法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

電話番号を知らせない電話連絡網について

2006-07-25 20:27:58 | Weblog
asahi.com 電話番号知らなくても電話連絡網 情報保護意識高まり

 個人情報保護については過剰反応がいわれ,見直しの声もあがり始めたが,記事にあるサービスはこの過剰反応に乗っかろうというもの。
この種のサービスの需要もあるのだろうが,はたして,学級の連絡網として相応しいものかは相当に疑問。利用する場面を誤れば,円満な社会生活を破壊するに十分なサービスのような気がする。緊急事態などに即応できるかといった懸念もある。
記事の「NTTコムの斎藤幸男・担当部長は「学校の利用では割引も検討したい」と話している。」には,正直,ゲンナリ。

個人情報保護「制度の見直し急務」…新聞協会が意見書 YOMIURI ONLINE


「個人情報の保護に関する法律」の関連条文

(第三者提供の制限)
第二十三条  個人情報取扱事業者は,次に掲げる場合を除くほか,あらかじめ本人の同意を得ないで,個人データを第三者に提供してはならない。
一  法令に基づく場合
二  人の生命,身体又は財産の保護のために必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき。
三  公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき。
四  国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって,本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
2  個人情報取扱事業者は,第三者に提供される個人データについて,本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって,次に掲げる事項について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置いているときは,前項の規定にかかわらず,当該個人データを第三者に提供することができる。
一  第三者への提供を利用目的とすること。
二  第三者に提供される個人データの項目
三  第三者への提供の手段又は方法
四  本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。
3  個人情報取扱事業者は,前項第二号又は第三号に掲げる事項を変更する場合は,変更する内容について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。
4  次に掲げる場合において,当該個人データの提供を受ける者は,前三項の規定の適用については,第三者に該当しないものとする。
一  個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合
二  合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合
三  個人データを特定の者との間で共同して利用する場合であって,その旨並びに共同して利用される個人データの項目,共同して利用する者の範囲,利用する者の利用目的及び当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置いているとき。
5  個人情報取扱事業者は,前項第三号に規定する利用する者の利用目的又は個人データの管理について責任を有する者の氏名若しくは名称を変更する場合は,変更する内容について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。

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性別適合手術について

2006-07-25 19:24:55 | Weblog
性同一性障害:2人の性別適合手術に成功 札幌医科大 MSN毎日インタラクティブ

 性同一性障害者の戸籍等の法律上の性別変更には,記事にあるような手術のほか,未婚,子がいない,といった条件をクリアする必要がある(性同一性障害特例法第3条第1項)。身体的性別の変更 即 法律上の性別の変更,とはいかない。
また,戸籍上の名前の変更には,別途,家裁の許可が必要になる(戸籍法第107条の2)。


性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

(趣旨)
第一条  この法律は,性同一性障害者に関する法令上の性別の取扱いの特例について定めるものとする。

(定義)
第二条  この法律において「性同一性障害者」とは,生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず,心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって,そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。

(性別の取扱いの変更の審判)
第三条  家庭裁判所は,性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて,その者の請求により,性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一  二十歳以上であること。
二  現に婚姻をしていないこと。
三  現に子がいないこと。
四  生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五  その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2  前項の請求をするには,同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。

(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)
第四条  性別の取扱いの変更の審判を受けた者は,民法 (明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定の適用については,法律に別段の定めがある場合を除き,その性別につき他の性別に変わったものとみなす。
2  前項の規定は,法律に別段の定めがある場合を除き,性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。

(家事審判法 の適用)
第五条  性別の取扱いの変更の審判は,家事審判法 (昭和二十二年法律第百五十二号)の適用については,同法第九条第一項 甲類に掲げる事項とみなす。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 (平成十五年法律第百十一号)第三条第二項 の規定に基づき,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令を次のように定める。

 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 (平成十五年法律第百十一号)第三条第二項 に規定する医師の診断書に記載すべき事項は,当該医師による診断を受けた者に係る次の各号に掲げる事項とし,当該医師は,これに記名押印又は署名しなければならない。

一  住所,氏名及び生年月日
二  生物学的な性別及びその判定の根拠
三  家庭環境,生活歴及び現病歴
四  生物学的な性別としての社会的な適合状況
五  心理的には生物学的な性別とは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有すること並びにその判定の根拠
六  医療機関における受診歴並びに治療の経過及び結果
七  他の性別としての身体的及び社会的な適合状況
八  診断書の作成年月日
九  その他参考となる事項

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保釈制度の改善について

2006-07-25 10:13:24 | Weblog
asahi.com 杉浦法相,保釈制度改善に意欲

 保釈の許否の判断に黙秘・否認の事実や供述調書への同意の有無等を考慮するのは,黙秘権(憲法第38条第1項),反対尋問権(同第37条第2項前段)等との関係で問題がある。

 記事には,法相の談話として,「刑事訴訟法上,保釈は(被告の)権利だが,裁判所はなかなか(拘置所の外に)出したがらない。例外と原則が逆転している」とある。いかにも,裁判所に問題があるといった口吻。
しかし,裁判所が保釈を許す決定をするには検察官の意見を聴く必要がある(刑訴法第92条第1項)。ひとり,裁判所の責任というのは,ちょっと・・・(検察庁法第14条参照)。


