法律の周辺

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住宅金融支援機構の成立について

2007-04-02 21:39:38 | Weblog
asahi.com 住宅金融公庫が衣替え 「フラット35」に経営資源集中

 独立行政法人通則法第17条に,「独立行政法人は,設立の登記をすることによって成立する。」とあるところ,独立行政法人住宅金融支援機構法附則第2条には,「機構は,通則法第十七条の規定にかかわらず,この法律の施行の日に成立する。」とある。附則第1条本文に,「この法律は,平成十九年四月一日から施行する。」とあるから,住宅金融支援機構の設立は4月1日。附則第3条第1項により,国が承継する一部の資産を除き,住宅金融公庫の一切の権利義務は住宅金融支援機構が承継することになる。
機構の業務の範囲は本法第13条に拠るが,附則第7条に特例が規定されている。

独立行政法人 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)


独立行政法人通則法の関連条文

(設立の登記)
第十六条  第十四条第一項の規定により指名された法人の長となるべき者は,前条第二項の規定による事務の引継ぎを受けたときは,遅滞なく,政令で定めるところにより,設立の登記をしなければならない。

第十七条  独立行政法人は,設立の登記をすることによって成立する。

独立行政法人住宅金融支援機構法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,独立行政法人住宅金融支援機構の名称,目的,業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

(名称)
第三条  この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は,独立行政法人住宅金融支援機構とする。

(機構の目的)
第四条  独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」という。)は,一般の金融機関による住宅の建設等に必要な資金の融通を支援するための貸付債権の譲受け等の業務を行うとともに,国民の住生活を取り巻く環境の変化に対応した良質な住宅の建設等に必要な資金の調達等に関する情報の提供その他の援助の業務を行うほか,一般の金融機関による融通を補完するための災害復興建築物の建設等に必要な資金の貸付けの業務を行うことにより,住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り,もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

(事務所)
第五条  機構は,主たる事務所を東京都に置く。

(資本金)
第六条  機構の資本金は,附則第三条第六項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2  政府は,必要があると認めるときは,予算で定める金額の範囲内において,機構に追加して出資することができる。この場合において,政府は,当該出資した金額の全部又は一部が第二十五条第一項の金利変動準備基金に充てるべきものであるときは,その金額を示すものとする。
3  機構は,前項の規定による政府の出資があったときは,その出資額により資本金を増加するものとする。

