紅白の幻想郷

過去は無限にやってくるわ。だから、今を楽しまなければ意味が無いじゃない。
千年でも万年でも、今の一瞬に敵う物は無いの。

思惑 ~The interplay of the trick

2011-03-07 19:56:07 | The "LUNA"shooter combat...
霊夢≪Hakurei1、Maidenより、先んじて戦っている同志達へ、私たちはあと10分程度で戦闘区域に到達するわ。それまで頑張って。≫

アテナ≪とは言っても、状況は厳しいねぇ…Eternal2!戦況は?≫

永琳≪Demon隊が右翼を制圧、現在GALM隊と共に魔女共と戦闘中。中央、左翼は先刻と大して変化はなし。ジャマー部隊からは先ほど通信が途絶えた。おそらく敵のホンボシでしょうね。≫

霊夢≪へぇ、あいつらのECMの方が、こっちより一枚上手だったってわけ?さっきから近づくにつれてレーダーが安定しなくなるのもこの所為ってことね。≫

永琳≪おかげでこっちは敵に包囲されてる形になったわねぇ…厄介厄介。≫

アテナ≪あなたのことだ、何もかも想定済みなんでしょう?≫

永琳≪うふふ…さあどうかしら?≫

****

魔理沙≪この霧をなんとかしないとまずいなぁ―おおっと!≫

美鈴≪はっはっは、どうした?あたしの姿が見えないだろう!≫

魔理沙(本当に見えないから苦戦してるっつーのっ!)

魔理沙≪暗号回線だ。敵には聞こえてないはず。Rainbow!聞こえてるか?≫

アリス≪TACネームで呼ばれるのも、悪くないわね。で、何?≫

魔理沙≪気づいてんだろ?パチュリーの事。≫

アリス≪ええ、戦闘を見てるだけで分かる。おそらくあいつは、動けない!≫

魔理沙≪こんな高度なECMだ、きっと機械だけじゃ説明できない。魔法でも使って効果を増強させているんだろう…≫

アリス≪その空域の地上にはいくつかグリモワールが置いてあってそれではじめてこんな長時間の魔力の行使が出来る…≫

魔理沙≪行けるか?≫

アリス≪もとよりそのつもり!≫

****

萃香≪Dolls1から暗号回線で指令が入った。あぁ、なるほどね…≫

勇儀≪何?どーしろって?≫

萃香≪GALM隊と、Magami!とりあえず、私の機動についてきな!≫

勇儀&GALM Team≪了解。≫

****

小悪魔≪感付いかれた?どうしますかパチュリー様?≫

パチュリー≪追いなさい、Devil。あとTACネームでお願いね。≫

小悪魔≪ですが、パチュリー様の護衛が私の任務…そう簡単にここを動く訳には…≫

パチュリー≪私が許可します。これも魔理沙への恩返し…それとあの人形遣いと雌雄を決する絶好の機会です≫

小悪魔≪了解。では御武運を!≫

****

萃香≪作戦成功。見事、小悪魔をひっぺかしたわね♪≫

永琳(鬼達の遊撃隊は順調ね。さて残り五分、そろそろかな?)

Razgriz1≪敵性戦闘機を二機確認。これより交戦する≫

永琳(ほい来た。作戦を第3段階に移行。私たちも動くか。)