刑事訴訟法の関連条文

第八十八条  勾留されている被告人又はその弁護人,法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族若しくは兄弟姉妹は,保釈の請求をすることができる。
2  第八十二条第三項の規定は,前項の請求についてこれを準用する。

第八十九条  保釈の請求があつたときは,左の場合を除いては,これを許さなければならない。
一  被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二  被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮にあたる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三  被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯したものであるとき。
四  被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五  被告人が,被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六  被告人の氏名又は住居が判らないとき。

第九十条  裁判所は,適当と認めるときは,職権で保釈を許すことができる。

第九十一条  勾留による拘禁が不当に長くなつたときは,裁判所は,第八十八条に規定する者の請求により,又は職権で,決定を以て勾留を取り消し,又は保釈を許さなければならない。
2  第八十二条第三項の規定は,前項の請求についてこれを準用する。

第九十二条  裁判所は,保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには,検察官の意見を聴かなければならない。
2  検察官の請求による場合を除いて,勾留を取り消す決定をするときも,前項と同様である。但し,急速を要する場合は,この限りでない。

検察庁法の関連条文

第四条  検察官は,刑事について,公訴を行い,裁判所に法の正当な適用を請求し,且つ,裁判の執行を監督し,又,裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは,裁判所に,通知を求め,又は意見を述べ,又,公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。

第十四条  法務大臣は,第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し,検察官を一般に指揮監督することができる。但し,個々の事件の取調又は処分については,検事総長のみを指揮することができる。

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仕事と育児の両立に係る議員立法の検討について

2006-07-24 20:11:32 | Weblog
仕事・育児両立へ基本法,与党検討 NIKKEI NET

 「仕事と育児の両立」ということだが,「仕事と家庭の両立」に関しては,既に,育児・介護休業法のほか,次世代育成支援対策推進法がある。
検討に入ったといわれる上記「仕事と生活の調和推進基本法案」(仮称)では,企業に対し仕事と育児の両立に係る行動計画の策定を求めるとのこと。
しかし,次世代育成支援対策推進法でも,一定の事業所には,類似の行動計画の策定等が求められている。法律ばかり作っていても仕方ないと思うが・・・。

なお,冒頭のマークは,「基準適合一般事業主」と認定された場合に商品等に付けることが許される厚生労働大臣の認定マーク(次世代育成支援対策推進法第14条第1項)。


次世代育成支援対策推進法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんがみ,次世代育成支援対策に関し,基本理念を定め,並びに国,地方公共団体,事業主及び国民の責務を明らかにするとともに,行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主の行動計画の策定その他の次世代育成支援対策を推進するために必要な事項を定めることにより,次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進し,もって次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ,かつ,育成される社会の形成に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「次世代育成支援対策」とは,次代の社会を担う子どもを育成し,又は育成しようとする家庭に対する支援その他の次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ,かつ,育成される環境の整備のための国若しくは地方公共団体が講ずる施策又は事業主が行う雇用環境の整備その他の取組をいう。

(基本理念)
第三条  次世代育成支援対策は,父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に,家庭その他の場において,子育ての意義についての理解が深められ,かつ,子育てに伴う喜びが実感されるように配慮して行われなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条  国及び地方公共団体は,前条の基本理念(次条及び第七条第一項において「基本理念」という。)にのっとり,次世代育成支援対策を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。

(事業主の責務)
第五条  事業主は,基本理念にのっとり,その雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備その他の労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うことにより自ら次世代育成支援対策を実施するよう努めるとともに,国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。

(国民の責務)
第六条  国民は,次世代育成支援対策の重要性に対する関心と理解を深めるとともに,国又は地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。

第七条  主務大臣は,次世代育成支援対策の総合的かつ効果的な推進を図るため,基本理念にのっとり,次条第一項の市町村行動計画及び第九条第一項の都道府県行動計画並びに第十二条第一項の一般事業主行動計画及び第十九条第一項の特定事業主行動計画(次項において「市町村行動計画等」という。)の策定に関する指針(以下「行動計画策定指針」という。)を定めなければならない。
2  行動計画策定指針においては,次に掲げる事項につき,市町村行動計画等の指針となるべきものを定めるものとする。
一  次世代育成支援対策の実施に関する基本的な事項
二  次世代育成支援対策の内容に関する事項
三  その他次世代育成支援対策の実施に関する重要事項
3  主務大臣は,少子化の動向,子どもを取り巻く環境の変化その他の事情を勘案して必要があると認めるときは,速やかに行動計画策定指針を変更するものとする。
4  主務大臣は,行動計画策定指針を定め,又はこれを変更しようとするときは,あらかじめ,次条第一項の市町村行動計画及び第九条第一項の都道府県行動計画に係る部分について,総務大臣に協議しなければならない。
5  主務大臣は,行動計画策定指針を定め,又はこれを変更したときは,遅滞なく,これを公表しなければならない。

