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花日和 Hana-biyori

今年のベストを発表しあう読書会~後編

続くと言いながら半月以上もあいてしまい、申し訳ないことでございます。

今年のベスト3つを発表し合うオンライン読書会、本でも映画でも何でもってことで、後編の4人のかたは本が多くなりました。

いくつかご紹介の概略を書きましたが、間違っていましたらこっそり教えてください。〈〉内は私のコメントです。

***

●yuiさん

・ラノベ『薬屋のひとりごと』(日向夏)

・音楽 歌のレッスン再開→発表会!

・スケート 羽生結弦さん2月公演(東京ドーム)

〈「薬屋のひとりごと」は、アニメにもなっている人気作ですね。アニメは息子が好きで観ています。アマプラにあるので、私も見てみようと思います。※本は次回の課題本になりました。〉

 

●八方美人男さん

本と漫画とアニメからのベストを1つずつ。

・ビジネス書『WHITE SPACE ホワイトスペース: 仕事も人生もうまくいく空白時間術』(ジュリエット・ファント)

「戦略的小休止」という言葉の使い回しの良さがすごい気に入ってる。スケジュールを入れない「ホワイトスペース」を意図的に作っていくと、パフォーマンスを上げたり人生を豊かにする時間につながるのでは。という。

〈ご説明を聞いて、私も共感しました。火をつけるために薪は詰め過ぎてはいけない…って、たしかにわかり易かったです。戦略的小休止、私もすでに使わせていただいてます!〉

 

・マンガ『辺境の老騎士バルド・ローレン』(菊石森生、 支援BIS原作)

年老いた騎士がある日自分の爵位も財産もすべて返して旅に出る。いいなと思ったのは、いわゆるファンタジー系の本ではありつつ、実は魔法みたいな要素がほとんど出てこないところ。キャラクターの造形もかなり深い。あと旅の途中で捕らえた動物とか植物とかを結構食べる。実はグルメ漫画的な要素もある。

〈凄く面白そうです。まずは電子のお試しから読んでみます〉

 

・アニメ『推しの子』

dアニメで色々見ているけれど1話1時間スペシャルのインパクトにびっくり。全部持っていかれちゃったんですよ。

サスペンスと芸能界ものの融合みたいな話。

〈うちも息子が好きで家族で観ています。今後の展開も楽しみですね!〉

 

●くらさん

今年読んだエッセイから3作。いずれも日本の女性の作家。

『絵本のなかへ帰る 完全版』(髙村志保)

親の代からの街の小さな本屋さんを受け継いでやっている方で、ご自身の体験と今まで触れてきた絵本に関して綴った随筆。

一冊目の「おやすみなさいフランシス」からぐっと来てしまう。ディック・ブルーナの小さなうさこちゃんシリーズはもちろん、フィッシャーの「こねこのぴっち」、ミナーの「ジェインのもうふ」とか、とにかく名作どころがどんどん出てくるので、子供時代を絵本を読んで過ごしてきたものにはとても楽しく懐かしい作品。

それと同時に著者の人生が本と絡めて見え隠れする。ご両親との抜き差しならない関係も垣間見えて、ちょっと泣けるところも。絵本と人生を味わうという意味で非常によい随筆集。

 

『夫婦間における愛の適温』(向坂くじら)

著者は詩人であり子ども向けの国語教室もやっていて、生活の諸々に関するエッセイ。

人との距離の取り方が独特で周囲も本人も大変そう。夫に対する愛情は深いが、ちょっと不思議な出し方になっている。ただ、そういう距離があるから見える角度、切り口の書き方になっていて非常に面白い。

人と関係を作って維持していくことの難しさ、得難さみたいなものをすごく感じる作品。やはり文章がうまいと言うか、そうくるか!みたいな面白さがある。すごくキレがいいエッセイ。

 

『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(古賀及子)

著者はデイリーポータルZのライター。ブログ日記を編集して書籍化したもの。すごく良いタイトルで、これが出てくる時点でもう勝っている。

男の子と女の子のお子さんが2人いて、作中で成長していく。子供がどんどん人間としての形がはっきりしていく面白さがある。すごくいいのは、子供に対する愛情は深いけど、全くの他人だという視点、意識で見ているのがすごくよくわかる所。「面白い他人と一緒に暮らしている感じ」というスタンスが貫かれている。こういう家族の在り方はいいなと思った。

ちなみにお父さんは別居していて、山の中にいるらしい。一般的には(家族とは)「お父さんお母さんがいて子供がいて一緒に住んでる」みたいな通念があるけれど、別にそういうわけではなくてもちゃんと家族はやっていけますよ、みたいなところが読んでて非常に風通しが良くていいなと思う。

〈どれも興味深く、読んでみたくなりました!とくに『絵本の中へ帰る』は必読だなと。〉

 

●きなさん

欠席されましたがメールでベスト本をご紹介いただきました。以下転載です。

『シェフを「つづける」ということ』

井川直子・ミシマ社・2015年

2002年にイタリアで修行中だった日本の若いシェフたち。その10年後に帰国して店を持った彼らへのインタビュー集。夢をかなえることも大変だけど叶った夢を日常として続けるののなんと難しいことか!本が出てから8年、コロナ禍後の彼らがどうしているかも気になるところです。

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『「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校 ヴィルムホーゼンフェルトの生涯』

ヘルマンフィンケ・白水社・2019年

題名通りの内容です。エイドリアンブロディ扮するユダヤ人ピアニストを匿ったドイツ軍将校の評伝。映画でずっと気になっていたことがありました。ドイツ語では彼はシュピルマンに丁寧に話しているのに字幕では命令口調の訳になっていたこと。翻訳の高田ゆみ子さんもその違和感がきっかけでこの本を訳したとあとがきにあって驚きました。歴史の間に間に埋もれてしまった1人の人生を大切に掘り起こした一冊。読んだ後にガザ地区への侵攻が始まったニュースを聞いたのも何とも複雑な気持ちです。

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〈この2冊のご紹介のあと、やっぱり、すごく本を読んでいる人の渋いチョイスですね、と皆さんで納得いたしました。さいごはやはりメールから、こちら↓〉

「さて、今年もっとも印象に残ったのは猿之助の事件でした。公演をとても楽しく観て1週間もしないところに起きた出来事。人の内面なんて側からは本っ当に分からないんだなとつくづく思ったことでした。」

〈以前の読書会でも(歌舞伎が)物凄く良かったのに…とおっしゃっていましたね。考えてみると歌舞伎に限らず、巨大なエンタメ業界の各方面に激震が走った年でありました。〉

 

次回は2月開催で、課題本はyuiさんが挙げていらした『薬屋のひとりごと』1巻になりました。楽しく読めたらいいと思います。

今年も皆さんのおかげで色々といい本に巡り会えました。

ありがとうございました!

 

 

 

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