らんかみち

童話から老話まで

イタドリ料理、イタリアン風

2010年04月13日 | 酒、食
 ユダヤ人とパレスチナ人ほどではないにしろ、愛媛県人と高知県人もなぜだか仲がよろしくない。お遍路さんに姿を変えて歩いても、それは腑に落ちます。たとえば、県境で隔てられた隣町同士でありながら、愛媛側の町は松山市を向いて暮らしているし、高知側の町は高知市を向いて暮らしている印象を受けるのです。
 
 高知と愛媛の食生活もメリハリがつきます。質素な民宿の料理が続く高知から愛媛に入った途端、うって変わり豪華な食事にありつくことができます。といって、高知の食事に対してケチをつけようってんじゃなく、単に食文化が異なっていると言いたいだけです。毎晩のようにカツオのたたきを出された高知から愛媛に入ると、カツオのカの字も見かけなくなるのも不思議。
 
 ぼくが愛媛県人だからといって、本日の日記は高知県人に喧嘩を売りたいのではありません。高知県人にあやかってイタドリを料理してみたんです。
 愛媛ではほとんど食べないのですが、高知県人はこれが大好き。南国高知でイタドリを採り尽くすや愛媛に越境して採り始めるのですが、その姿を愛媛県人は快く見ないのです。。
 
 野に生えている草なんだから、わざわざ高知県から来て草引きしてくれているのだ、と思えばありがたいはずですが、草引きも嬉々としてされた日にゃ、どことなく損した気分になるんでしょうか。
 面倒な仕事を嫌いな部下に押し付け、ざまあ見ろと思っていたところ、可愛い女子社員と部下が一緒にデレデレと残業をしている。そんなの目撃したら穏やかでおれないのと同じ心理かもしれません。
 
 では妬ける上司はどうすりゃいいのか。部下を仕事から開放してやれば済むことですが、せっかく押し付けたのだから台無しにできますかいな。こうなったら自分も残業の輪に加わり、「さっさと仕事を片付けて飲みに行こうじゃないか」などと、親切めかして二人の仲に割って入りたくなっても同情を禁じえません。
 こういった、よんどころない事情によりぼくもイタドリ(当地ではハイタネ)料理に精を出してみるわけですが、本日はイタメシ風にしてみました。
 レシピを見て、どの辺がイタリアンやねん! と噛み付かれても怖いので、オリーブオイルを使った辺りぃ、などとワクチンの接種を試みておきます。
 まずはイタドリの皮をむきますが、チュルチュル~と上手くむけたら爽快ですよ。ただ上手くいかないと精神衛生によろしくないので、そんな場合はピーラーでも使ってください。
 
 皮がむけたら5、6cmの長さにカットしますが、今回は早くアクを抜きたかったので茹でる前に割ってしまいました。たっぷりのお湯を沸騰させ、割ったイタドリを投入したら10秒程度で上げてください。長く茹でて良いことは一つもないです。
 茹で上がったものを冷水に漬けてアクを抜きますが、赤く色付いたものであればアクの抜けていく過程を目の当たりにできるでしょう。水道の蛇口から細く水をたらせ、全体が萌黄色に変わってすっぱ味が抜けたらOKとしますが、水を換えながらの漬け置きしたら2時間くらい要してしまいました。
 
 シャキシャキ感が身上の食材ですので、オリーブオイルを引いたフライパンでさっと炒めます。味付けは低塩明太子のみで、塩や胡椒も使いません。トッピングにはエシャロット(島らっきょう)の細切りを奢ってバジルをちりばめました。
 イタリアンと謳ったからには白ワインだろうと……がしかし、日本酒の方が合うかも。そりゃそうだ、どこから見たって和の食材ですもんね。

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2 コメント

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たしっぽ (愛媛在住)
2010-04-24 05:30:17
イタドリ検索して辿り着きました。他人のブログなど読むのは皆無ですが、文章が面白くてコメントです。失礼しました♪
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タシッポは知りませんでした (HAL)
2010-04-24 11:15:56
愛媛在住さま、いらっしゃいませ
「たしっぽ」ですか、その名ははじめて聞きました
こちらは旧越智郡と呼ばれる地域で、お隣は広島県ですが、子どものころはスカンポと呼ぶのが普通でした
広島ではどう呼ぶのか知りませんが、タシッポもスカンポも、手折ったときの音感がそのまま名前になったんでしょうかね

イタドリのシャキシャキ感と似た食材を他に思いつきませんし、エシャロットの食感も他に思いつかないんです
エシャロットはそのままかじっても良いですが、刻んで噛むとシャーベットのような食感を味わえます
まるでプチプチをつぶすような爽快感が、イタドリの上に乗せると倍加するようで、年寄りでもこの喜びを体験できるようです
コメントをありがとうございました。


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