花日和 Hana-biyori

中国の反日デモの様子をみて

15日ごろの、過激な行動がエスカレートして、日本のお店などに押し入って店内をめちゃくちゃに荒らしまくる映像を見たとき、『あのころはフリードリヒがいた』を思い出しました。
ナチスが台頭し、ユダヤ人迫害がひどくなってきた頃、こんな風にユダヤ人の文房具店やフリードリヒの家はめちゃくちゃにされたのでした。
こちらでは今のところ怪我をした人の事は聞かないのでまだ良いのかもしれませんが。

尖閣諸島問題が言われ始めたときに、こうなることを思って心配していましたが、やはり…。

―知恵のない勇気は、ただの暴力。勇気のない知恵は、役立たず。
世界の歴史には、勇気しかないばか者や、知恵があるだけの臆病者がたくさんいた。それは正しい状態ではなかった。
勇者がかしこくなって、賢者が勇気をもったら、これまでなんども間違いがくりかえされたとわかって、やっと人類は一歩前にふみだせるだろう。―


たまたま、ケストナーの『飛ぶ教室』を再読(偕成社・若松宣子訳・初版2005年)して、この言葉を深く実感しました。また間違いがくりかえされている…。こういう人たちがいる一方で、理性的に愛国心を現そう、という人たちがいるとも聞きます。
日本側でも中国人学校に放火したりする人がいることを思うと、お互いの国に、賢い勇者が増えてほしいと祈るばかりです。難しい問題で、こうすればいい等と一口に言えないところがもどかしいのですが。

※ケストナーは、反ナチスを訴え弾圧されたドイツの作家。『飛ぶ教室』は1933年、ヒットラーが政権を獲得した頃に出版された。

コメント一覧

スウ
コメントありがとうございます!
最近八方さんの『点子ちゃんとアントン』や『顔に降りかかる雨』の書評を拝見してたりしましたが足跡残さずすみません(^^;)。

尖閣問題は、確かに論じるのが難しく、あまり下手なことは言えないと思いますよね。八方さんのところのように沢山いろんな人が訪れるサイトでは尚更…。
私は、苦しくて何か言わずにはおれなかったという感じです。弱小ブログだしという甘えもあります。


>「愛国心」というものを引っ張り出すような人は、信用しないようにしています
とてもよく分かります。
一見美しいけれど偏った考え方になりうる危うさがありますよね。。
本当に国を愛していたら、やるべきこと、やらないでいるべきことを落ち着いて考えられるはずなのにと思います。
八方美人男
ごぶさたしております。ケストナーは比較的最近『点子ちゃんとアントン』を読み直す機会があったのですが、ケストナーはたしかに子どもたちの想像力や突飛な考えを重んじながらも、いっぽうで大人の視点で「立ち止まって考える」という視点を子どもに教えるようなところがあったように思いました。

尖閣諸島問題はなかなか論じるのが難しいところがあるので、あまりコメントとかしていなかったのですが、少なくともこのあたりの話をするときに「愛国心」というものを引っ張り出すような人は、信用しないようにしています。「愛国心」を強制するのではなく、スウさんのおっしゃる「理性的な愛国心」をそれぞれが現すような流れになってほしいです。
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