らんかみち

童話から老話まで

倹約は健康の薬膳なり

2011年12月11日 | 酒、食
 某倹約家から「大根の皮や葉を捨てるとは笑止なりぃ」と説教を食らったので、大根葉をゆでてから細かく切り、皮も細かく刻んでから炒めてみた。タンパク質系が無いと味が平板になる気がしたので釜揚げシラスを投入。風味に欠けるのを心配して花鰹をパラパラ。醤油以外の味付けを思いつかなかったので、ヒゲタ醤油の「本膳」を奢ってフィニッシュ。

 さっきまでシンクの隅に放置していた材料でこしらえたので恐る恐る食ってみたが、おおこれは! あくまでもしんなりとした大根葉の中に、シャキシャキ感もフレッシュな白い皮。釜揚げシラスの香りと花鰹が奇妙にマッチし、通奏低音のような醤油の香ばしさの上に旨味の旋律が踊る。
 全ての分量が黄金比を保ちつつ展開した偶然の産物であろうことは疑いようもないが、大根そのものより美味いじゃないか!

 フライパンから皿に移してふと気がつくと、母がご飯の上にふりかけて完食してしまっている。そうか、骨粗鬆症を防ごうと無理矢理カルシウムを食べさせなくても、こんなリーズナブルな食材で間に合うのか。
 高価な食材を使わずとも、高度なテクニックを駆使しなくとも、発想を柔軟にするだけで世界は広がるのだ。ここで養生訓をひとつ、倹約は健康の薬膳なり。

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