水島広子著(精神科医)/大和出版
これは行きがかり上読んだのですが、意外と面白くてちゃんと全部読みました。
「自己肯定感」というと自分にばかり目が行きがちですが、他者との関係を考え直すことで、自己肯定感が上がると説いている本です。
むやみに「自分を褒めよう」などと前向きな言葉を並べるものではなく、対人関係における心掛けが具体的に書いてあってとても役立ちそうに思いました。すぐ落ちこむのが薄まりそう。
* * * 覚書
・他者を評価するのは自分の身を守るためであり、悪いことではない。ただ、それが自分の一時的な主観に過ぎないことを認識しておく。
評価とは、言い換えれば「決めつけ」であり、決めつけてしまうと人を尊重できない。決めつけを人に押しつけることになる。
逆に、押しつけられても「この人はこういう感想だ」と思えばよい。
・「自分と他人(お互い)の領域を守る」
いつも一緒に行動するからといって関係が深まるわけではない。親子といえど相手の領域は守る。「あなたが…」と言うと責めることになるので「私は、(こう感じた)」で語るようにする。
・誰かの悪口を言う人がいたら、「それは辛かったね」とその人の感情の部分に寄り添う。「そんなことを言ってはいけない」と否定するのも「決めつけ」で、よくない。
・相手の悲しみ・許しの感情プロセスを尊重する。
謝ってすぐに許してくれなくても仕方ない。
・否定されながら育った人は自己肯定感が低い。一見強気で「自分が正しい」と曲げないが、多様な意見を受け入れにくい、他者の言葉がすぐに攻撃に聞こえてしまう。
・自分を含め、どんな人でもそれぞれに事情がある。その中で頑張って生きているだけでリスペクトされる存在。
など。
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