ネットがない時代に、私は恋愛した相手との電話でのコミュニケーションが好きだった。いや、むしろ、電話でのコミュニケーションがなければ、寂しかったといっても、過言ではない時があった。ひとり暮らしのとき、そして、今みたいにネットがないときには、けっこう長電話をしていた。もちろん、相手に電話がでないときは寂しかったし、相手ではなく他の家族が電話に出たときに、無言で切ったこともあった。
こうした行為は、いまやケータイやネットに変わっている。電話をしても、相手がないとき、ケータイ・メールに送ったりする。その逆もあって、忙しいときや電話できないときはメールをよくする。さらに、家にいるときには、メッセンジャーのやりとりをしたり、ボイスチャットやIP電話をする。ケータイやネットがあることで、通信手段がこれまでよりも整備され、さらに通信料が安くなった。これがさらなる長電話、長い時間のメッセンジャーやメールにつながるのだろう。
ただ、ケータイやネットがあろうがなかろうが、恋愛している相手とのつながりは求めるもの。その手段としてのインターネットはやはり、恋愛の形を変えている。というのも、固定電話だけでは取れないコミュニケーションが拡大していっているからだ。それは、固定電話の登場で、それまでの手紙だけだった時代の変化と似ている。