らんかみち

童話から老話まで

アーティチョークを探して島を一周

2012年10月02日 | 酒、食
 会う人ごとにアーティチョークの話をすると、「あの人を訪ねてみたら?」とか、「私も作っているけど観賞用だと思う」などと、「あの人は今」みたいに情報が寄せられる。ついには「バラ祭りで食べたことがあるよ」と核心に近づいたのだが、その方はなんと、いつも会議で会うお婆ちゃん(推定80歳)だった。

 彼女(ハーブバーバ)は去年から知っていたし、彼女のハーブソルトは販売されていてぼくも愛用している。先日のピザ講習会でもレモンバーム、レモンバーベナ、レモングラスをミックスしたハーブティーをいただいた。いつかの会議ではカモミールティーをご馳走になったことがある。そんなハーブ専門家の彼女なら間違いない、突撃取材だ、とばかりにつてを頼って家を探して訪問した。

 結論から言うとハーブバーバのアーティチョークは猪の被害に遭って全滅していた。「もう少し前でしたら種をお分けできましたのに、残念です」と、ハーブ畑に案内して下さって、その惨状を目の当たりにした。
「でも私より熱心に作付けている方がいらして、その方をお訪ねなさったらいかがでしょう」と教えてくれたのがなんと、先日アーティチョークの種を勝手に持って行けとおっしゃった方だった。つまるところ、アーティチョークを訪ねて島を一巡した格好ですな。

 それぞれ訪ねてみて分かったことは、アーティチョークを作っている人はみんなIターンかUターン組だということ。ハーブバーバも都会で長く暮らし、定年を機に島へ戻ったのだとか。保守的な土地柄なので、新しい食材などそう簡単に受け入れられるはずがないと思っていたけど、やっぱりか。
 いくら保守的でも、美味しいものは受け入れられる。島のお婆ちゃんたちだってピザは大好きなのだ。アーティチョークだって美味しいはずなんだけど日本の気候風土に合わないんだろうか、やってみるまでは納得できない。