永琳≪Princess、指示を!≫

輝夜≪了解。Eternal隊全機に告ぐ、我が隊はこれより西に移動。秋姉妹と不死鳥を助けに行くわよ!≫

Eternal Team≪了解。≫

輝夜≪良いの?あなただけ単独行動で?≫

永琳≪えぇ、調べなければならないことがあります。まだ舞台に上がってない子がいるわ≫

****

パチュリー≪……さてと、居るんでしょ?出できなさい、根暗人形遣い≫

アリス≪ごめんなさい。紫もやしは目も悪いって聞いたからばれてないと思ったわ≫

パチュリー≪では、今度こそ決着を!≫

アリス≪えぇ、もちろん!≫

パチュリー≪魔理沙は私のものよ!≫
アリス≪魔理沙はあたしのものなんだからぁっ!≫

****

―戦闘区域到達まで、あと三分―

―Continued...―

七曜の魔法使い ~Purple Sage

2011-03-06 00:57:29 | The "LUNA"shooter combat...
永琳≪今が好機、全軍攻撃せよ!≫

この瞬間、レティ率いるジャマー部隊のレーダー擬似破壊が完了。
果たして、上手くいくか…否か…。

文≪何!?、レーダーがいきなり?≫

椛≪文様!前!前!≫

萃香≪ジャマーくらいでそんなに驚かなくても。はい、隙が出来たわねっと≫

勇儀≪歯ごたえ無いわねぇ…ヒックッ≫

文≪―っ!?≫
ドーン

文≪あやややややyザザザザーブチッ≫

勇儀≪こちらDemon隊、右翼を制圧。遊撃に移行ね。≫

永琳(右翼制圧…流石に鬼さんは良い仕事してくれるわね。そろそろ大丈夫そうね…)

永琳≪Medium隊、離陸を許可します。どうか良き戦果を…≫

Medium隊≪了解。≫

****

小悪魔≪Purple Sage、敵がジャマーを展開しましたが、どう出ますか?≫

パチュリー≪心配しないで、devil。すでに手は打ってあります≫

****

レティ≪それにしても、永琳の別の指令も気になるわねぇ…≫

ミスティア≪あれって本気なの?ホント、あの人は何考えてるのかよくわかんないわ≫

リグル(あの永琳が嘘を言うとは考えられない…だとしたら…)