(市町村行動計画)
第八条  市町村は,行動計画策定指針に即して,五年ごとに,当該市町村の事務及び事業に関し,五年を一期として,地域における子育ての支援,母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進,子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備,子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保,職業生活と家庭生活との両立の推進その他の次世代育成支援対策の実施に関する計画(以下「市町村行動計画」という。)を策定するものとする。
2  市町村行動計画においては,次に掲げる事項を定めるものとする。
一  次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
二  実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
3  市町村は,市町村行動計画を策定し,又は変更しようとするときは,あらかじめ,住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
4  市町村は,市町村行動計画を策定し,又は変更したときは,遅滞なく,これを公表するとともに,都道府県に提出しなければならない。
5  市町村は,毎年少なくとも一回,市町村行動計画に基づく措置の実施の状況を公表しなければならない。
6  市町村は,市町村行動計画の策定及び市町村行動計画に基づく措置の実施に関して特に必要があると認めるときは,事業主その他の関係者に対して調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

(都道府県行動計画)
第九条  都道府県は,行動計画策定指針に即して,五年ごとに,当該都道府県の事務及び事業に関し,五年を一期として,地域における子育ての支援,母性並びに乳児及び幼児の健康の確保及び増進,子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備,子どもを育成する家庭に適した良質な住宅及び良好な居住環境の確保,職業生活と家庭生活との両立の推進その他の次世代育成支援対策の実施に関する計画(以下「都道府県行動計画」という。)を策定するものとする。
2  都道府県行動計画においては,次に掲げる事項を定めるものとする。
一  次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
二  実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
三  次世代育成支援対策を実施する市町村を支援するための措置の内容及びその実施時期
3  都道府県は,都道府県行動計画を策定し,又は変更しようとするときは,あらかじめ,住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
4  都道府県は,都道府県行動計画を策定し,又は変更したときは,遅滞なく,これを公表するとともに,主務大臣に提出しなければならない。
5  都道府県は,毎年少なくとも一回,都道府県行動計画に基づく措置の実施の状況を公表しなければならない。
6  都道府県は,都道府県行動計画の策定及び都道府県行動計画に基づく措置の実施に関して特に必要があると認めるときは,市町村,事業主その他の関係者に対して調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

(都道府県の助言等)
第十条  都道府県は,市町村に対し,市町村行動計画の策定上の技術的事項について必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。
2  主務大臣は,都道府県に対し,都道府県行動計画の策定の手法その他都道府県行動計画の策定上重要な技術的事項について必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。

(市町村及び都道府県に対する交付金の交付等)
第十一条  国は,市町村又は都道府県に対し,市町村行動計画又は都道府県行動計画に定められた措置の実施に要する経費に充てるため,厚生労働省令で定めるところにより,予算の範囲内で,交付金を交付することができる。
2  国は,市町村又は都道府県が,市町村行動計画又は都道府県行動計画に定められた措置を実施しようとするときは,当該措置が円滑に実施されるように必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。

(一般事業主行動計画の策定等)
第十二条  国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって,常時雇用する労働者の数が三百人を超えるものは,行動計画策定指針に即して,一般事業主行動計画(一般事業主が実施する次世代育成支援対策に関する計画をいう。以下同じ。)を策定し,厚生労働省令で定めるところにより,厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
2  一般事業主行動計画においては,次に掲げる事項を定めるものとする。
一  計画期間
二  次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標
三  実施しようとする次世代育成支援対策の内容及びその実施時期
3  一般事業主であって,常時雇用する労働者の数が三百人以下のもの(第十六条第一項及び第二項において「中小事業主」という。)は,行動計画策定指針に即して,一般事業主行動計画を策定し,厚生労働省令で定めるところにより,厚生労働大臣にその旨を届け出るよう努めなければならない。これを変更したときも同様とする。
4  第一項に規定する一般事業主が同項の規定による届出をしない場合には,厚生労働大臣は,当該一般事業主に対し,相当の期間を定めて当該届出をすべきことを勧告することができる。

(基準に適合する一般事業主の認定)
第十三条  厚生労働大臣は,前条第一項又は第三項の規定による届出をした一般事業主からの申請に基づき,厚生労働省令で定めるところにより,当該事業主について,雇用環境の整備に関し,行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動計画を策定したこと,当該一般事業主行動計画を実施し,当該一般事業主行動計画に定めた目標を達成したことその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができる。

(表示等)
第十四条  前条の規定による認定を受けた一般事業主(以下「認定一般事業主」という。)は,商品又は役務,その広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に厚生労働大臣の定める表示を付することができる。
2  何人も,前項の規定による場合を除くほか,広告等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

(認定の取消し)
第十五条  厚生労働大臣は,認定一般事業主が第十三条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき,この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき,その他認定一般事業主として適当でなくなったと認めるときは,同条の認定を取り消すことができる。

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稲の育成者権に対する担保設定について

2006-07-24 17:57:16 | Weblog
担保は稲の独占育成権・商工中金とびわこ銀が新型融資 NIKKEI NET

 以前,豚に対する担保設定について書いたことがあったが,本記事は,稲の「育成者権」に対する担保設定。
商工中金とびわこ銀の協調融資で,期間は7年。融資額は合計で,9000万円とか。

農業に係る融資は天候に左右されるだけに難しい面があるが,このケース,予想される販売収入などから担保価値をはじき出した模様(種苗法第30条第2項参照)。


種苗法の関連条文

(育成者権の発生及び存続期間)
第十九条  育成者権は,品種登録により発生する。
2  育成者権の存続期間は,品種登録の日から二十五年(第四条第二項に規定する品種にあっては,三十年)とする。

