恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
黄金の光と暗い想念
先の続き・・・
私が二十代ですから、もう三十何年前に真っ黒けだったお仏壇です。
それが今は新品みたいで、新しく建てた家よりもなお光っています。
新しい家に古い家具を入れても調和しないものですね。
それだけが古く目立って、ついもうこのたんすも替えようか、
これも新しいのに替えようかということになって、
そうしないと合わないものです。
ましてや真っ黒けの仏壇を入れたら似合うはずがないのですが、
家よりも仏壇のほうが光るぐらいになりました。
仏壇の中に不孝にして成仏することのできないご先祖様がおられますと、
仏壇はだんだん暗くなります。
家もそうです。
ものすごく陰気くさい家で、
その中に入ると暗い感じを受けるお宅というのは、
その家の中に執着している何者かがあるから暗いのです。
墓地全体が暗いのもそうです。