(名称の使用制限)
第七条  機構でない者は,住宅金融支援機構という名称を用いてはならない。

(業務の範囲)
第十三条  機構は,第四条の目的を達成するため,次の業務を行う。
一  住宅の建設又は購入に必要な資金(当該住宅の建設又は購入に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)の貸付けに係る主務省令で定める金融機関の貸付債権の譲受けを行うこと。
二  前号に規定する貸付債権で,その貸付債権について次に掲げる行為を予定した貸付けに係るもの(以下「特定貸付債権」という。)のうち,住宅融資保険法(昭和三十年法律第六十三号)第三条に規定する保険関係が成立した貸付けに係るもの(その信託の受益権を含む。)を担保とする債券その他これに準ずるものとして主務省令で定める有価証券に係る債務の保証(以下「特定債務保証」という。)を行うこと。
イ 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第一号に掲げる方法(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関との間で同号に規定する信託契約を締結するものに限る。第二十三条第一項において同じ。)又は信託法第三条第三号に掲げる方法による信託(以下「特定信託」と総称する。)をし,当該信託の受益権を譲渡すること。
ロ 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社(以下「特定目的会社」という。)に譲渡すること。
ハ その他イ又はロに類するものとして主務省令で定める行為
三  住宅融資保険法による保険を行うこと。
四  住宅の建設,購入,改良若しくは移転(以下この号において「建設等」という。)をしようとする者又は住宅の建設等に関する事業を行う者に対し,必要な資金の調達又は良質な住宅の設計若しくは建設等に関する情報の提供,相談その他の援助を行うこと。
五  災害復興建築物の建設若しくは購入又は被災建築物の補修に必要な資金(当該災害復興建築物の建設若しくは購入又は当該被災建築物の補修に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)の貸付けを行うこと。
六  災害予防代替建築物の建設若しくは購入若しくは災害予防移転建築物の移転に必要な資金(当該災害予防代替建築物の建設若しくは購入又は当該災害予防移転建築物の移転に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。),災害予防関連工事に必要な資金又は地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを行うこと。
七  合理的土地利用建築物の建設若しくは合理的土地利用建築物で人の居住の用その他その本来の用途に供したことのないものの購入に必要な資金(当該合理的土地利用建築物の建設又は購入に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)又はマンションの共用部分の改良に必要な資金の貸付けを行うこと。
八  子どもを育成する家庭若しくは高齢者の家庭(単身の世帯を含む。次号において同じ。)に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅若しくは賃貸の用に供する住宅部分が大部分を占める建築物の建設に必要な資金(当該賃貸住宅又は当該建築物の建設に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)又は当該賃貸住宅の改良(当該賃貸住宅とすることを主たる目的とする人の居住の用その他その本来の用途に供したことのある建築物の改良を含む。)に必要な資金の貸付けを行うこと。
九  高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する住宅とすることを主たる目的とする住宅の改良(高齢者が自ら居住する住宅について行うものに限る。)に必要な資金又は高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第三十四条に規定する高齢者向け優良賃貸住宅とすることを主たる目的とする人の居住の用に供したことのある住宅の購入に必要な資金(当該住宅の購入に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)の貸付けを行うこと。
十  機構が第一号の業務により譲り受ける貸付債権に係る貸付けを受けた者若しくは第五号から第七号まで若しくは次項第一号若しくは第二号の規定による貸付けを受けた者とあらかじめ契約を締結して,その者が死亡した場合(重度障害の状態となった場合を含む。以下同じ。)に支払われる生命保険の保険金若しくは生命共済の共済金(以下「保険金等」という。)を当該貸付けに係る債務の弁済に充当し,又は沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条第一項第三号の規定による貸付けを受けた者とあらかじめ契約を締結して,その者が死亡した場合に支払われる保険金等により当該貸付けに係る債務を弁済すること。
十一  前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2  機構は,前項に規定する業務のほか,次の業務を行う。
一  阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成七年法律第十六号)第七十七条の規定による貸付けを行うこと。
二  勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)第十条第一項の規定による貸付けを行うこと。
三  独立行政法人雇用・能力開発機構法(平成十四年法律第百七十号)第十二条第一項の規定による委託に基づき,勤労者財産形成促進法第九条第一項各号及び第十条の三第一項第二号に掲げる業務の一部を行うこと。
四  前三号の業務に附帯する業務を行うこと。

(業務の実施)
第十四条  機構は,前条第一項第一号,第二号及び第五号から第九号までの業務の実施に当たっては,住宅の建設等に必要な資金の需要及び供給の状況に応じて,一般の金融機関との適切な役割分担を図り,これらの業務を通じ,国民に対する住宅の建設等に必要な長期資金の融通が円滑に行われるよう努めなければならない。
2  機構は,前条第一項第一号,第二号及び第五号から第九号までの業務の実施に当たっては,住宅の質の向上を図るために必要なものとして政令で定める事項に配慮して,貸付債権の譲受け,特定債務保証又は資金の貸付けの条件の適切な設定その他の必要な措置を講ずるとともに,国及び地方公共団体が行う良好な居住環境を整備するためのまちづくりその他の必要な施策について協力しなければならない。

附則

(施行期日)
第一条  この法律は,平成十九年四月一日から施行する。ただし,第二十九条第一項並びに附則第三条,第六条,第二十一条及び第二十二条の規定は,公布の日から施行する。

(機構の設立)
第二条  機構は,通則法第十七条の規定にかかわらず,この法律の施行の日に成立する。2  機構は,通則法第十六条の規定にかかわらず,機構の成立後遅滞なく,政令で定めるところにより,その設立の登記をしなければならない。

(公庫の解散並びに権利及び義務の承継等)
第三条  住宅金融公庫(以下「公庫」という。)は,機構の成立の時において解散するものとし,その一切の権利及び義務は,次項の規定により国が承継する資産を除き,その時において機構が承継する。
2  機構の成立の際現に公庫が有する権利のうち,機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は,機構の成立の時において国が承継する。
3  前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は,政令で定める。
4  公庫の平成十八年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに損益計算書,貸借対照表及び財産目録の作成等については,機構が従前の例により行うものとする。
5  附則第十条の規定による廃止前の住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号。以下「旧公庫法」という。)の規定による貸付けを受けた者に対する会計検査院の検査については,なお従前の例による。
6  (省略)
7  第一項の規定により機構が公庫の権利及び義務を承継したときは,その承継の際,旧公庫法第五条第三項の規定により旧公庫法第二十六条の二第一項第二号に掲げる債権譲受けの業務に関して設けられた基金に充てるべきものとして政府から出資された金額並びに旧公庫法第二十六条の三第二項及び第三項の規定により当該基金に組み入れられた金額の合計額のうち,第二十五条第一項の金利変動準備基金に充てるべきものとして主務大臣が定める金額は,金利変動準備基金に充てるべきものとして政府から機構に対し出資されたものとする。
8  第六項の資産の価額は,機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
9  前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は,政令で定める。
10  第一項の規定により公庫が解散した場合における解散の登記については,政令で定める。

