うこと。
五 公共上の見地から必要な金属工芸品の製造及び販売を行うこと。
六 貴金属の精製及び品位の証明並びに地金及び鉱物の分析を行うこと。
七 前各号の業務に関し,調査,試験,研究又は開発を行うこと。
八 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 造幣局は,前項の業務のほか,同項の業務の遂行に支障のない範囲内で,次の業務を行うことができる。
一 外国政府,外国の地方公共団体,外国の中央銀行,国際機関その他これらに準ずるもの(以下この号において「外国政府等」という。)の委託を受けて,当該外国政府等の貨幣の製造,販売及び鋳つぶし,勲章その他の金属工芸品及び極印の製造並びに貴金属の精製及び品位の証明並びに地金及び鉱物の分析を行うこと。
二 前号の業務に関し,調査,試験,研究又は開発を行うこと。

(貨幣の製造)
第十二条 造幣局は,前条第一項第一号の業務(貨幣の製造に限る。以下同じ。)については,財務大臣の定める製造計画に従って行わなければならない。

(通貨制度の安定に重大な影響を与える契約の承認)
第十三条 造幣局は,貨幣の偽造を防止するための製造の方法に関する技術(以下「偽造防止技術」という。)に係る事項その他の第十一条第一項第一号及び第七号の業務(同号の業務にあっては,同項第一号の業務に係るものに限る。次条及び第十九条第一項において同じ。)の実施に関する事項であって通貨制度の安定に重大な影響を与えるおそれがあるものとして財務省令で定めるものをその内容とする契約を締結しようとするときは,財務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも,同様とする。

(偽造防止技術に係る秘密の管理)
第十四条 造幣局は,第十一条第一項第一号及び第七号の業務を行うに当たっては,偽造防止技術に係る秘密について,その漏えいの防止その他の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

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自治体の刑事告発の見送りについて

2007-10-05 19:04:13 | Weblog
asahi.com 自治体動かぬなら…社保庁が刑事告発 年金着服

 秋田県でも4市で着服事件が起きていると地元紙が報じている。男鹿市の着服額は194万円とか。

さて,自治体が着服した職員を告発しない理由は,概ね,「全額返還されており懲戒処分等の社会的制裁を受けている」というもの。
しかし,刑事訴訟法第239条第2項には「官吏又は公吏は,その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは,告発をしなければならない。」とある。「その職務を行うことにより」の解釈如何とも関係するが,少なくとも着服事件があった年金課等の責任ある地位にある者には告発が義務付けられていると考えるべきではなかろうか。
もちろん,同第248条には「犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは,公訴を提起しないことができる。」とある。具体的な事件処理として,犯罪の嫌疑はあるが訴追・処罰の必要がない場合は,検察官が起訴猶予とすることはあろう。
全額返還云々は訴追段階で考慮されるべき事情。これを理由とする自治体の告発見送り,問題があるように思われる。


刑事訴訟法の関連条文

第二百三十九条  何人でも,犯罪があると思料するときは,告発をすることができる。
2  官吏又は公吏は,その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは,告発をしなければならない。

第二百四十一条  告訴又は告発は,書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。
2  検察官又は司法警察員は,口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。

第二百四十七条  公訴は,検察官がこれを行う。

第二百四十八条  犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは,公訴を提起しないことができる。

地方公務員法の関連条文

(服務の根本基準)
第三十条  すべて職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当つては,全力を挙げてこれに専念しなければならない。

(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
第三十二条  職員は,その職務を遂行するに当つて,法令,条例,地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い,且つ,上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

(信用失墜行為の禁止)
第三十三条  職員は,その職の信用を傷つけ,又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

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