法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

契約書を作成しない映画製作について

2007-02-19 16:01:00 | Weblog
最高裁,契約書なしで映画制作・裁判員制PRの第2作 NIKKEI NET

 相手方も言い出せなかったのかな?
契約相手としてこれほど安心できる相手はいないが,考えようによってはこれほど怖い相手も・・・ ^^; 。

 「契約自由の原則」の内容のひとつとして「契約方式の自由」があるが,会計法第29条の8第1項には,「契約担当官等は,競争により落札者を決定したとき,又は随意契約の相手方を決定したときは,政令の定めるところにより,契約の目的,契約金額,履行期限,契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし,政令で定める場合においては,これを省略することができる。」とある。
契約書の作成省略は例外的であり,財務大臣との協議,会計検査院への通知等の手続きを要する場合がある(「予算決算及び会計令」第102条参照)。

裁判員制度 映画「裁判員~選ばれ,そして見えてきたもの~」予告編


会計法の関連条文

第二十九条  各省各庁の長は,第十条の規定によるほか,その所掌に係る売買,貸借,請負その他の契約に関する事務を管理する。

第二十九条の三  契約担当官及び支出負担行為担当官(以下「契約担当官等」という。)は,売買,貸借,請負その他の契約を締結する場合においては,第三項及び第四項に規定する場合を除き,公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。
2  前項の競争に加わろうとする者に必要な資格及び同項の公告の方法その他同項の競争について必要な事項は,政令でこれを定める。
3  契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第一項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては,政令の定めるところにより,指名競争に付するものとする。
4  契約の性質又は目的が競争を許さない場合,緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては,政令の定めるところにより,随意契約によるものとする。
5  契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては,第一項及び第三項の規定にかかわらず,政令の定めるところにより,指名競争に付し又は随意契約によることができる。

第二十九条の五  第二十九条の三第一項,第三項又は第五項の規定による競争(以下「競争」という。)は,特に必要がある場合においてせり売りに付するときを除き,入札の方法をもつてこれを行なわなければならない。
2  前項の規定により入札を行なう場合においては,入札者は,その提出した入札書の引換え,変更又は取消しをすることができない。

第二十九条の六  契約担当官等は,競争に付する場合においては,政令の定めるところにより,契約の目的に応じ,予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする。ただし,国の支払の原因となる契約のうち政令で定めるものについて,相手方となるべき者の申込みに係る価格によつては,その者により当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるとき,又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあつて著しく不適当であると認められるときは,政令の定めるところにより,予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした他の者のうち最低の価格をもつて申込みをした者を当該契約の相手方とすることができる。
2  国の所有に属する財産と国以外の者の所有する財産との交換に関する契約その他その性質又は目的から前項の規定により難い契約については,同項の規定にかかわらず,政令の定めるところにより,価格及びその他の条件が国にとつて最も有利なもの(同項ただし書の場合にあつては,次に有利なもの)をもつて申込みをした者を契約の相手方とすることができる。

第二十九条の八  契約担当官等は,競争により落札者を決定したとき,又は随意契約の相手方を決定したときは,政令の定めるところにより,契約の目的,契約金額,履行期限,契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし,政令で定める場合においては,これを省略することができる。
2  前項の規定により契約書を作成する場合においては,契約担当官等が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ,当該契約は,確定しないものとする。

第二十九条の十一  契約担当官等は,工事又は製造その他についての請負契約を締結した場合においては,政令の定めるところにより,自ら又は補助者に命じて,契約の適正な履行を確保するため必要な監督をしなければならない。
2  契約担当官等は,前項に規定する請負契約又は物件の買入れその他の契約については,政令の定めるところにより,自ら又は補助者に命じて,その受ける給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認を含む。)をするため必要な検査をしなければならない。
3  前二項の場合において,契約の目的たる物件の給付の完了後相当の期間内に当該物件につき破損,変質,性能の低下その他の事故が生じたときは取替え,補修その他必要な措置を講ずる旨の特約があり,当該給付の内容が担保されると認められる契約については,政令の定めるところにより,第一項の監督又は前項の検査の一部を省略することができる。4  各省各庁の長は,特に必要があるときは,政令の定めるところにより,第一項の監督及び第二項の検査を,当該契約に係る契約担当官等及びその補助者以外の当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に行なわせることができる。
5  契約担当官等は,特に必要があるときは,政令の定めるところにより,国の職員以外の者に第一項の監督及び第二項の検査を委託して行なわせることができる。

