少女は、わたしはコネコのサクラだと言いました。 学校の桜の花が満開になったあの日、サクラの住む世界とハルキの住む世界がつながって、サクラはハルキの住む世界に迷い込んでしまったのだというのです。
ある日、ま夜中に ふと目がさめたハルキは、ベットの横でみなれない少女がねているのに気がつき とてもおどろきました。 見も知らずの少女が なんで横でねているのか見当がつかないハルキは、きっとこれは夢の中のできごとにちがいないと思いました。
アパートで、ネコとハルキの生活がはじまりました。 ハルキは桜の木の下にいたので、コネコにサクラという名前をつけました。 サクラは小さいけれど、とても利口でハルキが勉強をしている時は、ジッとじゃまをせずにまっています。 そして、勉強がおわると、じゃれてあそんでもらうのです。 ハルキは、 そんなサクラがかわいくてしかたがありませんでした。
コネコは、まだ小さいけれど それは美しいコネコで、かがやくような純白の毛なみと、深い湖のようなエメラルドグリーンの目をしたネコでした。 ハルキはひと目でコネコが気 にいってしまい、アパートにつれて帰ることにしました。
ある日、学校から帰ろうとしたハルキは、大きな桜の木の下に コネコがいるのに気がつきました。 この学校に ノラネコがたくさんいるのを知っていて ときどき ネコをすてにきてしまう こまった人がいるので コネコがすてられていても ハルキは べつにおどろきませんでした。
フォロー中フォローするフォローする