らんかみち

童話から老話まで

無料講演会の裏を読んでみると

2012年10月16日 | 暮らしの落とし穴
「経済ジャーナリストである須田慎一郎さんの講演を聞きに行きませんか」とお誘いがあった。先日知り合ったばかりの同年代のおじさんなのだが、間際になって打診があったということは、ドタキャンを食らったのだろうか。
 なんにしても、この手の講演会の誘いをしてくる人は今までにいなかったので、まずはお付き合いしてみた、という次第。

 講演の内容は、「政治の動きを見ないで経済を予測することはできない」というものだった。当たり前といっちゃ当たり前だけど、「経済紙はここのところが分かっていない」って、先生も経済紙で活躍なさってたんでしょ? 
 こういう講演会を聞いて思うのは、まず先に新聞をこき下ろすのはなぜか、ということ。新聞をこき下ろしていながら、数字の引用は新聞からだったりする。須田先生も例外じゃなかったけど、話はとても面白かった。

 話が面白かったというより、上手だったというべきかもしれない。内容は新聞に書いてあることの補足というか復習というか、いうなれば新聞を読むための参考書、とでもいった分かりやすさだった。
 そりゃそうだ、こんな田舎で経済のコアな話をされた日にゃ、ちんぷんかんぷんで全員が眠りに落ちてしまうだろう。ぼくらには丁度良いレベルの講演だった、というよりも、聴衆のレベルに合わせてその場で内容を決めたのかも知れない。

 クラシック音楽のコンサートを良く聴くんだけど、人気の演奏家ともなると、会場の雰囲気に合わせて演奏するという。子どもの教育のためということで、母親と子ども連れが多い場合は親しみやすい演奏を。通ぶった連中が待ち構えているなら、それなりに。専門家や評論家が集っているなら大向こう受けしそうな演奏を心がけている、ということのようだ。

 さて今日の講演の要旨はというと、次の選挙では自民党に投票しなさい、とはおっしゃらなかったけど、そういう印象しか残らなかった。講演のタイトルは「政治・経済の裏を読む」だったけど、裏を読むならそういうことなんだろう。
 最近はこういった無料講演会に良く誘われるように思うんだけど、気のせいだろうか。