「予算決算及び会計令」の関連条文

(随意契約によることができる場合)
第九十九条  会計法第二十九条の三第五項 の規定により随意契約によることができる場合は,次に掲げる場合とする。
一  国の行為を秘密にする必要があるとき。
二  予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
三  予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。
四  予定賃借料の年額又は総額が八十万円を超えない物件を借り入れるとき。
五  予定価格が五十万円を超えない財産を売り払うとき。
六  予定賃貸料の年額又は総額が三十万円を超えない物件を貸し付けるとき。
七  工事又は製造の請負,財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が百万円を超えないものをするとき。
八  運送又は保管をさせるとき。
九  国際協力銀行,日本政策投資銀行,公庫の予算及び決算に関する法律 (昭和二十六年法律第九十九号)第一条 に規定する公庫その他特別の法律により特別の設立行為をもつて設立された法人のうち財務大臣の指定するものとの間で契約をするとき。
十  農場,工場,学校,試験所,刑務所その他これらに準ずるものの生産に係る物品を売り払うとき。
十一  国の需要する物品の製造,修理,加工又は納入に使用させるため必要な物品を売り払うとき。
十二  法律の規定により財産の譲与又は無償貸付けをすることができる者にその財産を売り払い又は有償で貸し付けるとき。
十三  非常災害による罹災者に国の生産に係る建築材料を売り払うとき。
十四  罹災者又はその救護を行なう者に災害の救助に必要な物件を売り払い又は貸し付けるとき。
十五  外国で契約をするとき。
十六  都道府県及び市町村その他の公法人,公益法人,農業協同組合,農業協同組合連合会又は慈善のため設立した救済施設から直接に物件を買い入れ又は借り入れるとき。
十七  開拓地域内における土木工事をその入植者の共同請負に付するとき。
十八  事業協同組合,事業協同小組合若しくは協同組合連合会又は商工組合若しくは商工組合連合会の保護育成のためこれらの者から直接に物件を買い入れるとき。
十九  学術又は技芸の保護奨励のため必要な物件を売り払い又は貸し付けるとき。
二十  産業又は開拓事業の保護奨励のため,必要な物件を売り払い若しくは貸し付け,又は生産者から直接にその生産に係る物品を買い入れるとき。
二十一  公共用,公用又は公益事業の用に供するため必要な物件を直接に公共団体又は事業者に売り払い,貸し付け又は信託するとき。
二十二  土地,建物又は林野若しくはその産物を特別の縁故がある者に売り払い又は貸し付けるとき。
二十三  事業経営上の特別の必要に基づき,物品を買い入れ若しくは製造させ,造林をさせ又は土地若しくは建物を借り入れるとき。
二十四  法律又は政令の規定により問屋業者に販売を委託し又は販売させるとき。
二十五  国が国以外の者に委託した試験研究の成果に係る特許権及び実用新案権の一部を当該試験研究を受託した者に売り払うとき。

第九十九条の二  契約担当官等は,競争に付しても入札者がないとき,又は再度の入札をしても落札者がないときは,随意契約によることができる。この場合においては,契約保証金及び履行期限を除くほか,最初競争に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。

第九十九条の三  契約担当官等は,落札者が契約を結ばないときは,その落札金額の制限内で随意契約によることができる。この場合においては,履行期限を除くほか,最初競争に付するときに定めた条件を変更することができない。

(予定価格の決定)
第九十九条の五  契約担当官等は,随意契約によろうとするときは,あらかじめ第八十条の規定に準じて予定価格を定めなければならない。

(見積書の徴取)
第九十九条の六  契約担当官等は,随意契約によろうとするときは,なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。

(契約書の記載事項)
第百条  会計法第二十九条の八第一項 本文の規定により契約担当官等が作成すべき契約書には,契約の目的,契約金額,履行期限及び契約保証金に関する事項のほか,次に掲げる事項を記載しなければならない。ただし,契約の性質又は目的により該当のない事項については,この限りでない。
一  契約履行の場所
二  契約代金の支払又は受領の時期及び方法
三  監督及び検査
四  履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息,違約金その他の損害金
五  危険負担
六  かし担保責任
七  契約に関する紛争の解決方法
八  その他必要な事項
2  前項に定めるもののほか,契約書の記載その他その作成に関する細目は,財務大臣の定めるところによる。

(契約書の作成を省略することができる場合)
第百条の二  会計法第二十九条の八第一項 ただし書の規定により契約書の作成を省略することができる場合は,次に掲げる場合とする。
一  第七十二条第一項の資格を有する者による一般競争契約又は指名競争契約若しくは随意契約で,契約金額が百五十万円(外国で契約するときは,二百万円)を超えないものをするとき。
二  せり売りに付するとき。
三  物品を売り払う場合において,買受人が代金を即納してその物品を引き取るとき。
四  第一号に規定するもの以外の随意契約について各省各庁の長が契約書を作成する必要がないと認めるとき。
2  各省各庁の長は,前項第四号の規定による認定をしようとするときは,財務大臣に協議しなければならない。
3  財務大臣は,前項の協議が整つたときは,会計検査院に通知しなければならない。

(契約保証金の納付の免除)
第百条の三  契約担当官等は,会計法第二十九条の九第一項 ただし書の規定により,次に掲げる場合においては,契約保証金の全部又は一部を納めさせないことができる。
一  契約の相手方が保険会社との間に国を被保険者とする履行保証保険契約を結んだとき。
二  契約の相手方から委託を受けた保険会社,銀行,農林中央金庫その他財務大臣の指定する金融機関と工事履行保証契約を結んだとき。
三  第七十二条第一項の資格を有する者による一般競争に付し,若しくは指名競争若しくはせり売りに付し,又は随意契約による場合において,その必要がないと認められるとき。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする