花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

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當る戌年 吉例顔見世興行 其の壱 昼の部前半…

2005年12月19日 01時51分07秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…
で、顔見世の内容ですが…まぁ。
今回の顔見世は肩書きがまたすごい。
去年は、市川海老蔵襲名披露をも兼ねていたが、今年は、もう一つ…。
『松竹百十周年記念・京の年中行事 當る戌年 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 坂田藤十郎襲名披露』
そう、興行元の松竹の百十周年記念なんですね…。
それよりも、あの中村鴈治郎丈が、念願の坂田藤十郎を231年ぶりに復活襲名することが話題になっていますね。
大変なことですよ…。
殆んど歴史上の名前であって、実際どんな人なのかもわからない…。
ただ、今の上方の和事の創始者であった…近松とコンビを組んで…数々の名作を意欲的に創作していった…まぁ凄い人には違いないが、今の鴈治郎さんにとっては憧れであっても、親戚関係(表現が正しいか?)ではない…。
その人の名を継ぐのですよ…まぁ、冒険でしょうし、挑戦でしょうね。
頑張ってもらいたいです。
平成の藤十郎として、数々の舞台をこれからも踏んでいってもらいたいですね。
そして、これからも地下に眠っているお芝居を復活上演してもらいたいです。
近松座で、実験的に行った原作通りに上演する歌舞伎…今のスタイルではなく、昔、そう…元禄時代の空気の中で上演されていた近松の名作を今一度、上演していってもらいたいです。

さて、今回の昼の部の開始時間は十時半です…どうも顔見世は通常の興行よりは始まる時間が早い…はぁ(溜息)
で…以って終わる時間も遅い…すごい上演時間ですな…。

今年の顔見世の幕開きは、『女車引』から始まります。
其の名の通り、『菅原伝授手習鑑』の『車引』の女版です。
まぁ、パロディですね…。
普通、『女○○』って来ると、本来の狂言の主人公を女性に替えるだけで、様式や話の展開はあまり変わらない…。
でも、時代や話の背景が変わっている場合が多いですね。
男版と女版では、全く違う話で何ら関連もない場合が多い…。
『女暫』なんかそうですよね…。
でも、今回の『女車引』は、お座敷芸での俄か精神から派生したものらしい…。
だから、単なる『車引』の女バージョンと見るべきものではない。
清元での舞踊である…。
松王丸、梅王丸、桜丸の三兄弟が主人公の『車引』なら、此方はその三兄弟の女房の千代、春、八重が踊り渡るのである。
顔見世の幕開きには持って来いの華やかな舞踊ですが…単に『車引』を連想していたら、期待外れになってしまいそうです…いや、私もこの演目初めてだったので…。
舞台は同じく吉田神社の社頭…そこで、梅王丸、桜丸が時平公を相手に一悶着…と、同様に其の女房の春、八重が吉田神社の前に現れて踊りだす…。
孝太郎さんは、若女房って感じが出ていたよかったですね。
春の扇雀さんは、ホンマ武家の女房って感じがでていて…ただ、意地悪そうなと年増の女って感じもするが…(汗)
二人が踊る間に、松王丸の女房の千代が分け入ってくる。
ちょうど主人の仕事の仕丁の出で立ちで…何でまた女が?>って、考えることないのだよ歌舞伎は…(汗)
で、千代役の魁春さん、ぱっと見は怖いです>ヲ~イ!!
どうも、眉がないと…魁春さんのお顔は怖い…赤姫は綺麗なんですが…はぁ(汗)
踊りとしては、まぁ無難というか…あまりわからない…(泣)
荒事の『車引』を想像していただけに、この三兄弟の嫁はんらの踊りには…少しギャップが…。
台傘を引き合うのは、『車引』を連想させますね…。
でも、華やかさは十分に醸し出されていましたよ~!
まぁ、長丁場の顔見世です。
最初から濃いのは…少しキツイでしょうね…ははは(汗)

