昔,昔の話です。
赤土で有名な三方原は,見わたす限り、すすきやはぎがしげっている野原でした。そんな野原に,浜松の街へつながる一本の道がありました。
ある日のことです。この道を,一人の男が歩いていました。どこまでも,どこまでも続く野原を,男は急ぎ足で歩いていました。その時です。男の足のうらに,何かコツンと物が当たりました。
「あっ,痛い。」
とさけび,わらじをぬいでみると,小石がはさまっていました。
「やれやれ,先は長いというのに。小石がはさまるなんて,運が悪いことだ。」
と,小石をぽいと投げ捨て,すたすたと歩き出した。しばらく歩くと,また,足のうらに何かがささりました。
「あっ,痛い。」
とさけび,足を見ると,また石がはさまっていました。
「2回も石がはさまるなんて。ますます運が悪い。」
とつぶやきながら,男はわらじから小石を抜き取りました。投げ捨てようと手にとした小石を見ると,なんとさっき投げ捨てたはずの小石にそっくりです。そんな馬鹿なと思いつつ,もう二度とはさまらないように思いっきり遠くへ小石を投げ捨てました。
今度は,二,三歩歩いただけで,また,小石がはさまりました。ただ,よく見ると,前よりも大きくなっている気がします。その後も,男が石を投げ捨てて歩くたびに石が足のうらにささりました。おまけに小石は少しずつ大きくなり,とうとう大人のこぶしほどになりました。
「不思議な石があるものだ。投げるたびにどんどん大きくなるなんて。きっと神様 の石にちがいない。」
男は,さっきまでは何度も投げ捨てていた石を,今度は大事にふところに入れて家に持ち帰りました。そして,家族といっしょに,その石を大切にまつりました。
するとどうでしょう。男とその家族には,その日からよいことばかりが続いたということです。
赤土で有名な三方原は,見わたす限り、すすきやはぎがしげっている野原でした。そんな野原に,浜松の街へつながる一本の道がありました。
ある日のことです。この道を,一人の男が歩いていました。どこまでも,どこまでも続く野原を,男は急ぎ足で歩いていました。その時です。男の足のうらに,何かコツンと物が当たりました。
「あっ,痛い。」
とさけび,わらじをぬいでみると,小石がはさまっていました。
「やれやれ,先は長いというのに。小石がはさまるなんて,運が悪いことだ。」
と,小石をぽいと投げ捨て,すたすたと歩き出した。しばらく歩くと,また,足のうらに何かがささりました。
「あっ,痛い。」
とさけび,足を見ると,また石がはさまっていました。
「2回も石がはさまるなんて。ますます運が悪い。」
とつぶやきながら,男はわらじから小石を抜き取りました。投げ捨てようと手にとした小石を見ると,なんとさっき投げ捨てたはずの小石にそっくりです。そんな馬鹿なと思いつつ,もう二度とはさまらないように思いっきり遠くへ小石を投げ捨てました。
今度は,二,三歩歩いただけで,また,小石がはさまりました。ただ,よく見ると,前よりも大きくなっている気がします。その後も,男が石を投げ捨てて歩くたびに石が足のうらにささりました。おまけに小石は少しずつ大きくなり,とうとう大人のこぶしほどになりました。
「不思議な石があるものだ。投げるたびにどんどん大きくなるなんて。きっと神様 の石にちがいない。」
男は,さっきまでは何度も投げ捨てていた石を,今度は大事にふところに入れて家に持ち帰りました。そして,家族といっしょに,その石を大切にまつりました。
するとどうでしょう。男とその家族には,その日からよいことばかりが続いたということです。