らんかみち

童話から老話まで

窯入れはナンクロみたいなパズル

2009年04月17日 | 暮らしの落とし穴
 幸運にも窯入れの日に天候が回復して、桜の花びらが舞い散る中で作品に釉薬をかけました。皆さん慣れているんで、てきぱきと片付けていくんですが、釉薬というのは液体のときの色と焼成後の色が一致しない。焼き上がりを想像しようにも、一度やっただけのぼくには無理。どんな色になるのか聞いてみても「綺麗になるよ」では分かりません。
 
 本焼の窯入れは、釉薬が溶けて隣の作品とくっついてしまわないように間隔をあけます。素焼きならひっくり返して置いても問題ないけど本焼ではそれもできないので、あ~でもないこうでもないと、ナンクロみたいな困難が伴います。この窯になんとか全作品を詰め込めたのは、素焼きで一枚のお皿が割れてしまってスペースができたからでした。
 
 窯出しの儀が楽しみですが、前回焼いた10個ほどの作品で、良いなと思ったのはたったの1個だけ。その作品だけは、「処女作を超えるのは案外難しいよ」といわれたのでとってありますが、他はだれかにあげたり持っていかれたりして散逸の憂き目にあっております。只だと思ったらみんな気安く持って行ってくださるのは、ありがたいことなんでしょうね。「こんなの只でもいらん」なんていわれたら立つ瀬が無いもん。