レティ≪前方に敵機、へぇ、どうやら永琳の予測に間違えは無いみたいね…≫

ミスティア≪うーん、悔しいけど、ここまでかな?…≫

リグル≪成程…これが永琳の指令の真意なのね。≫

レティ≪出来れば従いたくないのだけれど…せいぜい頑張って落ちるわよ

リグル&ミスティア≪了解。≫

****

鈴仙≪ひぇえっ!た、大変です師匠!ジャマーが消えました!嗚呼、レーダーがクリアに!≫

永琳≪へぇ、そう…意外と早かったわねぇ≫

鈴仙≪まぁ早いですよねぇ、はは…ってそうじゃなくてっ、貴重なジャマー部隊ですよ、どーするんですか!≫

永琳≪まぁ落ち着きなさい優曇華。Demon隊はGALM隊と合流。Razgriz隊、後方に敵が来るはずですから、足止めをお願いします。≫

Demon隊≪了解。≫

Razgriz1≪?、了解。≫

****

パチュリー≪ようこそ、GALM隊、Demon隊の皆様方…しかし、私よりも相手にすべき者の存在をお忘れでは…?≫

パチュリー≪レーダーを見れば分かるでしょう?ほら、クリアになってる。あなた達のジャマー部隊は一体どうなさったのやら…≫

萃香≪霧が、紅い…不快ね…酔いも覚めたわ。≫

勇儀≪敵の位置が分からなくなってる?わずかに確認できるのは今目の前に居るこの魔女どもだけ?≫

Cipher≪高度なECMだ…今まで経験したことが無いくらいの…≫

パチュリー≪やっと分かりましたか?これだけ高度故、構築にかなり時間がかかりましたが…これでお嬢様も存分に。≫

Pixy≪爆音が聞こえる…後ろで誰か落ちてるか?≫

萃香≪不穏な空気、八割まで力を引き上げるわよ、Magami≫

勇儀≪TACネームで呼ぶなんて珍しいわね。了解したわ、Lonely≫

****

シュルルルル―ドンッ

???≪嗚呼、まったくもって歯ごたえのない連中だわ。どいつもこいつも。≫

???≪ええ。まったくその通りですわ。お嬢様。≫

レミリア≪こんなに月も紅いのに、長い夜になりそうね≫

咲夜≪ええ、全く…出来れば早く終わらせたいものですが(苦笑≫

レミリア≪そんなこと言わないの、せっかくの夜なんだから♪行くわよ、Silver knife≫

咲夜≪了解しました。 Gungnir。我が身を賭して戦いましょう!≫

****

―戦闘区域到着まで、あと10分―

―Continued...―


紅い月 ~Red mist

2010-12-10 22:10:15 | The "LUNA"shooter combat...
季節はもう冬。
暗い瞑い夜。空高く見える月は、紅い。

既に戦闘は始まっている。
飛び交う無線は、時に戦士を鼓舞し、時に戦士を戦慄へと導く。

鈴仙≪Madness、交戦!≫
てゐ≪Suerte、交戦!≫

何度目かの交戦が始まる。

永琳≪GALM隊の交戦を確認。左翼担当、Schnee1、Fall wind隊、所定の位置へ移動せよ。有効射程距離まで、残り3分。≫

永琳≪そろそろね…Witch隊、Dolls隊、Medium隊、出撃許可。滑走路へ移動せよ。≫

そして、空へ。
私達Medium隊の任務は援護をしつつ本陣へ移動。吸血鬼とその従者を討つ事だ。

魔理沙≪アリス、お前が味方になってくれるとはな。こっちも久しぶりの空戦だ、腕が鈍ってるかもしれねぇ、援護頼んだぜ!≫

アリス≪分かってるわよ。それより、あたし達はMedium隊を護衛しなきゃ。≫

アテナ≪霊夢、言いたいことがある。…お前は一番機だ、俺の機体がスクラップにならない限り、絶対お前を堕とさせない。OK?≫

霊夢≪はぁ?そんなのいつもの事じゃない。あんたも絶対堕ちないでよね?約束よ?≫

アテナ≪あぁ、約束だ!≫

****

永琳≪警告、警告、前方に敵機。注意せよ≫

Pixy≪くそっなんて強さだ誘導の方が難しいぜ。≫

Cipher≪任務完了。これから私達は魔女さん達の相手になる。あとはよろしく頼んだよ黒白の魔法使いと人形師さん!≫

見えたのは黒をベースに無造作に紅をちりばめたSu-37

美鈴≪くそっ謀ったな!そこの黒白!また会ったな、正々堂々一騎打ちでかかってきなさい!≫

魔理沙≪乗った!最高の復帰戦だぜ♪≫

アリス≪バカ魔理沙―≫

魔理沙≪いいんだ、アリス、そこで待っててくれ。先日の借りを返しに行ってくるぜ!≫

美鈴≪意気良し、いざ、勝負!≫

****

文≪くっ、なかなかやりますね…流石は四天王殿、あとそこのうさぎ達もね。≫

椛≪Reporter、隊長、もう部隊は私達だけです。ここは私に任せて撤退を!≫

文≪いいえ。Silver Wolf。幻想郷の今の現状はもう把握しています。平定軍に加勢した方が良いでしょう。もうこれ以上遊んでいる訳でも無さそうですし(苦笑≫

文≪ですが、何にもしないで降るのはつまらない。ですよね?四天王のお二人さん!≫

萃香≪おうよ、望むところさ!≫

勇儀≪遠慮しないでかかってきな!兎共、これは山の妖怪の闘いだ。あんたらはお姫様の護衛に戻りな!≫

鈴仙&てゐ≪了解!≫

文≪一撃離脱、音速の一撃で敵を穿て!≫

こうして、勇ましき白をベースに黒で中央に矢印、尾翼に紅葉の描かれた二機のMiG-31は空を駆ける…

****

稔子≪くっ、後退後退、敵もなかなか強いわ!≫

Schnee 1≪イーブンだが、なんなんだあのコンビネーションは!≫

ルナサ≪気圧が…下がる…≫

メルラン≪何訳わかんない事言ってんのよ!一気に始末するわよ!Violinist、Pianist、良いわね?≫

ルナサ&メルラン≪了解。Trumpeter。≫

****

静葉≪Autumn leavesより、司令部へ。現在桜色をベースに片翼に黒、白、赤、それぞれのラインが入ったF-4Xと交戦中、正直ちょっときついかも…≫

永琳≪こちら司令部。貴女はHarvest、Schnee 1と共に指令があるまで回避に専念してください。≫

永琳(右翼と中央は拮抗…左翼は劣勢。やるなら…今か。)