(育成者権の効力)
第二十条  育成者権者は,品種登録を受けている品種(以下「登録品種」という。)及び当該登録品種と特性により明確に区別されない品種を業として利用する権利を専有する。ただし,その育成者権について専用利用権を設定したときは,専用利用権者がこれらの品種を利用する権利を専有する範囲については,この限りでない。
2  登録品種の育成者権者は,当該登録品種に係る次に掲げる品種が品種登録された場合にこれらの品種の育成者が当該品種について有することとなる権利と同一の種類の権利を専有する。この場合においては,前項ただし書の規定を準用する。
一  変異体の選抜,戻し交雑,遺伝子組換えその他の農林水産省令で定める方法により,登録品種の主たる特性を保持しつつ特性の一部を変化させて育成され,かつ,特性により当該登録品種と明確に区別できる品種
二  その品種の繁殖のため常に登録品種の植物体を交雑させる必要がある品種
3  登録品種が,前項第一号の農林水産省令で定める方法により,当該登録品種以外の品種の主たる特性を保持しつつ特性の一部を変化させて育成された品種である場合における同項及び次条第二項の規定の適用については,前項中「次に」とあるのは「第二号に」と,同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは「前条第二項第二号」とする。

(法人が解散した場合等における育成者権の消滅)
第二十四条  育成者権は,次に掲げる場合には,消滅する。
一  育成者権者である法人が解散した場合において,その育成者権が民法第七十二条第三項 その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
二  育成者権者である個人が死亡した場合において,その育成者権が民法第九百五十九条 の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

(専用利用権)
第二十五条  育成者権者は,その育成者権について専用利用権を設定することができる。
2  専用利用権者は,設定行為で定めた範囲内において,業としてその登録品種等を利用する権利を専有する。
3  専用利用権は,品種の利用の事業とともにする場合,育成者権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り,移転することができる。
4  専用利用権者は,育成者権者の承諾を得た場合に限り,その専用利用権について質権を設定し,又は他人に通常利用権を許諾することができる。
5  第二十三条の規定は,専用利用権に準用する。

(通常利用権)
第二十六条  育成者権者は,その育成者権について他人に通常利用権を許諾することができる。
2  通常利用権者は,この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において,業としてその登録品種等を利用する権利を有する。

(通常利用権の移転等)
第二十九条  通常利用権は,前条第二項の裁定による通常利用権を除き,品種の利用の事業とともにする場合,育成者権者(専用利用権についての通常利用権にあっては,育成者権者及び専用利用権者。次項において同じ。)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り,移転することができる。
2  通常利用権者は,前条第二項の裁定による通常利用権を除き,育成者権者の承諾を得た場合に限り,その通常利用権について質権を設定することができる。
3  前条第二項の裁定による通常利用権は,品種の利用の事業とともにする場合に限り,移転することができる。
4  第二十三条第一項及び第二項の規定は,通常利用権に準用する。

(質権)
第三十条  育成者権,専用利用権又は通常利用権を目的として質権を設定したときは,質権者は,契約で別段の定めをした場合を除き,当該登録品種等を利用することができない。
2  育成者権,専用利用権又は通常利用権を目的とする質権は,育成者権,専用利用権若しくは通常利用権の対価又は登録品種等の利用に対しその育成者権者若しくは専用利用権者が受けるべき金銭その他の物に対しても,行うことができる。ただし,その払渡し又は引渡し前に差押えをしなければならない。

(育成者権等の放棄)
第三十一条  育成者権者は,専用利用権者,質権者又は第八条第三項,第二十五条第四項若しくは第二十六条第一項の規定による通常利用権者があるときは,これらの者の承諾を得た場合に限り,その育成者権を放棄することができる。
2  専用利用権者は,質権者又は第二十五条第四項の規定による通常利用権者があるときは,これらの者の承諾を得た場合に限り,その専用利用権を放棄することができる。
3  通常利用権者は,質権者があるときは,その承諾を得た場合に限り,その通常利用権を放棄することができる。

(登録の効果)
第三十二条  次に掲げる事項は,登録しなければ,その効力を生じない。
一  育成者権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。),放棄による消滅又は処分の制限
二  専用利用権の設定,移転(相続その他の一般承継によるものを除く。),変更,消滅(混同又は育成者権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
三  育成者権又は専用利用権を目的とする質権の設定,移転(相続その他の一般承継によるものを除く。),変更,消滅(混同又は担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
2  前項各号の相続その他の一般承継の場合は,遅滞なく,農林水産省令で定めるところにより,その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
3  通常利用権は,その登録をしたときは,その育成者権若しくは専用利用権又はその育成者権についての専用利用権をその後に取得した者に対しても,その効力を生ずる。
4  第八条第三項又は第二十七条の規定による通常利用権は,登録しなくても,前項の効力を有する。
5  通常利用権の移転,変更,消滅若しくは処分の制限又は通常利用権を目的とする質権の設定,移転,変更,消滅若しくは処分の制限は,登録しなければ,第三者に対抗することができない。

