中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

レーピン『イワン雷帝とその息子』、また損傷

2018年05月29日 | 音楽&美術
 モスクワのトレチャコフ美術館で3日前の5月26日、またまた馬鹿な男が馬鹿な真似を。。。くそお~!!!(涙滂沱)

 ウォッカで酔っ払ったこの37歳の男は、閉館直前に係員が止めたのに無理やり入ってきたという。そしてレーピンの傑作『イワン雷帝とその息子』(拙著「怖い絵」(角川文庫)で解説しました)を、展示室の仕切り棒を持ち上げて叩きつけ、保護ガラスが割れて人物の顔のあたり3か所に穴があくほどの大損傷を惹き起こしたのだった。

 どうなるんだろう。。。

 美術館側は「深刻な被害」と発表しており、これから先もしかすると数年はこの絵を見ることができなくなるかもしれない。

 本作の受難は、実はこれが二度目なのだ。最初は1913年。29歳のイコン画家がやはり雷帝と息子の顔付近に切りつけ、この事件で学芸員が自殺、理事長は辞任という波紋までひきおこした。

 当時はまだレーピンが存命だったので、幸い彼自身で修復にあたることができた。それでも再展示までに10ヵ月近くかかった。今回は。。。

 ロシアの美術館は、こう言っては何だけれど、セキュリティはあまりよろしくない。エルミタージュではスリに気をつけるよう言われてびっくりしたものだ。鑑賞中に絵はがきを売りつける者もいて、さらにびっくり。

 酔っ払いが入館するのを止められなかった、というのも普通に考えたらおかしいのでは? ガードマンはどこにいた?


☆エクラの読者モデル有村一美さんが、ウェブ版エクラに先日の「女が見るヌード」座談会の裏話を書いてくださったので、お読みくださいね~

https://eclat.hpplus.jp/article/20614

☆☆今後の講演会

・5月31日(木)4時~5時半 「美を語る」NHK青山カルチャー
 ◎必ずしも4回通しで聴講する必要はありません。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1148939.html


・7月7日(土)2時~3時半「プラド美術展」関連講演 兵庫県立美術館
https://www.oybc.co.jp/event_kobe/detail_22903

・7月24日(火)「西洋絵画の見方」リーガロイヤルホテル大阪(関係者のみのご参加です)


☆☆月刊「文藝春秋」連載「中野京子の名画が語る西洋史」のオンライン化
http://bunshun.jp/articles/-/4976

☆最新刊「名画の謎 陰謀の歴史篇」(文春文庫) 2刷になりました🎵
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☆アートギャラリー ヌード~かぐわしき夢」(集英社)
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☆「別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ) 2刷になりました🎵  「ジュニアエラ」で紹介しました→https://dot.asahi.com/dot/2018011700013.html?page=1

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☆「名画で読み解く イギリス王家12の物語」(光文社新書)4刷になりました🎵
  name="amazletlink" target="_blank"> alt="名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)" style="border: none;" />

☆『怖い絵のひみつ』(KADOKAWA) 4刷になりました🎵
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☆『中野京子と読み解く運命の絵」(文藝春秋) 2刷になりました🎵
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☆「新 怖い絵」(角川書店) 10刷になりました🎵
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☆「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)

時代小説作家の千野隆司氏がHPで紹介してくださいました♪

http://blog.livedoor.jp/chino17jidai/archives/52067341.html#comments

☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯 (NHK出版新書 497)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)

名画の謎 旧約・新約聖書篇 (文春文庫 な)
  『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/


☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)

残酷な王と悲しみの王妃2
担当者さんが紹介してくれました♪


http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html


☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
 3刷になりました♪

「絶筆」で人間を読む―画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469)

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)3刷になりました🎵
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163903089/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050

☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935


☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫) 2刷になりました🎵

名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)


☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)

愛と裏切りの作曲家たち


☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)

マンガ西洋美術史03 「市民社会」を描いた画家」 ブリューゲル、フェルメール、ホガース、ミレー、ゴッホ



☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
マンガ西洋美術史02「宗教・神話」を描いた画家  ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス


☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫) 5刷になりました。

危険な世界史 運命の女篇 (角川文庫)

☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
マンガ西洋美術史01 「宮廷」を描いた画家 ベラスケス、ヴァン・ダイク、ゴヤ、ダヴィッド、ヴィジェ=ルブラン


☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫 な 58-2)


☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)5刷になりました♪

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)   

☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
印象派のすべて (別冊宝島 2200)

☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
名画に見る男のファッション (単行本)

☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
中野京子が語る 橋をめぐる物語

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇

☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
残酷な王と悲しみの王妃 (集英社文庫)

☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。15刷になりました🎵 怖い絵  (角川文庫)

☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました🎵 はじめてのルーヴル (集英社文芸単行本)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました🎵
中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 12刷になりました🎵 怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)

☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました🎵
名画と読むイエス・キリストの物語

☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました🎵
危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)11刷になりました🎵
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 17刷になりました🎵
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました🎵
中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇


☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 16刷になりました🎵
「怖い絵」で人間を読む 生活人新書


☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 9刷になりました♪
名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 23刷になりました🎵 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 3刷になりました🎵 おとなのための「オペラ」入門 (講談社+α文庫)

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版。 2刷になりました。
歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)

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☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~

