浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2019-08-19 00:03:55 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

 ~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~


                   講演 三

「その原因は煩悩なり 煩悩は 眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が根元なり」

先の続き・・・

あのヘレンケラーさんは見えない、話せない、聞こえない
という三十苦をのり越えて人々のために尽くされましたが、
ああいうお方は正に光の天使です。

「このような不自由な肉体を持っていても、
このようになれるのですよ」と、
その肉体をもって教えて下さっているのです。

しかしどんなにか不自由で大変なことだったかと思います。
見えないだけでも辛いし、聞こえないだけでも辛い、
またものが言えないだけでも辛いものですのに、
三つの苦しみを同時に持って生まれたお方もあるのですね。

もっともヘレンケラーの場合は途中で病気になって、
目・耳・口が不自由になられたのですが、
付いてくれた先生の愛によって、
世界的に有名なすばらしい「心の先生」になられました。
眼・耳・鼻・身・意を六根といいます。
この五官・六根がなぜ私たちに与えられているかといいますと、
それは自己保存の道具としてです。
早い話が口がなければご飯が食べられないから
生存が成り立たなくなりますし、
言葉が通じなかったら生きる上で具合が悪いです。

自分を生かすために与えられた道具がこの五官です。
そしてこの五官が「意識」を持っていて心の中へ
連絡してくれるのですね。
例えば前方から危ないものが来ましたらパッと避けたり、
横から音を鳴らしたら飛びのいたりします。

鼻は、良い匂いとか悪い臭いとかを嗅ぎ分ける道具ですが
これも肉体を守るためにものです。
この五官を通してものを見た場合は、
すべて自分を中心とする見方となってしまって、
それは全部間違っているということです。

つまり五官を通しますと自己保存と自我我欲という
色眼鏡が全部にかけられてしまうのです。
つまり五官を通しますと煩悩の悪魔が常に
全体を覆ってしまうのであり、
神が肉体という悪魔の装いをなさって人間として
現れておられるということです。
自己中心または利己的に見る思いこそ、
悪魔の正体といえます。



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