永琳≪私達も出撃します!うさぎ達は合流を。≫

永琳≪そして、ジャマー部隊はジャマーを展開せよ!!≫

Jamming Team≪その命令、待ってました!!≫

レティ≪Snow Fairy、ジャマー展開!今夜はホワイトクリスマスよ!≫

リグル≪Firefly、ジャマー展開!冬の空を舞え我が蟲共!≫

ミスティア≪Night Sparrow、ジャマー展開!メリークリスマス、今宵はクリスマスライブよ!≫

永琳≪今が好機、全軍攻撃せよ!≫


―continued...―

決戦前夜! ~Briefing...

2010-11-30 23:42:23 | The "LUNA"shooter combat...
アリス≪ガガッ―聞こえる?こちらDolls1、London隊、応答せよ!≫

ロンドン人形≪てきしゅ、てきしゅ、こうげき、こうげき、ひだん、ひだんガガガッブチッ―≫

アリス「くっ、一体誰が?こっちは貴重な自立人形を使ってるっていうのに!」

永琳「おそらくScarlet隊でしょう。ついに動きましたか…うどんげ!」

鈴仙「はい、状況を確認!暗号が送られてきましたっ!解読します!」

鈴仙「解読完了!…『我ら空と夜を制する吸血鬼を討てるもの…無し!』とのことです」

飛び交うのは無線と罵声。
決戦も近いとあって、基地内は大騒ぎだ。
私は考えていた。これからすべきことを。そしてこの戦いの果てに何を得る事が出来るかということを…

霊夢「アテナ?」

アテナ「な、何だ?」

霊夢「どうしたの?そんな顔しちゃって。さっきから返事もしてくれないし…」

アテナ「すまない。考えごとにふけってしまったな。」

霊夢「永琳が緊急招集だって。さっさと行くわよ。」

アテナ「おう。」

****

永琳の表情はまったくの無表情。心なしかいつもより険しいように感じるのは状況が状況だからであろうか?
そう、考えを巡らせている内にブリーフィングは始まる。
当然ながら、自らを不死鳥と名乗るあの女の子とそれを支える賢人の姿はもうない…

永琳「皆さんにはこれから重要な事を話します。いいですね?」

永琳「まず、敵は紅魔館周辺を南北に広大な陣を敷いています。」

永琳「中央はあの中国娘。すこし置いて魔女とその従者。本陣は吸血鬼と人間の小娘…うむ。まぁ、まともに戦うと、消耗したところを討たれるでしょうね。」

永琳「さらに、右翼は天狗率いるWind隊。左翼には騒霊共が陣取っています。厄介なことに、不明勢力もちらほらと…」

Pixy「ヘイ、珍しくあんたにしては弱気だな。どうせあんたのことだ、何か策はうってあるんだろう?」

Cipher「俺も興味深いね。機体不調で今まで戦闘に参加出来なかった分全力で協力しますよ。」

永琳「えぇ、もちろん。GALM隊のお二人には陽動をお願いします。目的は中華娘と魔女を引きはがすこと。本陣の効率的な襲撃の為にお願いします。」

Cipher「了解しました。お任せを。」

霊夢「でも、まだ戦力差的に両翼は抑えられないんじゃないの?」

永琳「うふふ。今に分かります。みんな、入ってきて良いわよ。

アテナ&霊夢「―なっ!?」

入ってきたのは大勢の幻想郷の住人達。
みんな永琳さんが説得したらしい。

萃香「霊夢!わっちらDemon隊をよろしくなっ!」

レティ「はーい、番号!いちっ♪」

リグル「…に。」

ミスティア「さーん☆」

稔子「まったく、うるさいジャマー隊ね。」

静葉「前は敵同士だったけど、これからは味方として宜しくね♪」

ブレイズ「我らRazgriz隊も手伝わせてくれないか?」

霊夢「……みんな。ありがとう!」

永琳「んふっ、頑張ってあちこちまわった甲斐があったわ♪あなたも、隠れてないで出てきたら?魔理沙

魔理沙「おっと、バレちまっちゃあしょうがねぇ。霊夢、心配掛けて悪かったなぁ!」

霊夢「魔理沙!し、心配なんてしてないわよ。バカ魔理沙…」

永琳「…では、これから指令を出します。」

永琳「Schnee1、Fall wind隊、は左翼にてPhantom隊の相手を。Demon隊は右翼にて私の兎とWind隊の相手を。酒はあまり飲まないでくださいね?(笑)GALM隊は先程いった通り。Razgriz隊は遊撃を。ジャマー部隊は後方にてレーダーの破壊をお願いします。」

