らんかみち

童話から老話まで

やけ酒呑もうと思っていたら干物が

2009年12月12日 | 酒、食
 下の姉から干物の詰め合わせが送られてきました。遠くは広島や岡山からも釣り人が来るという魚どころに干物を送るなんて、上のお姉さんといい漁師のHALさんも気の毒に、と同情して下さる向きもあろうかと思いますが、下の姉は上の姉と違って宇宙に行って金星人と会うような人じゃないので、実はこれ正解なのです。
 
 確かに釣り人は県外からもやって来るし、ぼくも魚は釣るけど、当地で干物を売っている魚屋をぼくは知りません。そりゃスーパーに行けば売っているし、近所の人たちだって自分で釣った魚を開き、海水に漬けて一夜干とかにするんです。だから干物が嫌いなわけじゃなく、刺身でいただいた余りを干物にしておくか、といった感覚なのかも。干物の美味しさを知らないというのではなく、何はともあれ刺身、次に煮付け、釣れ過ぎたら干物という図式でしょうか。
 
 漁師町に行けば魚屋さんが自分で干物にしたのを店頭に並べていますが、この島で魚屋さんを探すのは、あるにはあるけどっていう程度。魚を買うのはもっぱら行商人を当てにしていて、そういう行商人たちは売り歩くのに忙しく、魚を開いて干しているひまがないのでしょう。それに手間ひまのかかる割にはスーパーの価格に対抗出来ないだろうし。(お祖父ちゃんが釣ったのをお祖母ちゃんがさばいた自家干物を売りに来る行商人もいる)
 
 いつだったか、和歌山の魚屋さんで朝干したばかりのアイゴを買ったことがありますが、そりゃ旨かった。初めて食べたら癖が強くて拒絶反応が出る人がいるかもしれませんが、二度三度食べていると独特の匂いにも慣れるでしょう。というくらいなので消費地以外の市場には出ないかも。
 当地でもこの魚は獲れると書いてあるけど、見かけたことがないし釣った話も聞かない。藻場を食い荒らす厄介者らしいからせっせと食べてやりたいが、ヒレに毒があって臭ければこの辺の人は食わんよなぁ。ともあれ、椎間板ヘルニアと診断されて飲む自棄酒の肴に、送られてきた干物はうってつけ。