花日和 Hana-biyori

性犯罪をやめたい

8日放送の録画していたNHKのドキュメンタリー「性犯罪をやめたい」を見ました。性犯罪加害者の治療プログラムに密着取材した記録です。

素人考えで、被害者がどういう心の傷を受けるのかを聞かせる部分があるかと思いましたが、番組で紹介された中では出ていませんでした。やっていたのは「認知行動療法」というもので、何が引き金で、どういう気持ちで、自分に何と言い訳して、そうした行為に及ぶのか、突き詰める作業をしていました。つまりとことん自分と向き合うということです。

性欲や妄想を感じないようにするのが目的ではなく、感じても行動に起こさないように、コントロール出来るようになることが目的とのこと。

満員電車では目をつぶるなど、再犯しないようにするにはどう行動すればいいか、夜中に出歩かないなど、何をしないことが歯止めになるかを、自ら考えさせホワイトボードに書き出していました。

性犯罪加害者はどういう生い立ちの人がなりやすいのか、という視点も紹介されていません。そういうくくりは意味がないのかもしれないし、偏見に繋がるかもしれません。

彼らは、小6から問題行動を起こし続けた人もいれば、妻子があっても離婚されても解雇されても、罪を重ねてしまう人もいます。

何かのきっかけで一度やってしまうとそれが「成功体験」(と言っていた)として脳に焼き付き、今度はやらないように自分を抑える苦痛が襲います。引き金は日常風景としてどこにでもあることで、再犯の恐れは毎日毎秒ともいえる危うさでした。

彼らの考え方は、痴漢であろうと強制性交であろうと、犯行時には自分のことしか考えていない、相手を人間扱いしない、身勝手さしかありませんでした。しかし何も特別な人が加害者になり常習化していくわけではなく、性欲という人間の本能がコントロールできなくなるきっかけは、実は誰にでもあるのではないか。そういう恐ろしさも垣間見た気がして恐ろしかったです。

どんな服装でいようと女性には何の落ち度もないとしつつ、自衛の大切さをどこかで訴えかけるような面も番組には感じました。ツイッターでは過剰に反応して怒る人もいたので、デリケートな問題だなと思います。

治療は加害者たちの本音を出させることが前提で、表面上の反省などここでは意味がないわけですが、その本音を聞くのもしんどい。再犯を防ぐための取り組みですが、加害者たちは被害者への贖罪よりも「自分がやり直したい」という思いのほうが明らかに強かった(編集の問題かもしれませんが)。再犯をしないならどっちでもいいことではありますが、たぶん、やってしまうのはそういう所だぞ…と言いたくなりました。
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