永琳「Witch隊は中華娘の相手を。そして…Medium隊。貴方達にはこの決戦の総仕上げ、吸血鬼とその従者を堕としてもらいます。」

永琳「各部隊各々の任務を全うするように。異論はありませんね?」

一同「Yhaaaaa!!!」

****

この作戦は絶対に上手くいく。そう感じた。
この仲間達となら越えられる。そう強く思った。
…そして、戦いの幕は切って落とされる。早く、残酷な時間と共に…

―continued...―

銀の策士 VS 金の策士 ~Silver arrow and King of the Golden

2010-11-23 11:23:24 | The "LUNA"shooter combat...
あれからさらに一カ月程経って、残念ながら状況は悪化の一途を辿っている。
先月頃に平定軍の指揮を執っていた八雲紫が堕とされ、私が指揮を執ることになってから、敵との戦力差が浮き彫りになってきた。
そして、つい先日にはWitch隊の魔理沙も堕ちた…
仲間の数に対して、片づけなきゃいけない問題が多過ぎる。
思えばあのMedium隊の二人のも相当な苦労をかけてしまっているとも思う。
今現在私が出撃している間にもスクランブル出撃の旨が届いた。
私の目から見ても彼女達がいつまで生き残れるかも時間の問題だと思う。

今私達Etelnar隊が居るのは幻想郷の端の空。
我々の二度目の出撃でもある今回の作戦は、このあたりの空域を巡回する外の国の戦闘機部隊を擁護又は撃墜せしめる事…

鈴仙≪我ら以外の機影を確認。これよりコンタクトをとります。≫

鈴仙≪…応答はネガティブ…ですか。師匠、指示をお願いします。≫

永琳≪戦闘は避けられませんか。まぁ、予想の範囲内です。各機ブリーフィングの通りです。良いですね?≫

輝夜&鈴仙&てゐ≪了解。≫

****

Gault1≪ゴルト1より各機。状況を開始する。奴らの好きな殺し合いで正義を決める。≫

Gault2≪敵は四機。目視で確認できるのは二機だけか…ECMって説は無いですか?≫

Gault1≪ダミーかどうかは実際に見てから判断するものだ。各機油断するなよ。≫

Gault Team≪了解。≫



見えてきたのはSu-47の八機編成。

永琳(Su-47といえばあの魔女の機体と同じか…なるほど、まずは散開して様子見ね、なかなか良い判断だわ。)

永琳(問題はあの八機を出来る限り密集させること…やっぱりツーマンセルで一機ずつしとめる姿勢を見せれば奴らも動くか?ま、問題は時間ね…)

永琳≪鈴仙!そっちの現在位置は?≫

鈴仙≪現在4時の方向、高度20000フィートを標準速度で移動中。おそらく博霊神社上空だと思われます。こちらは問題ありません。≫

永琳≪報告ありがとう鈴仙。首尾よくお願いね。≫

永琳(大体15分くらいか…よし!)

永琳≪Princess!私の機動についてきなさい!≫

****

Gault2≪散開中のゴルト5、8が撃墜されました。奴らはおそらくツーマンセルで行動してると思われますが、どうしますか?≫

Gault1(なるほど、ツーマンセルか…なかなか敵も頭が良い。だが数量的にも機体性能的にもこちらが上だ。なれば…)

Gault1≪全機、私の機動についてきなさい!慢心するな、全力を賭して奴に挑め!≫

Gault Team≪了解!≫

永琳(―!、敵が動いた!計算通りね。あとは所定の位置に誘導するのみ!)

