らんかみち

童話から老話まで

みどりの壁なら、ちょいと言いたいことがある

2010年04月17日 | クラシック音楽
 こら朝日新聞、みどりの壁 - goo 映画に言及したんなら、BGMも紹介せんかい! BGMが今回のテーマではなく、「コンドルは飛んでいく」に焦点を当てているんだから仕方ないか。
 今朝のbe面、うたの旅人は「サイモンとガーファンクルが歌って有名になったあの曲はペルーの民謡だと思っているかもしれないけど、ちゃんと作曲した人がいるんだよ」って話でした。
 
 なぜ「みどりの壁」かっていうと、ていうか、なぜ「緑の壁」と漢字で書かないのか、ちょっと不思議。それはともかく、舞台はペルーの首都リマ近くのジャングルを開拓する若夫婦と幼い息子の三人家族の物語です。
 荒筋はgoo映画を読んでいただくとして、クライマックスのところだけかいつまんで言います。

 男の子が一人ぼっちで遊んでいて毒蛇にかまれ、母親は大慌てで息子をリマの病院に連れて行くのですが、折悪しく大統領が来ていて乗せてもらったトラックは立ち往生。
 なんとか病院に到着したものの、血清を保管する金庫の鍵を院長が持ったまま大統領の歓迎会に出席している。院長を連れ帰ったときにはもう手遅れで、町で合流した夫と二人で息子の遺体をカヌーに乗せ、川を下ってジャングルに帰る。
 
 さてここからがタイトル「みどりの壁」の所以です。
 幼い子が亡くなったといううわさを聞いた町の子どもたちが、カヌーに乗って集まってくる。その数はどんどん増え、棺を載せた夫婦のカヌーを取り囲む。
 川の両岸には青々と葉を茂らせた並木が、まるで緑の壁のようどこまでも続いている。木漏れ日がカヌーに落ち、キラキラと輝く水面をカヌーの葬列はしめやかに進んでいく。
 
 この美しい風景を見ることのかなわぬまま命を落とした少年の儚さを、バッハの至福のコラール(賛美歌)が癒すどころか、むしろ際立たせるんですね。
 
目覚めよと呼ぶ声あり
Sleepers, Awake! (Cantata No. 140)


 賛美歌ですから4声体、つまり4つの旋律が重なってます。複雑なだけに何度聞いても新しい旋律が聞こえてきて、飽きることがありません。これがバッハの魅力なんですが、ぼくに聞こえるのは3声までで、4つ同時には聞こえないんです。ここらへんボクの壁ですかね。映画のサントラもギターのデュオだったと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