虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

映画「夜明け前」

2006-05-07 | 日記
映画「夜明け前」(ビデオ)を見た。
監督吉村公三郎。脚本新藤兼人、青山半蔵に滝沢修、半蔵の娘お粂に乙羽信子。
1953年(昭和28年)の作品。白黒。2時間半近い。

もちろん、おもしろくはない。原作も退屈な叙述が続き、おもしろくないのだけど、幕末維新を木曽の平田国学好きの草莽を通して描くという歴史のとらえかたがやはり今でもユニークで、そうした興味で最後まで見た。

冒頭も、映画の本編の中でも木曽節(きそーのーなーなかのりさん)が謡われるが、これが好きだ。

もうずっと前、20年以上も前だけど、木曽福島に実家がある友人がいて、お盆にその木曽福島の友人の家に1泊させてもらったことがある。夜になると、聞こえてくるのです。木曽節が。町の通りへ出ると、村の人たちが(30人くらいか)まるく輪になって、静かにゆっくり踊っているのです。暗い山に囲まれた中で聞く木曽節、よかったです。あんなにゆっくりと歌うんだ、と思いました。

木曽福島の友人は少し固すぎるくらいの真面目な人だったけど、半蔵もそうだった。山の人というのは真面目になるのかもしれないな。山に囲まれた土地の夜の静かさ、暗さというのはちょっと神秘的な気持ちにさせられます。