永琳≪Medicineより、全機へ、秒読みカウントダウンを開始します。≫

永琳≪30…29…28…27…26…25≫

Gault1(敵に追いつけない。流石はイーグルだ。しかし逃げる理由は無かったはず…まさか、これは…誘導!?)

永琳≪5…4…3…2…投下、今!!

鈴仙≪ありったけの爆薬を全て落とせ、行くわよてゐ!!≫

てゐ≪きゃはは、最高ね、流石永琳♪≫
ヒュルルルルル…

永琳≪姫様、機体がバランスを崩すほど減速して下さい。死にますよ。≫

輝夜≪???、了解≫

Gault2≪敵が高度を下げていきます、これはなんだ?≫

Gault6≪ぐわぁぁあぁ、メイデイ、メイd―ザザッブチッ≫

Gault4≪うわぁ、何かが、何かが着弾した!!お、堕ちる!≫

Gault2≪各機との交戦が途絶えた、一体何g―ザザザザザッ、ブチッ≫

Gault1≪くそ、機動が遅れた味方は全滅か…一体何が起こった!?≫

永琳≪流石、場数を踏んでる奴は生き残ってるわね。何が起こったのか知りたい?≫

Gault1≪貴女は一体何者だ?早く止めを刺すがいい。≫

永琳≪あなた方が喰らったのはSFFSよ。≫

Gault1≪馬鹿な!そんなことあるわけ―≫

永琳≪その通り、本来SFFSは空中戦で使う代物ではない。だが、十分すぎる高度で空中分解すれば広範囲の空域を制圧する鉄の雨となる。あなたの部隊は非常に動きに無駄が無い。良い部隊だ。だけどそれ故、密集すれば良く当たる。≫

Gault1≪なるほど。残りの二機が投下担当で貴殿らは誘導担当か…ツーマンセルもその為だったのか…≫

永琳≪貴方は人間にしてはかなり頭が良い、久しぶりに良い知恵比べが出来たわ。ありがとう。そして、さよなら≫

Gault1≪嗚呼、出来れば貴女とは机の上で論戦をしたかったよ…出会いと言うのは残酷なものだな。最期にして良い経験ができた。ありがとう…≫

****

鈴仙≪敵の殲滅を確認。師匠の策略が無かったら難しかったでしょうね。≫

永琳≪ええ。久しぶりの好敵手だったわ…≫

鈴仙≪はい!あとMedium隊からの連絡で、つい先ほどSplit隊を撃退したとのことです。≫

てゐ≪あっちも上手くやってるっぽいね♪≫

輝夜≪そんなことより早く帰るわよ、疲れちゃったわ≫

永琳≪ええ。Etelnar全機、帰還せよ!≫

輝夜&鈴仙&てゐ≪了解!≫


外伝 完。

蒼紅の護り神 ~Guardian of the moon

2010-11-19 18:47:09 | The "LUNA"shooter combat...
私の名前は八意永琳。
今現在、委細あってここ、"空"に居る。
事の発端は数か月前…

****

永琳「今、なんて仰いましたか?」

輝夜「幻想郷の連中が弾幕ごっことは趣旨が異なるものに興じているらしいから、私もやってみたいなぁって…それがどうかした?」

永琳「姫様…それは、ちょっと危ないんじゃないかと…(汗」

輝夜「いつまでしらばっくれるつもりかしら?その新しい戦闘って、あまり単純な問題じゃないんでしょ?」

永琳「くっ…、それは…」

輝夜「聞くところによると結界に綻びが出て、外の一定の高度からはこっちの世界に入りやすくなっている…とか?」

永琳「その通りです輝夜様。流石ですね。実は、もう外の世界の者どもはここに入ってきている模様…忌々しき事態ですね…」

輝夜「なら、断る理由も無いんじゃない?うさぎ達も聞き耳を立ててるみたいだし。」

てゐ「えへっ、ばれちゃったね(苦笑」

鈴仙「申し訳ありませんお二人方、師匠、私達はお二人方に付いていきます。ご判断を!!」

永琳「分かりました。確か、あの胡散臭い妖怪がもう動いているようですから、そこを訪ねてみましょう。」

****

今思えば、その判断が正しかったのかどうかは正直分からない。
まさかここまで事が大きくなるとは私にも想定外だった。
結界の綻びも大きくなり、入り込んでくる外の世界のパイロット達もしだいに増えていき、どうやら外の一人のパイロットと霊夢、紫などが共闘して、外の者共に対抗する為に幻想郷の平定に乗り出しているらしい。
今思えば平定軍に参加するか否かで、慎重になってしまったのはあまりよくなかったのかもしれない。
後悔する間もなく、戦火は私達にも飛び火した…