(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第四条  前条第一項の規定により機構が承継する旧公庫法第二十七条の三第一項又は第二項の住宅金融公庫債券に係る債務について政府がした旧公庫法第二十七条の四第一項又は第二項の規定による保証契約は,その承継後においても,当該債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。

第五条  公庫がこの法律の施行前に締結した貸付契約に係る貸付金その他の貸付けに係る事項については,なお従前の例による。

(業務の特例等)
第七条  機構は,第十三条に規定する業務のほか,次の業務を行うものとする。
一  附則第三条第一項の規定により機構が承継する公庫が貸し付けた資金に係る債権の回収が終了するまでの間,当該債権の管理及び回収を行うこと。
二  前条第三項の規定により,保証協会が債務保証契約を履行したことによって取得した求償権を機構が承継した場合において,当該求償権に基づく債権の回収が終了するまでの間,当該債権の管理及び回収を行うこと。
三  当分の間,年金積立金管理運用独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)附則第十四条の規定による廃止前の年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号)第十二条第二項第二号ロ若しくはハ又は同法附則第三条の規定による廃止前の年金福祉事業団法(昭和三十六年法律第百八十号)第十七条第一項第三号ロ若しくはハの規定により貸し付けられた資金に係る債権について,独立行政法人福祉医療機構から譲受けを行うこと。
四  当分の間,沖縄振興開発金融公庫法第十九条第一項第三号の規定により貸し付けられた資金(沖縄振興開発金融公庫が平成十七年三月三十一日までに受理した申込みに係るものに限る。)に係る債務の保証又は福祉医療機構債権(前号に規定する債権であって,同号の規定により譲り受けたものを除いたものをいう。次号において同じ。)に係る債務の保証を行うこと。
五  独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)附則第五条の二第十一項の規定により読み替えて適用される同法第十四条第一項の規定による委託に基づき,福祉医療機構債権の回収が終了するまでの間,福祉医療機構債権の管理及び回収の業務の一部を行うこと。
六  独立行政法人雇用・能力開発機構法附則第四条第六項の規定により読み替えて適用される同法第十二条第一項の規定による委託に基づき,同法附則第四条第一項第四号に規定する債権(政令で定めるものに限る。)の回収が終了するまでの間,当該債権の管理及び回収の業務の一部を行うこと。
2  機構は,当分の間,第十三条及び前項に規定する業務のほか,旧公庫法,附則第十七条の規定による改正前の阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律及び附則第十八条の規定による改正前の高齢者の居住の安定確保に関する法律(これらの法律を適用し,又は準用する他の法律を含む。)の規定の例により,次の貸付けの業務を行うことができる。
一  公庫がこの法律の施行前に受理した申込みに係る資金の貸付け
二  前号に掲げるもののほか,次に掲げる貸付け
イ 旧公庫法第十七条第一項第四号に掲げる者が建設する住宅で当該住宅の建設について平成十七年三月三十一日までに公庫の承認を受けたものを購入する者に対する貸付け
ロ 旧公庫法第十七条第四項に規定する事業に係る計画について平成十七年三月三十一日までに公庫の承認を受けた者に対する貸付け
ハ 旧公庫法第十七条第十二項に規定する合理的土地利用耐火建築物等で当該合理的土地利用耐火建築物等の建設について平成十七年三月三十一日までに公庫の承認を受けたものを購入する者に対する貸付け
ニ 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第七十八号。以下この号において「整備法」という。)第二条の規定による改正前の住宅金融公庫法第二十七条の三第四項,整備法第二条の規定による改正後の住宅金融公庫法第二十七条の三第四項若しくは整備法附則第四条第一項の規定により公庫が発行した住宅金融公庫住宅宅地債券(以下単に「住宅金融公庫住宅宅地債券」という。)を引き受けた者(その相続人を含む。以下「旧住宅宅地債券引受者」という。)又は次条の規定により当分の間発行することとされた住宅金融支援機構住宅宅地債券を引き受けた者(その相続人を含む。)であってその一定割合以上を所有しているものに対する貸付け
ホ 整備法附則第六条の規定による改正前の郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)第七条第一項第五号に規定する住宅積立郵便貯金の預金者で同法第六十条(整備法附則第七条第二項(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)附則第五条第三項の規定によりなおその効力を有することとされる場合を含む。)の規定によりなおその効力を有することとされる場合を含む。)の規定により独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構又は郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)第百六十六条第一項の規定による解散前の日本郵政公社があっせんするものに対する貸付け
