マメ科ハギ類に関する" 萩 "の書庫があるのでハギについてまとめてみました。
古くから日本人に親しまれ短歌や俳句にも詠まれる花でもあり秋の七草の
一つに数えられ、草冠に秋と書いて萩、まさに秋を代表するかのような
植物ですね。
----- ----- ----- 分類 ------ ----- -----
ハギの仲間は分類が難しい植物だといわれます。
約40種ほど東アジアや北アメリカなどに分布しているようです。
約40種ほど東アジアや北アメリカなどに分布しているようです。
日本産のハギ属の研究は、1867年オランダの植物学者ミケエルMiquelにより
シーボルトやビュエルガーが日本などで採集した標本に基づいて日本に
11種のハギ属の種が産することを報告したのが始まりになるようです。
(この研究でマルバハギ(L. cyrtobotrya)、キハギ(L. buergeri)などが
新種として発表されたんだとか。)
その後の1873年にマキシモヴィッチ(Maximowicz)によりハギ属の分類
シーボルトやビュエルガーが日本などで採集した標本に基づいて日本に
11種のハギ属の種が産することを報告したのが始まりになるようです。
(この研究でマルバハギ(L. cyrtobotrya)、キハギ(L. buergeri)などが
新種として発表されたんだとか。)
その後の1873年にマキシモヴィッチ(Maximowicz)によりハギ属の分類
大綱の骨子がつくられ、ハギ属は3亜属に分けられました。
{ハナハギの仲間(日本に自生はない)とヤハズソウの仲間は今日では別属と
されています。}
{ハナハギの仲間(日本に自生はない)とヤハズソウの仲間は今日では別属と
されています。}
ヤハズソウ
ヤハズソウ花
マキシモヴィッチは、今日のハギ属に属する植物をすべてハギ亜属に分類しました。
ハギ属はアジアで生まれて北アメリカに広がってゆき、両地域でそれぞれ
進化が進んできたと考えられているようです。
北アメリカのグループをハギ亜属、アジアのグループをヤマハギ亜属とに
分類され、ヤマハギ亜属はさらに2つのサブグループ、ヤマハギ節とシベリア
メドハギ節に細分されています。<植物研究雑誌89巻2014年大橋、根本>
北アメリカのグループをハギ亜属、アジアのグループをヤマハギ亜属とに
分類され、ヤマハギ亜属はさらに2つのサブグループ、ヤマハギ節とシベリア
メドハギ節に細分されています。<植物研究雑誌89巻2014年大橋、根本>
芽生えの第1節の葉が、ハギ亜属では互生、ヤマハギ亜属では対生する。
2亜属は、それぞれ2節ずつ、計4節に分かれる。
ハギ属 --- ハギ亜属-( 北米の系統 )
--- ハギ節 7種。
--- section Lespedezariae 4種
ハギ属 --- ハギ亜属-( 北米の系統 )
--- ハギ節 7種。
--- section Lespedezariae 4種
--- ヤマハギ亜属(アジアの系統 )
--- ヤマハギ節 9種
--- シベリアメドハギ節 24種
ヤマハギ節
--- ヤマハギ節 9種
--- シベリアメドハギ節 24種
ヤマハギ節
ヤマハギ
一般に萩と総称される種のすべてはヤマハギ節に分類されます。
ヤマハギ節は、落葉低木または低木状となり、花は10㎜以上となり、
閉鎖花をつくらないなどの特徴があります。
シベリアメドハギ節
シベリアメドハギ
低木状のヤマハギ節に対して多年草、草状で閉鎖花をつけるグループです。
形質の変異性ならびに形質の現れの差についての解析的な研究が不十分で
あったために、種の変異性が掌握できず、分類学的な評価が定まらなかった
ためにハギは特に分類が難しい植物だといわれてきました。
また、雑種ができることがあり、しかももともと両親種が形態的に類似する
場合は、雑種であることを形態的に認識することさえも難しいこと、萩類は
しばしば庭園などに栽培され園芸種が存在することも、種レベルの分類を
困難にしてきた一因でもある。
あったために、種の変異性が掌握できず、分類学的な評価が定まらなかった
