法律の周辺

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妊娠を理由に退職を迫る企業について

2007-02-04 19:56:25 | Weblog
NHKオンライン 妊娠などで退職迫る企業増加

 労働局長の勧告に従わなかった場合,企業名の公表もある。

 退職勧奨については,厚労省HPの男女雇用機会均等法に係るQ&Aにも,「退職を勧めることは均等法の趣旨に反します」などとあるが,改正法は,性別を理由とする差別的取扱禁止事項として,「昇進」などとともに,「労働者の職種及び雇用形態の変更」「退職の勧奨」を明定した(第6条第3号・第4号参照)。施行は本年4月1日から。

厚労省 均等法Q&A


日本国憲法の関連条文

第十四条  すべて国民は,法の下に平等であつて,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。
2  華族その他の貴族の制度は,これを認めない。
3  栄誉,勲章その他の栄典の授与は,いかなる特権も伴はない。栄典の授与は,現にこれを有し,又は将来これを受ける者の一代に限り,その効力を有する。

第二十四条  婚姻は,両性の合意のみに基いて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない。
2  配偶者の選択,財産権,相続,住居の選定,離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。

改正「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,法の下の平等を保障する日本国憲法 の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに,女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

(基本的理念)
第二条  この法律においては,労働者が性別により差別されることなく,また,女性労働者にあつては母性を尊重されつつ,充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。
2  事業主並びに国及び地方公共団体は,前項に規定する基本的理念に従つて,労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。

(配置,昇進及び教育訓練)
第六条  事業主は,次に掲げる事項について,労働者の性別を理由として,差別的取扱いをしてはならない。
一  労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。),昇進,降格及び教育訓練
二  住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの
三  労働者の職種及び雇用形態の変更
四  退職の勧奨,定年及び解雇並びに労働契約の更新

(婚姻,妊娠,出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第九条  事業主は,女性労働者が婚姻し,妊娠し,又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2  事業主は,女性労働者が婚姻したことを理由として,解雇してはならない。
3  事業主は,その雇用する女性労働者が妊娠したこと,出産したこと,労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し,又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として,当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4  妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は,無効とする。ただし,事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは,この限りでない。

(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
第十一条  事業主は,職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け,又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう,当該労働者からの相談に応じ,適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2  厚生労働大臣は,前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して,その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
3  第四条第四項及び第五項の規定は,指針の策定及び変更について準用する。この場合において,同条第四項中「聴くほか,都道府県知事の意見を求める」とあるのは,「聴く」と読み替えるものとする。

(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)
第十二条  事業主は,厚生労働省令で定めるところにより,その雇用する女性労働者が母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。

第十三条  事業主は,その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため,勤務時間の変更,勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。
2  厚生労働大臣は,前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して,その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
3  第四条第四項及び第五項の規定は,指針の策定及び変更について準用する。この場合において,同条第四項中「聴くほか,都道府県知事の意見を求める」とあるのは,「聴く」と読み替えるものとする。

(苦情の自主的解決)
第十五条  事業主は,第六条,第七条,第九条,第十二条及び第十三条第一項に定める事項(労働者の募集及び採用に係るものを除く。)に関し,労働者から苦情の申出を受けたときは,苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とする当該事業場の労働者の苦情を処理するための機関をいう。)に対し当該苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。

(紛争の解決の促進に関する特例)
第十六条  第五条から第七条まで,第九条,第十一条第一項,第十二条及び第十三条第一項に定める事項についての労働者と事業主との間の紛争については,個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 (平成十三年法律第百十二号)第四条 ,第五条及び第十二条から第二十七条までの規定は適用せず,次条から第十九条までに定めるところによる。

(紛争の解決の援助)
第十七条  都道府県労働局長は,前条に規定する紛争に関し,当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には,当該紛争の当事者に対し,必要な助言,指導又は勧告をすることができる。
2  事業主は,労働者が前項の援助を求めたことを理由として,当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(公表)
第三十条  厚生労働大臣は,第五条から第七条まで,第九条第一項から第三項まで,第十一条第一項,第十二条及び第十三条第一項の規定に違反している事業主に対し,前条第一項の規定による勧告をした場合において,その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは,その旨を公表することができる。

附則 (平成一八年六月二一日法律第八二号)
(施行期日)
第一条  この法律は,平成十九年四月一日から施行する。ただし,附則第七条の規定は,社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成十七年法律第六十二号)中社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項第一号の四の改正規定の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

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