3  機構は,前項の規定により貸し付けた資金に係る債権の回収が終了するまでの間,当該債権に係る貸付けを受けた者とあらかじめ契約を締結して,その者が死亡した場合に支払われる保険金等を当該貸付けに係る債務の弁済に充当する業務を行うことができる。4  機構は,前三項に規定する業務に附帯する業務を行うことができる。
5  機構は,第一項第一号及び第二項(第一号に係る部分に限る。)に規定する業務(附則第十六条の規定による改正前の勤労者財産形成促進法第十条第一項本文の規定による貸付けに係るものを除き,公庫が平成十七年三月三十一日までに申込みを受理した資金の貸付けに係るものに限る。)並びにこれらに附帯する業務(以下これらの業務を「既往債権管理業務」という。)に係る経理については,その他の経理と区分し,特別の勘定(以下「既往債権管理勘定」という。)を設けて整理しなければならない。
6  機構が第一項から第四項までに規定する業務を行う場合には,第十五条第一項,第十八条第一項及び第三十五条第二号中「第十三条」とあるのは「第十三条及び附則第七条第一項から第四項まで」と,第十六条第一項中「除く。)」とあるのは「除く。)及び附則第七条第一項から第四項まで」と,第十七条第三号中「業務及び」とあるのは「業務(附則第七条第一項第一号及び第二項(第一号に係る部分に限る。)に規定する業務で附則第十六条の規定による改正前の勤労者財産形成促進法第十条第一項本文の規定による貸付けに係るものを含む。)及び」と,同条第四号中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び附則第七条第五項に規定する既往債権管理業務」と,第十九条第一項中「第二号」とあるのは「第二号並びに附則第七条第一項(第五号及び第六号を除く。)から第三項まで」と,第二十一条中「という。)により」とあるのは「という。)若しくは附則第七条第一項第三号の業務により」と,第二十二条中「第二項第一号」とあるのは「第二項第一号若しくは附則第七条第一項第一号若しくは第三号若しくは第二項」とする。
7  機構は,既往債権管理勘定において,毎事業年度,損益計算において利益を生じたとき(附則第九条第二項の規定による交付金の交付を受けた場合にあっては,同条第三項の規定による整理を行った後なお利益があるとき)は,通則法第四十四条第一項,第三項及び第四項の規定にかかわらず,前事業年度から繰り越した損失を埋め,なお残余があるときは,その残余の額のうち主務大臣の承認を受けた金額を積立金として整理するものとする。
8  機構は,前項に規定する残余の額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは,その残余の額を国庫に納付しなければならない。
9  機構は,既往債権管理勘定において,中期目標の期間の最後の事業年度に係る第七項又は通則法第四十四条第二項の規定による整理を行った後,第七項の規定による積立金があるときは,その額に相当する金額のうち主務大臣の承認を受けた金額を,当該中期目標の期間の次の中期目標の期間における同項に規定する積立金として整理することができる。
10  主務大臣は,第七項又は前項の規定による承認をしようとするときは,あらかじめ,主務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
11  機構は,第九項に規定する第七項の規定による積立金の額に相当する金額から第九項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは,その残余の額を国庫に納付しなければならない。
12  第七項から前項までの規定に定めるもののほか,既往債権管理勘定に係る納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は,政令で定める。
13  既往債権管理勘定に属する債務のうち,政府が平成十七年三月三十一日までに公庫に貸し付けた資金に係る債務で主務大臣が財務大臣と協議して定めるものの償還期限は,平成二十四年三月三十一日までの間において主務大臣が財務大臣と協議して定める日とする。
14  機構は,既往債権管理業務を終えたときは,遅滞なく,既往債権管理勘定を廃止するものとし,その廃止の際現に既往債権管理勘定に所属する権利及び義務を第十七条第四号に掲げる業務に係る勘定に帰属させるものとする。
15  機構は,前項の規定により,既往債権管理勘定を廃止する場合において,その際既往債権管理勘定に属する資産の価額が既往債権管理勘定に属する負債の金額を上回るときは,その差額に相当する金額の全部又は一部を,政令で定めるところにより,国庫に納付しなければならない。
16  第十四項の規定による既往債権管理勘定の廃止の時において,政府から機構に対し既往債権管理業務に充てるべきものとして出資された額については,機構に対する政府からの出資はなかったものとし,機構は,その額により資本金を減少するものとする。

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敷金トラブル110番の設置について

2007-04-02 19:48:46 | Weblog
asahi.com 埼玉県が「敷金トラブル110番」を設置

 異動,卒業,入学 → 移動,の時期。
賃貸アパートから引っ越しという方も少なくないと思うが,埼玉県,弁護士会等の協力を得て退去時の敷金返還に係る無料相談を実施するとのこと。

 建物賃借人の原状回復義務の範囲については,賃借人の用法遵守義務違反等による毀損部分に限られ,通常損耗分は含まれないのが原則(民法第616条,同第598条,同第483条)。賃借物件の劣化は契約の本質上当然に予測されるものであり,通常使用で生ずる減価分は賃料の中で回収することが可能である。賃料とは別に,通常損耗分の補修費用を賃借人に負担させるのは,本来賃貸人が負担すべきリフォーム費用を賃借人に転嫁するに等しい。ただ,この辺り,下級審では,契約自由の問題として比較的簡単に賃借人の負担を認めるものも少なくないなど,判断が分かれていた。
この点に関し,ご存じのとおり,最判H17.12.16は,概略,通常損耗分の原状回復に係る負担は賃借人にとって予期しないものであるから,これを賃借人に負わせるには,通常損耗の範囲が条項自体に具体的に明記されているか,賃貸人が口頭で説明し,賃借人がその旨を明確に認識し,それを合意の内容としたと認められるなど,特約が明確に合意されている必要があると判示し,厳格な基準を示した。
本最判の事案は,賃貸借契約の締結時期が消費者契約法施行(H13.4.1)前のもので,該法の適用は無い。そのため,原告は, 通常損耗分の原状回復特約に係る合意は不成立ではないか, 仮に成立しているとしても,当該特約は公序良俗違反で無効ではないか,と論を立てていたが,契約書の別紙には相当詳細な負担区分表が掲載されていた。主任弁護士は,法学セミナー2月号で,主戦場はよりと考えていたと書いているが,最高裁は上記の厳格な基準を立て,結果,合意は成立していないとし,通常損耗分を除く補修費用を算定させるため原審に差し戻している。

 最判が立てた基準を充足した契約条項が現れた場合は,次に消費者契約法第10条による有効無効が一応問題となり得るが,従来この場面で論じられていた主要ないくつかは,上記最判により特約の成否の場面で先に取り上げられることとなった。特約成立とされた場合,消費者契約法第10条で検討されるべきことは以前より絞り込まれるという言い方はできようか。

判例検索システム 平成17年12月16日 敷金返還請求事件

国交省 『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について

国交省 賃貸住宅標準契約書について


民法の関連条文

(特定物の現状による引渡し)
第四百八十三条  債権の目的が特定物の引渡しであるときは,弁済をする者は,その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。

(借主による収去)
第五百九十八条  借主は,借用物を原状に復して,これに附属させた物を収去することができる。

(使用貸借の規定の準用)
第六百十六条  第五百九十四条第一項,第五百九十七条第一項及び第五百九十八条の規定は,賃貸借について準用する。

(不当利得の返還義務)
第七百三条  法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け,そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は,その利益の存する限度において,これを返還する義務を負う。

(悪意の受益者の返還義務等)
第七百四条  悪意の受益者は,その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において,なお損害があるときは,その賠償の責任を負う。

消費者契約法の関連条文

(目的) 
第一条  この法律は,消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ,事業者の一定の行為により消費者が誤認し,又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに,事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより,消費者の利益の擁護を図り,もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条  民法 ,商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し,消費者の権利を制限し,又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって,民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは,無効とする。

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