****

妹紅≪ったく、お前らと合流した瞬間すぐこれだ!!レッドアラートが鳴り響いてるぜ畜生!!≫

慧音≪遂に私達も戦闘に巻き込まれたわね。敵の数はどれくらい?≫

鈴仙≪…嘘でしょ!?一度にこんな数相手にできるわけ…これってまさか…師匠!≫

永琳(罠か…いつから私達の存在がばれた?にしてもこの数、確かに相手にできない…、せめて、何かきっかけがあれば…。)

鈴仙≪元より覚悟はできていますよ…師匠。≫

永琳≪貴女……恩に切ります。必ず生きて帰ってくるのですよ。≫

てゐ≪ちょっと待ってっ、…その、これじゃあうどんげばっか目立っちゃうじゃない…あ、あたしもうどんげと一緒に行くっ!!≫

鈴仙≪てゐ…ありがとう。≫

永琳≪Madness、suerte、展開!!後ろに纏わりつく愚者どもを薙ぎ払え!!≫

鈴仙&てゐ≪了解!!≫

それから、勇敢な3番機と4番機からの通信が途絶えたのは数分後。

この分だと追いつかれる。せめて姫様だけでも。
私は慧音と二人、囮になった...
敵は目視だけで十数機、戦力差は言わなくても分かるだろう。
一機キル...二機キル...。
一体何発機銃を浴びたのか分からない。
元来囮役、姫様が安全ならばそれで良い、再び地上へと堕ちる事を覚悟していた時私は耳を疑った。

