浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「講演集」より。

2014-06-29 04:09:20 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

      ~ 恩師の御著書「愚か者の独り言」より ~


                講演集 一


        「心のスモッグが幸せの光を遮る」


これは何かと言いますと、自分の心です。
心の中に常に安らぎと感謝を持ち、
人の為に奉仕する行いを実践した時、
自分の心の中にああ良かったなあ、
人に助かってもらったという喜びが与えられます。
その満たされた、幸せだなあ、
良かったなあという思いが光なのです。
反対に、心の苦しみの原因を作りますのは怒り腹立つことですね。
それから、妬み、謗り、愚痴、恨み、憎しみ、足ることを忘れた欲望、
これらはまさしくスモッグを出しています。
心の中からスモッグが吐き出されているのです。
今から十年ぐらい前、大阪の堺辺りは石油コンビナートができて、
あちこちの煙突からガスが吹き出しましたから、毎日のように
スモッグ警報が出されていました。
あれは企業が設備をつけると高くつくので、公害設備なしに、
ガスを空に吐き出せば影響は無いと思って、自分が儲ける為に
どんどん出したので、やがてこの広い空さえも覆う程のスモッグが
できたのですね。

その層も厚くなってきましたら、熱い太陽の光さえも通してくれません。
それと同じことで、私達の心も本来は光に輝いていました。
大層安らかな光輝いた魂でした。
その証拠に幼い赤ちゃんの顔は、どんな赤ちゃんでも、鼻の高低、
目の大小に関係なくかわいく何とも言えない愛らしさで、殊に目
などは澄みきっています。
あれは何故かと言いますと、
何の汚れもない心を持ってこの世に生まれ出て来ているからです。
やがて五歳、十歳と年を重ねてこの世の風に当たると、
自らの心からスモッグを吐きだして、
私らのようなこんな顔になってくるのです。
これも各自顔の個性を持っていますけれど、それぞれが今日まで生き
させてもらった間の体験の積み重ねが顔に看板として出ているのです。
本来は私達も光輝いた魂を持ってこの世に産んでいただいたのですね。
生きて来た間に、怒り、謗り、愚痴、憎しみ、欲望に囚われて足る事を忘れ、
その積み重ねによって心にスモッグを作ってしまったのです。
本来は真ん丸い心で光輝いていたのです。

自然界のすべてのものは、自然の力によって生かそう生かそうとし、
また用事が済めば消滅させよとして、
自然の力の中に私達は生きさせてもらっています。
言葉は換えれば、太陽は光です。
この太陽の光の中に私達は本来ならば満たされているのですね。
自分の心のスモッグを払いました時に、神の光は願うことなしに
私達の心の中に燦然と輝いていただけます。
ところがいろいろと生まれた環境、受けた教育、考え方、思想、
習慣の中に、在る時は腹を立ててスモッグを出します。
憎めばたくさんのスモッグが出ます。
そして心の周りをスモッグで囲ってしまうと、神仏の光は遮られてしまいます。
神の光を遮ってしまうと、光がいただけないから苦しみが現れてきます。
ではこのスモッグをいかにして出さないようにするか、
これが大事です。


        ~ 感謝・合掌 ~




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