背中のホック

一枚のレシート

2、3日前に、車を手放すことを決心して、明日には、業者さんが、査定に来てくれることに。

こんなに早く、状況が動くと思ってなかった。

思ったより、早く、その時は来そう。

午前中、車を掃除。

思った通り、泣いちゃった。

一枚、レシートが落ちてて。

日付は、夫が亡くなる3か月前。

近くのドラッグストアの、私の風邪薬のレシートだったの。

夫の身体が死に向かっているのに、私の、たかが風邪薬を買いに行ってくれたのね。

もちろん、わざわざではなかったはずだし、その頃はまだ、習慣だった日曜日のお買い物には、連れていってくれてたの。

その帰りに、ドラッグストアに寄ってくれたんだと思う。

私は、たかが風邪薬を、買ったのね。

今さらながら、甘えてばかりの私だったの。

レシート、取っておこうかと思ったけど、捨てた。

捨てていいよね。

捨てなきゃね。

他人から見れば、ただのゴミだけど。

でも私には、その頃の記憶を呼び覚ましてくれた、大事なレシートだったの。


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