(登録料)
第三十八条  育成者権者は,第十九条第二項に規定する存続期間の満了までの各年について,一件ごとに,三万六千円を超えない範囲内で農林水産省令で定める額の登録料を納付しなければならない。
2  前項の規定は,育成者権者が国であるときは,適用しない。
3  第一項の登録料は,育成者権が国と国以外の者との共有に係る場合であって持分の定めがあるときは,同項の規定にかかわらず,同項の農林水産省令で定める登録料の額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし,国以外の者がその額を納付しなければならない。
4  前項の規定により算定した登録料の額に十円未満の端数があるときは,その端数は,切り捨てる。
5  第一項の規定による第一年分の登録料は,第十八条第三項の規定による公示があった日から三十日以内に納付しなければならない。
6  第一項の規定による第二年以後の各年分の登録料は,前年以前に納付しなければならない。
7  前項に規定する期間内に登録料を納付することができないときは,その期間が経過した後であっても,その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる。
8  前項の規定により登録料を追納する育成者権者は,第一項の規定により納付すべき登録料のほか,その登録料と同額の割増登録料を納付しなければならない。

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不動産のネットオークションについて

2006-07-24 13:54:37 | Weblog
asahi.com 余った公有地,ネットで競売 ヤフーが専用サイト新設へ

 記事には,「新システムは,だれでも入札に参加でき,パソコン画面に並んだ全国各地の不動産の写真を選んでクリックする。入札は1物件につき1人1回限りで,最高額を入れれば落札できる。」とある。

 不動産には1つとして同じものはない。公法上の規制は言うに及ばず,間口,日照,通風,公共施設・商店街・嫌悪施設等との接近の程度,隣接不動産等周囲の状況 等々。当然のことながら,入札には,通常の売買同様,念入りな調査,現地確認が必須であろう。このあたり,動産と不動産では随分と事情が違う。

さて,不動産のネットオークション,成功するだろうか。

美の国あきたネット 県有財産売却のお知らせ


地方自治法の関連条文

(普通財産の管理及び処分)
第二百三十八条の五  普通財産は,これを貸し付け,交換し,売り払い,譲与し,若しくは出資の目的とし,又はこれに私権を設定することができる。
2  普通財産である土地(その土地の定着物を含む。)は,当該普通地方公共団体を受益者として政令で定める信託の目的により,これを信託することができる。
3  普通財産を貸し付けた場合において,その貸付期間中に国,地方公共団体その他公共団体において公用又は公共用に供するため必要を生じたときは,普通地方公共団体の長は,その契約を解除することができる。
4  前項の規定により契約を解除した場合においては,借受人は,これによつて生じた損失につきその補償を求めることができる。
5  普通地方公共団体の長が一定の用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定して普通財産を貸し付けた場合において,借受人が指定された期日を経過してもなおこれをその用途に供せず,又はこれをその用途に供した後指定された期間内にその用途を廃止したときは,当該普通地方公共団体の長は,その契約を解除することができる。
6  第三項及び第四項の規定は貸付け以外の方法により普通財産を使用させる場合に,前項の規定は普通財産を売り払い,又は譲与する場合に準用する。
7  第三項から第五項までの規定は,普通財産である土地(その土地の定着物を含む。)を信託する場合に準用する。
8  第六項に定めるもののほか普通財産の売払いに関し必要な事項及び普通財産の交換に関し必要な事項は,政令でこれを定める。

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日本サッカー協会に対する賠償請求について

2006-07-23 16:13:41 | Weblog
日本代表:千葉,オシム問題で協会に賠償金請求へ 毎日インタラクティブ

 21日,日本サッカー協会とオシム氏の間で,日本代表チームの監督就任に係る正式契約が結ばれた。
一方,釈然としないのはジェフの方。どういった構成かはわからないが,日本サッカー協会に対し,賠償請求をするようだ。

なるほど,契約期間中のJリーグ加盟チームの監督に食指を伸ばしたという協会の行為は誉められたものではない。日本サッカー界を統括し代表する団体の行為として相応しいものだったかは,相当に疑問が残る。
ジェフの請求として考えられるのは,不法行為(第三者の債権侵害)に基づく損害賠償請求,あるいは,違約金の債務引受契約に基づく請求,といったあたりか。
日本サッカー協会は財団法人。このあたり,うやむやに処理されてよいはずがない。

人気のある最高責任者の失言として,面白可笑しく報じられているふしもあるが,日本サッカーの発展のためにも,きちんとした検証が必要のように思われる。

日本サッカー協会HP 日本代表監督にオシム氏が,U-21日本代表監督に反町康治氏が就任


民法の関連条文

(監事の職務)
第五十九条  監事の職務は,次のとおりとする。
一  法人の財産の状況を監査すること。
二  理事の業務の執行の状況を監査すること。
三  財産の状況又は業務の執行について,法令,定款若しくは寄附行為に違反し,又は著しく不当な事項があると認めるときは,総会又は主務官庁に報告をすること。
四  前号の報告をするため必要があるときは,総会を招集すること。

(法人の業務の監督)
第六十七条  法人の業務は,主務官庁の監督に属する。
2  主務官庁は,法人に対し,監督上必要な命令をすることができる。
3  主務官庁は,職権で,いつでも法人の業務及び財産の状況を検査することができる。

