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ぽかぽか春庭 「近代の日本画 in 五島美術館」

2024-06-16 00:00:01 | エッセイ、コラム

20240616
ぽかぽか春アート散歩>2024アート散歩6月(2)近代の日本画 in 五島美術館

 6月15日、久しぶりに五島美術館へ。ぐるっとパス利用。館蔵近代日本画の展示と館蔵古文書の展示。
 私立美術館は、明治以来のお金持ちの収集がもとになっている館が多い。明治以後に急成長したお金持ち、五島美術館も東急の総帥五島慶太のコレクションをもとにしています。五島慶太といえば、GOTOをももじった強盗慶太といわれたほどの剛腕経営でならしたし、大倉集古館の大倉喜八郎は武器商人として戦争のたびに大もうけした財産を美術品収集に当てたので、どうしても私の見方は、「貧乏人を泣かして大もうけした成金は、財産を社会に還元すべし」です。できれば無料公開してほしいけれど。今回もぐるっとパスだから見にきたけれど、1100円払うなら見なかったかも。あまり心に響く近代日本画はなかった展示。花鳥画というと、お金持ちが床の間に飾ってなんぼ、という感じ。いつもひとまわりする庭園では、両腕くわれて腕をぼりぼりかきながら帰宅。

 今回は、五島家のななめ前にある大敷地を占める「田中家」に興味津々で、帰りに広大な敷地を確認しながら上野毛駅へ向かいました。田中家は上野毛台地の旧名主の家ということがわかりました。今は世田谷区立になっている自然公園なども、田中家の敷地だったとのこと。田中家文書という古文書もいろいろあるらしい。
 強盗慶太とあだ名された新興大金持ちも、古くから名主として今も広大な敷地を手放さずにいる田中家も、とにかくお金と無縁の春庭には遠い人々。ああ、お知り合いだったらよかったのに。

  五島美術館の口上
 館蔵の近代日本画コレクションから、「花鳥画」を中心に、橋本雅邦、川端玉章、横山大観、川合玉堂、安田靫彦、前田青邨、川端龍子、金島桂華など、明治から昭和にかけての近代日本を代表する画家の作品約40点を選び展観します。大東急記念文庫創立75周年記念特集展示として、日本の古代から中世の歴史資料も同時公開。 
橋本雅邦「游鶴図」 

 金島佳華「富有柿」

 この柿が一番気に入ったかな。食べられそうなので。

 渡辺省亭


 四谷迎賓館の七宝焼き花鳥画の原画を担当した渡辺省亭は、ほとんどの作品が海外の美術館に流出し、また弟子をとらず同時代の画家の作品には手厳しい論を述べた省亭だったので、画壇受けはしなかったという人らしい。この展覧会に並ぶ画家たち。文化勲章を受章した功成り名遂げた画家がずらりと並ぶ「近代の日本画」の展示だったので、無冠の渡辺省亭の絵を好ましく思ってしまう、金持ちと名誉を得た画家を斜め下から見上げる春庭には、「ぐるっとパス利用じゃなく、1100円払っていたら不満に思っていたかも」という展示でした。
 古文書の展示も、研究者にとっては貴重なものだったのでしょうけれど、なにせ「読めないし」と、ななめに見て終わり。今回は私には気に入った作品を見いだせない展覧会でした。

 

<つづく>
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