ためにハギは特に分類が難しい植物だといわれてきました。
また、雑種ができることがあり、しかももともと両親種が形態的に類似する
場合は、雑種であることを形態的に認識することさえも難しいこと、萩類は
しばしば庭園などに栽培され園芸種が存在することも、種レベルの分類を
困難にしてきた一因でもある。
----- ----- ----- 形態 ------ ----- -----
日当たりのよい山野に生息する多年草、半低木。
葉は3小葉からなる3出複葉で全縁、小さな披針形の托葉がある。
秋に枝先や葉腋に多数の花枝を出し、花色は紅紫、帯黄白、白などの
蝶形花を総状花序にまとまって次々と咲かせます。
蝶形花 👈クリックで解説記事へ
萼は鐘状で5裂するが、上側の2裂片は他の裂片より合着の程度が
進んでいて、一見4裂するように見える。萼の基部に宿存性の
1対の小苞がある。
雄しべは2体雄ずいで、10個でうち9個は先端部を除き合着し、
雄しべは2体雄ずいで、10個でうち9個は先端部を除き合着し、
上側の1個は基部付近のみ合着している。
果実(節果)は種子を1つだけ含んで楕円形またはゆがんだ円形で
熟しても裂開しない。
----- ----- ----- 利用 ------ ----- -----
花や姿など秋の風情をめでるため庭園などに栽培されることも多いです。
占いに用いる棒を筮(メドギ)といい、竹を使ったものは筮竹(ゼイチク)
と呼ばれます。竹が使われるようになるまでは、萩の仲間のメドハギが
使われていたことからメドハギと名前の付いたものもあります。
と呼ばれます。竹が使われるようになるまでは、萩の仲間のメドハギが
使われていたことからメドハギと名前の付いたものもあります。
メドハギ
マメ科植物特有の根粒菌との共生で、痩せた土地でも良く育つ特性がある。
この特徴によって、古くから道路斜面、治山、砂防など現場で緑化資材
この特徴によって、古くから道路斜面、治山、砂防など現場で緑化資材
として活用されています。
(現在では、ヤマハギやメドハギの種子が、斜面緑化のための吹付資材として
用いられています。中国からの移入種子も使われるため時々他の種子の
混入によって帰化種の植物が見られることも多いです。)
----- ----- ----- 名前の由来 ------ ----- -----
萩の名前の由来には,主に3つの説があります。
① 古い株からも春にたくさんの芽を出すことから,生芽(はえぎ)が
元になってハギに転訛した。
② 生命力の強さから,復活を意味する生え木(はえぎ)が元になって
転訛した。
③ 枝で箒(ほうき)を作ったことから,「掃(はき)き」元になって
転訛した。
元になってハギに転訛した。
② 生命力の強さから,復活を意味する生え木(はえぎ)が元になって
転訛した。
③ 枝で箒(ほうき)を作ったことから,「掃(はき)き」元になって
転訛した。
----- ----- ----- ハギと呼ばれる仲間 ------ ----- -----
○○ハギと呼ばれる植物の中にはハギ属でないものも見られます。
・ヌスビトハギ マメ科スビトハギ属
マメ科でハギに近い仲間、節果は2果以上。マジックテープ方式の
引っ付き虫として知られています。
マメ科でハギに近い仲間、節果は2果以上。マジックテープ方式の
引っ付き虫として知られています。
・センダイハギ マメ科センダイハギ属
同じマメ科の仲間ですがやや遠い仲間です。黄色い蝶形花をつけます。
同じマメ科の仲間ですがやや遠い仲間です。黄色い蝶形花をつけます。
・イタチハギ マメ科イタチハギ属
マメ科の帰化植物で葉は羽状複葉、別名クロバナエンジュとも。
マメ科の帰化植物で葉は羽状複葉、別名クロバナエンジュとも。
・ナンテンハギ マメ科ソラマメ属
2枚の小葉からなる羽根状複葉
2枚の小葉からなる羽根状複葉
ハギと名が付くマメ科植物たち
マメ科以外でも ヒメハギ科のヒメハギやミソハギ科のミソハギなど
ハギの名を持つものもあります。
ハギの名を持つものもあります。
萩を追っかけている萩さんのページです。