これ先月の話ですけども。
「アンジェリーナ・ジョリーとキスしたい」とアメリカ行きのため100万円を目標に中卒でアルバイトする少年の話で、アホだなーと思わせておいて…
少年は、実はどえらい過酷な現実から目を背けるためにそんな夢に逃げていただけ、とわかってきます。
前半はいわゆる“信用できない語り手”というやつで、漫画でこれをやるかあと舌を巻きました。
あと少年の友人である女の子が、なんでもない普通の生活をしてほしいと少年に求めるとき「イオンで映画観たり」と言うのですが。地方都市の高校生のリアルがこもっているなーと。これが固有名詞の力というやつでしょうか。
ほんとうちの息子(高2)が友人と遊びに行くって言ったら、だいたい「イオンで映画」ですからね。
だからそういう、なんでもない普通さの尊さがリアルに染みるように描いているのも、上手いなあと思った次第です。