らんかみち

童話から老話まで

ゴーヤチャンプルーの幻影

2014年07月30日 | 暮らしの落とし穴
           

「おたくのゴーヤはなかなか大きくならないね」と、宅配に来たおばちゃんが宣う。さもありなん、金魚の餌が肥料では光合成もままならんのだろう。がしかし、それをおばちゃんに悟られて辱めを受けるわけにはいかない。

                 

「うちのゴーヤはあんたの好きにして良いから、あんた自身の愛情で育てたらどうかね。たとえば、帰り際に一声エールを送るとかさ」といったら、本当に声をかけていた。
「早く肥えてわたしの胃袋に入ってよ、待ってるからね。シャーコ、シャーコ」
 最後の「シャーコ、シャーコ」が包丁を研ぐオノマトペであることは想像に難くない。

 そんなわけで、ゴーヤは他人様にいただいたんだけど、同時に賞味期限切れのベーコンも添えてくださった。真空パックのベーコンなんて賞味期限切れだったとしても喜んでいただく。しかも冷凍されていたものだから、中国で売るにはなんら差し支えない。

 ということで今夜はゴーヤチャンプルー。母の子どものころにはレイシと呼ばれて食べていたというが、ぼくには記憶がないなぁ。
 それはそれとして、ぼくがゴーヤチャンプルーの味付けに使っているのは写真のメーカーのもの。市販のものを使ってもみたし自分でも色々と試してはみたけど、これを超えることができない。
 どうでも良いことだけど、食い物に逃避してみた。