はなこのアンテナ@無知の知

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考えさせられる事件

2008年02月13日 | はなこのMEMO
沖縄の置かれた状況が問題なのか?大人は子供を守ることはできないのか?

 沖縄で中学生の女子生徒が米兵に暴行されたとして、沖縄県はもとより国もこの事件を重大視している(と言っても政府は、米軍基地再編問題に支障を来すことを恐れてのことだろう)

 第一報では、見知らぬ男性に誘われるままバイクに同乗した女子中学生の軽率さを訝った。もしかしたら、読んだ新聞記事(日経)のニュアンスに誘導された印象だったのかもしれない。因みにサンケイエクスプレスでは13日付に小さな囲み記事で取り上げられただけである。(沖縄の過重負担を含めての?)米軍基地容認派のサンケイらしい。以下緑色部分は、第一報を受けての私の感想である。

 事件の詳細を見てみると、事件が起きた時間は午後10時半。そもそも見知らぬ米兵に「家まで送ってやる」とバイクで誘われて、被害者少女は同乗したとのこと。今回はたまたま米兵が犯人だったが、日本人男性が犯人でもおかしくない事件である。

 なんて無防備なんだろう?見知らぬ男性のバイクに気易く同乗するなんて。だいたい女子中学生が夜遅くまで街を徘徊しているのが非常識ではないか?一体被害者の親はどんな教育をしているのだ?そんな疑問が沸々とわき上がってくる。

 こんな事件、何も沖縄に限らず、全国どこでも起こりうる事件だと思う。そして被害者の良識ある判断によって避けられたかもしれない事件だと思う。それがたまたま犯人が米兵だったから大きく取り上げられている。

 報道によれば、沖縄県基地対策課には「基地は減らせないのか?」「米兵を外出禁止にして欲しい」(*1)という県民からの抗議の電話が寄せられた中で、「夜間に少女が外出しないよう学校でも指導すべき」という意見もあったらしい。

 しかし、ここでもまた私は疑問を感じる。夜間に少女が外出しないよう指導すべきは、まず親の役目である。何でもかんでも学校任せなのはおかしい。特に女の子は性的被害に遭う危険性が高いのだから、親は口酸っぱく不要不急の夜間外出を咎めるべきである(←これは何も沖縄に限った話ではない)。それが我が子を想う親のあるべき姿だろう。そのことが一連の報道から欠落しているのが、私はどうも解せない。

 もちろん、米兵の犯した罪がこれによって軽くなるなんて言っていない。許し難い犯罪であることは間違いない。

(*1)
過去10年の統計によると、沖縄県内で米軍人・軍属、その家族が起こした刑法犯の検挙人数は2003年の133人を最多に4年連続減少しており、昨年は46人だった。(中略)米海兵隊は若年兵の深夜外出を制限し、犯罪の減少を強調してきたが、今回の容疑者は38歳で対象外だった。米軍の管理が及ばないところで起きた犯罪は、問題解決の難しさを浮かび上がらせた。(2008年2月12日付日経夕刊19面より)


 若年兵は基地内の宿舎で寝泊まりしているので外出を規制できるのだろうが、一定年齢以上の米兵は基地外で家を借りて住むケースもあるので米軍も管理が難しいのだろう。夜間の米兵絡みの犯罪を阻止したいなら、米兵は全員基地内に寝泊まりさせ、夜間外出は一切禁止するくらいの措置を取らないと駄目だろう。現実問題、それは難しいのだろうけど。

 今朝、改めてネット等で続報を読んでみた。それによれば被害者少女が友人二人と共に繁華街を歩いていたのは午後8時半頃で、犯行が行われた10時半まで米兵は少女を連れ回したらしい。少女は途中友人に携帯電話で助けを求め、通報を受けて緊急配備を行った警察によって午後11時頃保護されたようだ。

 1995年に小学生女児が3人の海兵隊員によって暴行監禁された事件では、不平等な地位協定の下(もと)3人の米兵逮捕が叶わなかったことが、県民の反基地感情を爆発させた。その時の被害者女児も午後8時頃に商店街で買い物中のところを狙われている。私は沖縄に住んだこともあるのでわかるが、沖縄県民は一般に宵っ張りなところがあって、特に暑い夏など夜遅くまで家族連れや児童生徒らがショッピングセンターや繁華街に繰り出している姿が見られる。そんなこともあって、都市部を除く他府県とでは時間感覚が違うのかもしれない。

 今回の被害者は三連休の中日だから遊びに出かけていたのか?友人二人と一緒にいながら、ひとり米兵に誘われるままバイクに同乗したのが理解できないし、取り返しのつかない行為だったと思う。親は友人と一緒だからと安心していたのか?しかし、夜間外出を普段から許す家庭環境(門限がないor緩い)は、やはり教育上好ましくない。それだけ我が子を危険に晒すことになるのだから。口うるさい親だと思われても言うべきことは言うべきだし、時には厳しく注意する必要もあると思う。

 危険な状況を生み出す世の中はもちろん悪い。それを改善して行く努力(沖縄の場合、基地の過重負担を早期に解消すべき。これは特に国の責任大)は常に必要だ。しかし、残念ながらそれは沖縄県だけで解決できる問題ではない(日本全土で負担を分け合う策は、国の「アメとムチ」によっても一向に進展しないのが実情だ)。そこに住み続けるからには(県民が希求する全面返還?が実現するまで)現実的な対応として、×米軍により一層の綱紀粛正(→【訂正】地位協定の見直し)を求めると共に自衛策を講じるしかない。特に過去の事例を知る大人は、過去から学習して子供達を守らなければならない。家庭にいるべき時間には、子供を自宅に留めるべきだと思う。そうしなければ、今回のような痛ましい事件は繰り返されるばかりだ。
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