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記載要件を欠いた逮捕状請求書について

2006-07-22 16:49:59 | Weblog
逮捕状請求書にミス 一度釈放,別容疑で逮捕し直す Sankei Web

 逮捕状請求書には「引致すべき官公署その他の場所」の記載を要する(刑訴法第200条第1項)。

このケース,請求書を作成した監査室,当該請求書に基づき逮捕状を発した令状裁判官,そして,発せられた当該逮捕状を執行した警察官,いずれにも,引致場所不記載を見落としたというミスがあったことになる。

記事は,請求書を作成した監査室の談話を載せるだけだが,刑訴法が明定する要件チェックを怠った令状裁判官もちょっとお粗末。必要性・相当性(刑訴法第199条第2項)のチェックの方に気をとられ過ぎたか?
さすがに,「刑訴規則第145条に帰因する単純ミスです」は,表だっては言えない。言ったら最後,マスコミから袋叩きに遭うのは必定である。

やはり,「手続き」は連鎖するから怖い。


日本郵政公社法の関連条文

(郵政監察官)
第六十三条  公社に,郵政監察官を置く。
2  郵政監察官は,郵政事業(公社の行う事業をいう。以下この項及び次項において同じ。)に関する犯罪,非違及び事故に関する調査及び処理その他郵政事業の適正かつ確実な実施の確保に係る職務に従事する公社の役員又は職員のうちから,総務大臣の定める者がその役員又は職員の主たる勤務地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議して指名する者をもって充てる。
3  郵政監察官は,郵政事業に対する犯罪について,刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察員の職務を行う。
4  郵政監察官は,被疑者の逮捕を必要とする場合は,警察官である司法警察職員に,これを逮捕させなければならない。
5  警察官である司法警察職員は,前項の規定により逮捕した被疑者を,郵政監察官に引致しなければならない。
6  郵政監察官は,前項の被疑者を受け取った場合又は自ら現行犯人を逮捕した場合において,留置の必要があると思料するときは,これを最寄りの警察署に留置することができる。
7  郵政監察官は,第三項から前項までに規定する職務を行うに当たっては,その身分を証明する証票を携帯し,関係人の請求があるときは,これを示さなければならない。
8  郵政監察官の司法警察員としての職務は,総務大臣が監督する。

刑事訴訟法の関連条文

第三十九条  身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は,弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては,第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し,又は書類若しくは物の授受をすることができる。
2  前項の接見又は授受については,法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で,被告人又は被疑者の逃亡,罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。
3  検察官,検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は,捜査のため必要があるときは,公訴の提起前に限り,第一項の接見又は授受に関し,その日時,場所及び時間を指定することができる。但し,その指定は,被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

第百九十九条  検察官,検察事務官又は司法警察職員は,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは,裁判官のあらかじめ発する逮捕状により,これを逮捕することができる。ただし,三十万円(刑法 ,暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については,当分の間,二万円)以下の罰金,拘留又は科料に当たる罪については,被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
2  裁判官は,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは,検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については,国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により,前項の逮捕状を発する。但し,明らかに逮捕の必要がないと認めるときは,この限りでない。
3  検察官又は司法警察員は,第一項の逮捕状を請求する場合において,同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは,その旨を裁判所に通知しなければならない。

第二百条  逮捕状には,被疑者の氏名及び住居,罪名,被疑事実の要旨,引致すべき官公署その他の場所,有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し,裁判官が,これに記名押印しなければならない。
2  第六十四条第二項及び第三項の規定は,逮捕状についてこれを準用する。

刑事訴訟規則の関連条文

(令状請求の方式)
第百三十九条 令状の請求は,書面でこれをしなければならない。
2 逮捕状の請求書には,謄本一通を添附しなければならない。

(令状請求の却下)
第百四十条 裁判官が令状の請求を却下するには,請求書にその旨を記載し,記名押印してこれを請求者に交付すれば足りる。

(令状請求書の返還)
第百四十一条 裁判官は,令状を発し,又は令状の請求を却下したときは,前条の場合を除いて,速やかに令状の請求書を請求者に返還しなければならない。

(逮捕状請求書の記載要件)
第百四十二条 逮捕状の請求書には,次に掲げる事項その他逮捕状に記載することを要する事項及び逮捕状発付の要件たる事項を記載しなければならない。
一 被疑者の氏名,年齢,職業及び住居
二 罪名及び被疑事実の要旨
三 被疑者の逮捕を必要とする事由
四 請求者の官公職氏名
五 請求者が警察官たる司法警察員であるときは,法第百九十九条第二項の規定による指定を受けた者である旨
六 七日を超える有効期間を必要とするときは,その旨及び事由
七 逮捕状を数通必要とするときは,その旨及び事由
八 同一の犯罪事実又は現に捜査中である他の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは,その旨及びその犯罪事実
2 被疑者の氏名が明らかでないときは,人相,体格その他被疑者を特定するに足りる事項でこれを指定しなければならない。
3 被疑者の年齢,職業又は住居が明らかでないときは,その旨を記載すれば足りる。