次の演目は今回の襲名披露狂言でも目玉の演目です。
『夕霧名残の正月 由縁の月』です。
初代藤十郎の出世作らしいですが、今現在に至って名前は伝わっていても台本は残っていないらしいです。
で、今回は地唄の『由縁の月』を基に舞踊劇とした形で復活したのである。
幕が引かれると其処は舞台です…初代藤十郎の時代の頃の舞台を模しているのだろう…。
でも、一応は夕霧の居た揚屋『扇屋』の広間という設定…。
夕霧が亡くなって早今日が四十九日…其の法要の支度に、此処の主人の三郎兵衛と女房のおふさが、仲居らに夕霧の形見の打掛を衣桁に掛けさせたりしている…。
二人は、夕霧の死に目にも遭う事が出来なかった伊左衛門の身の上を案じて奥の間へ立っていく。
其処に新・藤十郎扮する伊左衛門が現れる…。
『由縁の月』に乗って…の舞踊ですよ。
紙衣…これはホンマに紙で出来ています。
厚手の和紙でしょうか…でしょうね…落ちぶれて、紙で出来た着物を着ているという設定ですが、かえって、こっちの方が豪華みたい(汗)>ヲイ!!
まぁ、衣装ですからね…綺麗に仕立てられた紙衣…チャンと裏地は羽二重で…伊左衛門が一踊りして出て来る。
其処へ太鼓持ちのお二人さん。
進之介丈と愛之助丈…此処だけですよね、このお二人出番は…。
何か、ものすごくお二人さん間抜け顔(汗)いやはや…>コラッ!
この二人に教えられて夕霧が儚くなったことを聞く…悲しいねぇ…。
で、太鼓持ちさん揃って、ご主人さんらを呼びに奥の間へ…。
夕霧が亡くなった事に驚く伊左衛門、ましてや今日が七七日だなんて…。
夕霧と交わした起請文を取り出して念仏を始めると…突然悶絶して倒れる伊左衛門。
其処に現れたのが夕霧!!
『伊左衛門さぁぁん…』
か細い声が聞こえてくる…形見の打掛の影から現れる夕霧…。
二人は、情を交わすのだが…。
『わしゃぁ…患うてのぉ…』
確かこない聞こえた…うん聞こえた。
芝居上患っているのか?それともホンマに雀右衛門さんが患っているのか???
確か先月の歌舞伎座では、腰痛で数日舞台を降板したらしい…大丈夫???
歩みがゆっくりで…演出上なのか?それともホンマに腰痛を庇ってのゆっくり歩行なのか???
あの伊達兵庫の髷は重たいでしょうに…簪も鼈甲だよ…色が違う、艶というか…吉田屋で見る拵えとはまた違って、妖艶です。
ただ、七十を越した藤十郎さんが、八十をトウに越した雀右衛門さんの手を取って、ゆっくり歩く姿は…老人による老人介護…いや、愛らしい情景ですよ。
舞台の段を数段降りての遣り取りなんですが、芝居を観ているよりも、そっちの方が気になって…病鉢巻をした夕霧ですから、患っていても当然。それを労わる伊左衛門の姿も…当然。そう、当然!
再び段を上がって、舞台に上がるのだが…些かきつそうで…降りるのも一段一段ゆっくりとだったから…上がるのは、裾も気を付けて…肩に手を遣る伊左衛門、いや藤十郎か??
あっ!

とうとう、着物の裾を持ち上げて、がに股で階段を上がっていったよ…(汗)
見なかったことにしておこう…
どうにか衣桁に掛かっている打掛の影に、夕霧を連れて行って…おまけに夕霧が羽織っていた打掛も押し込んで…>ヲイ!<違う!伊左衛門が再び悶絶して意識を失ったときに夕霧が打掛に身を消したのだ…。
そこで気が付く伊左衛門。
夕霧は何処へ行った???
知らせを聞いた扇屋の夫婦が広間に遣って来る。
伊左衛門が今まで夕霧と見ていたのは形見の打掛であったのだ。
まぁ、どんな形でも七七日の日に夕霧に逢えたことは喜ばしいことだと…。
そう…お目出度い…んっ!

で、ここでおふささん役の秀太郎さん、
『そうそう、お目出度いことと申せば、もう一つ…』
会場から拍手が…!!!
そうです、当月南座に於きまして、中村鴈治郎改め坂田藤十郎を襲名致しましたのです~!
新・藤十郎を真ん中に、我當、秀太郎が両脇に控え、其のまた外側を仲居達が…。
劇中での襲名口上です。
今回おいしい役どころは秀太郎さんですね…お話も上手だし…ホンマ大阪のおばちゃんって感じが…>ヲイヲイ!
今回舞台に上がっている仲居役も皆、上方の役者です…左右に分かれて控えている名題役者さんに名題下の役者さんたち…皆さんお弟子さんですね。
よ~く見れば、仲居の衣装…柄が山城屋さん(新藤十郎の屋号)の替紋『藤花菱』をアレンジしているよ…こういったところって好きなんだよね。
皆さん揃っても口上の場を設けたのは心憎い演出ですね。
なら、どうして…太鼓持ちのお二人さんも…って思ってしまいますけどね。
新・藤十郎丈の決意を述べての口上、これを以って幕なんですが…もう、芝居の内容ドウのこうのと言うよりも、襲名を祝うための舞踊劇って感じですよね。
えっ?って感じもありましたし…マジで…襲名狂言ならではでしょうが、それ以外でするのは少しキツイかなって感じも…。もう少し内容に工夫があっても…とか思ったりも。
でも、全てに渡って、綺麗でしたね…それは実感しましたよ。
歌舞伎の綺麗なところ…襲名狂言に掛けるこの舞台って感じですね。
次が楽しみです…。

此処で、長めの幕間です…。
今回は長丁場…一回目の幕間は10分しかなかった…ロビーに出ていたのは我々だけだったよ…>ヲイ!ウロウロするな!!
で、今回は昼食を兼ねた幕間です。
お弁当は去年同様に、ぎをん梅の井さんの幕の内弁当…。
少し待ったよ…。
お芝居が、予定より早く進行しているみたいで…。
まぁ、何とか頂いて…美味しかったです♪

さぁ、次は義太夫狂言の『五斗三番叟』だ…お腹が一杯になった上での義太夫狂言…気合を入れなきゃ…(汗)

続く…

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教育テレビですが… (太夫元。)
2005-12-25 01:10:04
大晦日になりますが、今年の京都四條南座の「當る戌年 吉例顔見世興行」の模様を録画中継致します。

『夕霧名残の正月』(出演:中村鴈治郎改め坂田藤十郎・中村雀右衛門・片岡我當・片岡秀太郎ほか)

『襲名披露口上』(鴈治郎改め藤十郎・ほか幹部俳優出演)

『本朝廿四孝-十種香』(出演:鴈治郎改め藤十郎・尾上菊五郎・片岡仁左衛門・中村吉右衛門・中村梅玉ほか)を放送。



お時間があれば、どうぞ…♪

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