ドラマを1回だけ見て、色々ともやもやするので読んでみました。
ノンママとは、ワーママ(ワーキングマザー)の対語になることも意識した、一生子供を産まない女性に対する香山さんの造語です。もちろん香山さんもそのひとり。女は母になるべきという世の前提と戦う言葉なんだろうなと思います。
全てではないけれど、これ分かるわ~という部分が多々ありました。 自分もですが、香山さんは「子供が出来たら仕事はやめてね」という時代に働き出した人です。男女雇用均機会等法が施行され、キャリアを求める人は男と同じように働かなくてはならなかった。ほぼ、家庭か仕事か二者択一しかなかったですよね。
私は仕事に生きるほど仕事できなかったし、子供も欲しかったから会社は辞めました。いや辞めてくれって言われたんですけども。女は10年くらい勤めたら結婚したら辞めてね!という会社の体質もありました。子どもを産まないで頑張っていても、いつかは辞めさせられただろうなあ。
今や一生のうちに子どもを産まない女性は約3割、この本を読んだ感じだと、高学歴高収入になるほどその割合は高くなるようです。
一口にノンママと言っても「あきらめ型」「いつのまにか型」「選びとり型」があり、しかしそれらは明確に分けられるものでもないとのこと。そうでしょうね。はっきり産まないと決めている人は少なくて、ほとんどの人が何処か迷いを捨てきれず、生殖医療の進歩も句切りを見失わせ、葛藤は長く続きます。
そんな中、昨今の少子化はお前たちのせいだみたいに言われ、時短ワーキングマザーの仕事のフォローをしなくてはならず…。そして一番傷つくのは、「子供がいない人には分からない」という経験主義の押しつけだといいます。
この「経験主義」に対する反発意見は納得でした。医者はその病気になっていないと治療できないわけじゃないし、宇宙に行っていなくても宇宙飛行士の気持ちは書けます。「経験していないことは分からない」と言ってしまえば、人間の想像力や思いやりは無いことになってしまう。この場合、本当に理解する云々というより、歩み寄ってもらえない拒絶、疎外感が哀しいということでしょう。
その人は自分の意思で自由に生き方を選択しているつもりでも、実は時代の空気がそうさせているのかもしれない。世間からの是も非も、時代の変化と共にかわっていくものだなと思いました。
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