(逮捕状の記載要件)
第百四十四条 逮捕状には,請求者の官公職氏名をも記載しなければならない。

(逮捕状の作成)
第百四十五条 逮捕状は,逮捕状請求書及びその記載を利用してこれを作ることができる。

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株式会社産業再生機構の解散について

2006-07-22 13:50:12 | Weblog
丸紅,再生機構保有ダイエー株を全株購入へ NIKKEI NET

 ダイエー支援の事実上の終了により,産業再生機構は今年度中にも解散の見通しとか。
解散には,主務大臣(内閣総理大臣)の認可が必要である(産業再生機構法第44条)。

株主への残余財産の分配は,事業の公共性に鑑み,株式の払込金額の総額に政令で定める割合を乗じて得た金額を限度とするという制限があり,残りは国庫に帰属することになる(同第45条)。この「政令で定める割合」,もう定められているのだろうか。ちょっとわからない部分。

IRCJ産業再生機構HP

預金保険機構HP 理事長記者発表 株式会社産業再生機構に対する出資について


株式会社産業再生機構法の関連条文

(機構の目的)
第一条  株式会社産業再生機構は,最近における経済の停滞,物価,地価及び株価の下落等の経済情勢の変化に我が国の産業及び金融システムが十分対応できたものとなっていない状況にかんがみ,雇用の安定等に配慮しつつ,我が国の産業の再生を図るとともに,金融機関等の不良債権の処理の促進による信用秩序の維持を図るため,有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている事業者に対し,過剰供給構造その他の当該事業者の属する事業分野の実態を考慮しつつ,当該事業者に対して金融機関等が有する債権の買取り等を通じてその事業の再生を支援することを目的とする株式会社とする。

(数)
第三条  株式会社産業再生機構(以下「機構」という。)は,一を限り,設立されるものとする。

(株式)
第四条  預金保険機構は,常時,機構の発行済株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。
2  機構は,会社法 (平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項 に規定する募集株式(以下「募集株式」という。)を引き受ける者の募集をしようとするときは,主務大臣の認可を受けなければならない。

(商号)
第五条  機構は,その商号中に株式会社産業再生機構という文字を用いなければならない。
2  機構でない者は,その名称中に産業再生機構という文字を用いてはならない。

(発起人)
第六条  機構の発起人は,機構の設立に際して発行する株式の総数を引き受けなければならない。

(設立の認可等)
第七条  発起人は,機構の設立に際して発行する株式の総数を引き受けたときは,速やかに,定款及び事業計画書を主務大臣に提出して,設立の認可を申請しなければならない。

第八条  主務大臣は,前条の規定による認可の申請があった場合においては,その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  設立の手続及び定款の内容が法令の規定に適合するものであること。
二  定款に虚偽の記載及び虚偽の署名(商法 (明治三十二年法律第四十八号)第百六十六条第三項 において準用する同法第三十三条ノ二第二項 の署名に代わる措置を含む。)がないこと。
三  業務の運営が健全に行われ,我が国の産業の再生及び信用秩序の維持に寄与することが確実であると認められること。
2  主務大臣は,前項の規定により審査した結果,その申請が同項の基準に適合していると認めるときは,設立の認可をしなければならない。

第九条  発起人は,前条第二項の規定による設立の認可があったときは,遅滞なく,各株につきその発行価額の全額を払い込み,かつ,取締役及び監査役を選任しなければならない。

第十一条  機構の定款には,会社法第二十七条 各号に掲げる事項のほか,次に掲げる事項を記載し,又は記録しなければならない。
一  株式の譲渡に関する事項
二  解散に関する事項
2  前項第一号に掲げる事項については,株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨を定めなければならない。
3  第一項第二号に掲げる事項については,第四十三条に規定する事由を解散事由として定めなければならない。
4  機構の定款には,会社法第二条第十二号 に規定する委員会を置く旨を定めてはならない。
5  機構の定款の変更の決議は,主務大臣の認可を受けなければ,その効力を生じない。
(業務の範囲)
第十九条  機構は,その目的を達成するため,次に掲げる業務を営むものとする。
一  第二十三条第一項の対象事業者に対して金融機関等が有する債権の買取り又は同項の対象事業者に対して金融機関等が有する貸付債権の信託の引受け(以下「債権買取り等」という。)
二  債権買取り等を行った債権に係る債務者に対する次に掲げる業務
イ 資金の貸付け
ロ 金融機関等からの資金の借入れに係る債務の保証
ハ 出資
三  債権の管理及び譲渡その他の処分(債権者としての権利の行使に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を含む。)
四  出資に係る持分の譲渡その他の処分
五  前各号に掲げる業務に関連して必要な交渉及び調査
六  第二十三条第一項の対象事業者に対する助言
七  前各号に掲げる業務に附帯する業務
八  前各号に掲げるもののほか,機構の目的を達成するために必要な業務
2  機構は,前項第八号に掲げる業務を営もうとするときは,あらかじめ,主務大臣の認可を受けなければならない。

(機構の解散)
第四十三条  機構は,第十九条第一項に規定する業務の完了により解散する。

(合併,分割又は解散の決議)
第四十四条  機構の合併,分割又は解散の決議は,主務大臣の認可を受けなければ,その効力を生じない。

(残余財産の分配の特例)
第四十五条  機構が解散した場合において,株主に分配することができる残余財産の額は,株式の払込金額の総額に機構の行う業務の公共性を考慮して政令で定める割合を乗じて得た金額を限度とする。
2  残余財産の額が前項の規定により株主に分配することができる金額を超えるときは,その超える部分の額に相当する残余財産は,会社法第五百四条 の規定にかかわらず,国庫に帰属する。

