らんかみち

童話から老話まで

ハードコアからハードボイルドに

2015年06月26日 | 暮らしの落とし穴
「hard boiled」といえば、英語の固くゆでたという形容詞が転じて、冷徹な文体の小説などをも形容するようになったとか。
「hard core」とは、コンクリートの心材に使う砂利などの不可算名詞が転じて、核心、そのものズバリということで露骨なポルノを形容するようになったとか。ぼくも筋肉にハードコアを持っているので、半年ぶりくらいで揉みイストの門を叩いた。

「あんた、右の首と左の首の形が全然違うじゃない!」
 ベッドに横になって首から揉みながら揉みイストがおっしゃるのも当然で、自分でマッサージしていたら、この一月で右首の凝った筋肉がハードボイルドくらいに軟らかくなり、ガチガチに収縮していた筋肉がふっくらしてきたからね。
 それでも、ようやくハードコアに到達できるようになったという段階に過ぎず、この鉱脈を掘り尽くさないと真の快癒は期待できない。

 そういった理由で、辛くはなかったけど揉んでもらったら、1時間半後には、この程度の按摩で今まで満足していたのかと驚いた。いや、満足していたわけじゃないけど、モミ爺とか整体とかに比べたらベターなんだと不満じゃなかった。

 自分で揉むようになって分かったのは、どんな優れた按摩さんでも限られた時間で他人の凝りの核心に触れるのは容易なことじゃないということ。一度や二度ではなく、三日にあげず通って一月ほどしてこそハードボイルドからハードコアに到達できるんじゃなかろうか。そこまで凝りを溜めてしまったんだねぇ。