☆「怖い絵」16刷中。怖い絵

☆「怖い絵2」、9刷中。 怖い絵2

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12 コメント

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レーピン (トクちゃん)
2018-05-29 11:13:11
そうなんです。この事件、気になってました。
レーピン展、数年前に日本で開催されて感動しましたが、この作品はいつか現場に行って見たい・会いたい作品のなです。
かなり昔(今ネットで調べたら、1980年)東京で女子高生だった私は友人と東京国立近代美術館で、作品を叩いて騒いでいる男と遭遇しました。会場には友人と私と男の3人しか居なくて、「ナンダコンモン」と喚きながら作品を叩いているんです。あっけにとられて、美術館を出ました。後に南伸坊さんの本にもこの事件が載っていました。
Unknown (トクちゃんさん(kyoko))
2018-05-29 11:21:14
 えええ~ それで作品は大丈夫だったのでしょうか? 当時だと照り返しのある厚めのガラスですよね。それともガラス無し? ひどい人間がいるものです。創造の歓びを知らないのかな。。。
驚きました (Jasmin)
2018-05-29 12:01:56
レーピンの名画がこんなひどいことになるなんて!心が痛みます。ミケランジェロの『ピエタ』が殴りつけらて損傷したとか、レンブラントの『ダナエ』が硫酸をかけられたとか、素晴らしい美術品を傷つけようとする人は時おり現れるようですが……ロシアの美術館のセキュリティはどうなっているのでしょう。

先日終わったプラド美術館展を再訪致しました。皆さんはとっくにお気づきかもしれませんが、『バルタザール・カルロス』と『バリューカスの少年』がちょうど向かい合うように展示されていたのですね。10代で亡くなった王子と遊び相手の少年が向き合っていることに胸が熱くなりました。ベラスケスは本当にたぐいまれな画家ですね。
残念 (mimi)
2018-05-29 13:11:23
この絵画との素敵なsituationの出会いを先生からお聞きしていましたので 「くそお~!!!(涙滂沱)」頷くしかありません。

受難  なにかこの絵画にはあるのでしょうか。
ポンコツ (ぽち)
2018-05-29 22:48:48
昔、日本に自分が死んだら棺桶にひまわりを入れてくれと、言ったポンコツさんがいましたけど。イワン雷帝に傷をつけるとは‼️どこの国にもおかしな人はいるもんですけど。そんなことして何が楽しいのか。まあ、その男にも言い分はあるとしても。37才?そんなことしているうちにあっという間に残念な爺さんになっちゃうのに。長生きすればの話ですけど。
Unknown (みなさま(kyoko))
2018-05-30 15:25:21
Jasminさん
 そうなんです。「名画の謎 対決篇」にも書きましたが、レンブラントのダナエはようやく修復したわけですけど、同行した友人は修復前を知っていたので、だいぶ変わったと言っており、こちらはそれを想像するしかありませんでした(それでもダナエは素晴らしかったのです!)

mimiさん
 けっきょく史実と芸術作品の区別がつけられない人がいるということなのかな。それで言えば、王侯貴族の肖像画など、全部粉飾決算で嘘ということになってしまうのに。。。

ぽちさん
 「あっという間に残念な爺さん」--かなり笑えました(今回の件では笑っている場合じゃないですが)。
 死んだら棺桶に、もひどかったですね。この言葉を発した人の知人が、悪い人ではない、そんなつもりの発言ではなかったと言ったので、ではどんなつもりで?と聞くと、それほど愛する絵だったということだ、とか苦しい弁護をしていたのが思い出されます。自分が死んだら愛人も殺すタイプかと思ってしまいました。
はじめまして (いちこ)
2018-05-30 23:24:18
いつも記事を楽しく読ませていただいております。中野さんの本のおかげでとても絵が好きになり、夏休みにプラド美術館展に行ってみようと思っています。
今回の事件で歴史的な絵画に残酷な事をする人がいるのだなぁと残念に思いました。無事に修復が完了すればいいのですが、心配です。
美術館の警備が甘いのも深刻な状況ですね。
Unknown (Unknown)
2018-05-31 16:20:05
こちらはいつも楽しみにしておりますがコメントさせていただくのは初めてです。

旅が好きなので中野先生の本でいつも歴史、美術のおさらいをして出掛けています。

ロシアへの際はこの絵のことを読み美術館で出会った時はかなり感動したものでした。
トレチャコフ美術館は落ち着いた、壁紙も落ち着いた色でとても好感の持てる感じだったのですが...残念ですね。
(;o;) (かな)
2018-05-31 20:32:06
この作品は先生の本を読んで初めて知りました
特にインパクトが強く何度も読み返しました
その作品が傷つけられたとは……
たぶん 来日する事がない限り観る機会はない作品だとは思いますがショックです
来月 ベラスケスを観にプラド美術館展行く予定です
先生の本を読むまで知らなかったベラスケス
大塚国際美術館では何度もみたが本物を観た事のないベラスケス
本当に楽しみです
先生の本との出会いで世界が広がっていきます
ありがとうございます
Unknown (みなさま( kyoko))
2018-06-02 12:12:09
いちこさん
 ご訪問、ありがとうございます🎵
 プラド美術館訪問、楽しんでいらしてください! 以前はピカソ「ゲルニカ」もこの美術館にあり(今はソフィア美術館)、政治的作品なので損傷を恐れて防弾ガラスに守られていたんですよ~

Unknownさん
 ご訪問、ありがとうございます🎵
 今度いらっしゃるときには、ぜひニックネームもお願いね!
 トレチャコフ美術館へいらっしゃったのですね。ほんと、あそこはロシア絵画の傑作ぞろいで、日本ではあまり有名でないのが残念でなりません。

かなさん
 今回のプラド展では一挙に何点もベラスケスを見られる、めったにないチャンスなので、きっと楽しめますよ~♪ 貸し出し交渉は大変だったろうな、と「怖い絵展」のジェーンを思い出してしまいます。



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