(政府の補助)
第四十六条  政府は,機構が解散する場合において,その財産をもって債務を完済することができないときは,予算で定める金額の範囲内において,機構に対し,当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部に相当する金額を補助することができる。

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労働審判の申立件数等について

2006-07-22 12:00:55 | Weblog
労働審判申し立て,全国で278件・スタート3カ月 NIKKEI NET

 記事には,「このうち東京地裁では,申し立てから結論が出るまでの平均日数は約49日で,早期決着を目指す制度の効果が表れ始めていた。」とある。
「早期の解決」は労働審判法の狙いのひとつとするところだが,もうひとつ,「柔軟な解決」というのもある。当該「結論」が,調停なのか,労働審判なのか,はたまた,異議申し立てによる労働訴訟への移行なのか,といった情報もあれば有り難いのだが。あっ,そうそう,労働審判員の任命状況,供給源などについても(労働審判法第9条)。

 なお,労働審判員の任期は2年(労働審判員規則第3条)。
おやっと思ったのが,労働審判員には欠格条項(同第2条)や民訴法の準用による除斥制度(労働審判法第11条)の適用はあるが,忌避の制度はなさそうなこと。個別事件の指定の際の「配慮」で対処すれば足りるという考えか(同第10条第2項参照)。

それにしても,原則68歳未満(労働審判員規則第1条)という年齢制限が何とも微妙 (^^) 。

裁判所HP 労働審判手続


労働審判法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し,裁判所において,裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が,当事者の申立てにより,事件を審理し,調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み,その解決に至らない場合には,労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより,紛争の実情に即した迅速,適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。

(代理人)
第四条  労働審判手続については,法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか,弁護士でなければ代理人となることができない。ただし,裁判所は,当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは,弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。
2  裁判所は,前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。

(労働審判手続の申立て)
第五条  当事者は,個別労働関係民事紛争の解決を図るため,裁判所に対し,労働審判手続の申立てをすることができる。
2  前項の申立ては,その趣旨及び理由を記載した書面でしなければならない。

(労働審判委員会)
第七条  裁判所は,労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。

(労働審判員)
第九条  労働審判員は,この法律の定めるところにより,労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し,中立かつ公正な立場において,労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。
2  労働審判員は,労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。
3  労働審判員は,非常勤とし,前項に規定するもののほか,その任免に関し必要な事項は,最高裁判所規則で定める。
4  労働審判員には,別に法律で定めるところにより手当を支給し,並びに最高裁判所規則で定める額の旅費,日当及び宿泊料を支給する。

(労働審判員の指定)
第十条  労働審判委員会を組織する労働審判員は,労働審判事件ごとに,裁判所が指定する。
2  裁判所は,前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては,労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し,労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。

(労働審判員の除斥)
第十一条  民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二十三条,第二十五条及び第二十六条の規定は,労働審判員の除斥について準用する。

(決議等)
第十二条  労働審判委員会の決議は,過半数の意見による。
2  労働審判委員会の評議は,秘密とする。

(労働審判手続の指揮)
第十三条  労働審判手続は,労働審判官が指揮する。

(迅速な手続)
第十五条  労働審判委員会は,速やかに,当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。
2  労働審判手続においては,特別の事情がある場合を除き,三回以内の期日において,審理を終結しなければならない。

(手続の非公開)
第十六条  労働審判手続は,公開しない。ただし,労働審判委員会は,相当と認める者の傍聴を許すことができる。

(審理の終結)
第十九条  労働審判委員会は,審理を終結するときは,労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。

労働審判員規則の関連条文

(任命)
第一条 労働審判員は,労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で六十八歳未満のものの中から,最高裁判所が任命する。ただし,特に必要がある場合においては,六十八歳未満の者であることを要しない。

(欠格事由)
第二条 次の各号のいずれかに該当する者は,労働審判員に任命することができない。
一 禁錮以上の刑に処せられた者
二 労働関係に関する法令の規定に違反し,罰金の刑に処せられた者
三 公務員として免職の懲戒処分を受け,当該処分の日から二年を経過しない者
四 第六条第二項第二号又は第三号の規定により労働審判員を解任された者

(任期)
第三条 労働審判員の任期は,二年とする。

(所属等)
第四条 労働審判員の所属する地方裁判所(以下「所属地方裁判所」という。)は,最高裁判所が定める。
第五条 所属地方裁判所以外の他の地方裁判所における労働審判事件の処理のために特に必要がある場合においては,当該他の地方裁判所と所属地方裁判所に共通する直近上級の裁判所が,所属地方裁判所の労働審判員に当該他の地方裁判所の労働審判員の職務を行わせることができる。

(解任)
第六条 最高裁判所は,労働審判員が第二条第一号から第三号までのいずれかに該当するに至ったときは,これを解任しなければならない。
2 最高裁判所は,労働審判員が次の各号のいずれかに該当するときは,これを解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行ができないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があると認められるとき。
三 中立かつ公正な立場において職務を行うことができないと認めるに足りる行為,労働審判手続に対する信頼を損なうおそれのある行為その他の労働審判員たるに適しない行為があると認められるとき。

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