輝夜≪永琳!!≫

確かに聞こえた。私が終生仕えると誓った、愛しき主人の声だ。

輝夜≪永琳。もうあなただけに、重き荷を背負わせない。地上でもこの空でも、いつでもあなたと一緒よ。≫

…嬉しかった。ただそれだけ。

戦況はMedium、Witch両隊の助力もあり逆転し、辛くも生き延びた。

****

輝夜「疲れたわ…初陣はあんまり良い思い出じゃないわねぇ(苦笑」

永琳「まぁまぁ、事態は思った以上に深刻です。その…」

輝夜「私についてきなさい!、これで良いんでしょ♪」

永琳「見直しました。流石、私が見込んだだけありますね♪」

輝夜「もう、そんなに褒めたら照れちゃうわ…あ、ほら、永琳、あそこ!」

見えたのは、肩車されながら満面の笑みで手を振っているてゐと、涙目になったうどんげ、二人とも泥だらけ。

そう、私達はもう二人じゃない。今は愉快な四人になった。

時間は残酷に過ぎていく。孤独の消えた今の一瞬が一番充実しているかもしれない。

永琳「今を楽しまなければ意味が無い…今の一瞬に敵う者は無い…か。」

輝夜「ん?何か言った?」

永琳「いいえ、なんでもありませんわ♪」


こんなみんななら何事も乗り越えられる。
その思いが露となって消えぬよう、私はまた戦う。輝夜様が望むのならば。

櫻花之戀塚 ~cherry blossom

2010-11-03 16:24:14 | The "LUNA"shooter combat...
幽々子≪あなたと勝負なんて、あの日の事を思い出すわね…≫

霊夢≪はぁ…、またあんたみたいな厄介者を相手にすると思うと憂鬱だわ…≫

幽々子≪厄介者っていい響きね♪≫

霊夢≪…花の下に還るがいいわ、春の亡霊!≫

幽々子≪花の下で眠るがいいわ、紅白の蝶!≫

****

アテナ≪霊夢、被害状況を知らせ。≫

霊夢≪敵の機銃を何発か…そっちもそのくらい?≫

アテナ≪あぁ。致命弾は無いにせよ、あまり喰らってられないな。≫

霊夢≪そうね。にしても、あいつは被弾無しなんて…≫

アテナ≪回避の上手さにチャフと来やがった。本当に厄介だな…≫

幽々子≪んふ♪チャフも舞い散る桜と思えば、これほど美しいものは無いんじゃない?≫

アテナ≪ふふ、面白い事を言ってくれますね。≫

霊夢≪まったく、緊張感の無い相棒ねぇ。ほら、来るわよ!≫

幽々子(ただ攻めても状況は変わらないわね。なら…)

霊夢≪右から来る。構えて!≫

アテナ≪了解。右へ旋回。≫

幽々子≪貴方達。何処を向いているの?≫

霊夢≪―!?。嘘でしょ?≫

アテナ≪ダミー…だと?≫

幽々子≪Cherry、FOX2。≫

アテナ≪こいつぁ、まずい…かな…?≫

着弾の覚悟をする最中も、放たれたミサイルは容赦無く背中に喰らいつく。
だが、そのミサイルが自機を屠る事は無く、白き尾を引くそれは、あさっての方向に飛んでいく。

アテナ≪ジャマー?一体誰が?≫

アリス≪永琳ってなんでこんなに戦況が読めるのかしら?こちらDolls隊のアリスよ、ジャマーの構築に時間がかかってしまって申し訳ないわ。≫

幽々子(ジャマー?アリスは敵になったのかしら?撤退しようかしら?目的は達成したし、何よりお腹減っちゃったし…)

幽々子(だけど、敵にもっと恐怖を与えておくのも悪くないわね♪)

幽々子≪あーあ、ジャマーが来ちゃったら、ちょっと厄介ねぇ…≫

霊夢≪これでイーブンでしょ?さ、覚悟しなさい!!≫

幽々子≪さぁて、それはどうかしら?ジャマーの元凶は、あそことあそこ…かしら?≫

幽々子≪Cherry、FOX1!≫

どーん

アリス≪そんな!?何で位置が知られてるの?ジャマーにはステレス機を使ってるはずなのに!!≫

幽々子≪ま、『乙女の勘』ってやつかしら?さて、そろそろ帰ろうかしら?お腹減っちゃったし。≫

霊夢≪あまりふざけないでよ、勝負はまだ…って言っても追いつけそうにないわね。≫

アテナ≪…ふぅ。まったくホッとするよ…≫

アリス≪まったくだわ。秘密裏に動かしたはずのジャマー部隊がいとも簡単に堕とされるなんて…≫

アテナ≪そう気に病むこと無いさ、今日も運良くまだ堕ちてないんだし。≫

アリス≪そうね、ありがとう。今日から幻想郷平定軍に加わったわ。その…魔理沙の事もあるし。これからよろしくね、Medium隊のお二人さん。≫


今日も運良く地面とキスせず、飛べている。その強運はいつまで続くか分からない。
流れ続ける時はあまりに早く、残酷である。
そして、徐々に決戦は近づいてゆく……

―continued...―

半人半霊 ~One Shot Kill !!

2010-10-26 22:19:24 | The "LUNA"shooter combat...
霊夢とのわだかまりもすっかり解消した直後、スクランブル発進で今俺達Medium隊は空に居る。どうやら、本当に俺達には休む暇は無いらしい(苦笑)

妹紅「畜生、ラッキーストライカーが切れた!!最悪だぜまったくもう!!」

慧音「煙草?あれはやめなさいって言ったでしょう。」

妹紅「いいじゃん、どうせ死なないんだし♪よっしゃ、さっさと終わらせて帰ろうぜ。なぁ、Medium隊のお二人さんよ!!」

霊夢「妹紅の言う通りね、こっちも早くお茶が飲みたいわ。」

アテナ「よし、その意気だ、敵さんもおいでなすった。」

???「天舞う蝶は美しく、月夜の桜もまた同じ。蝶も桜もそれ故儚く、人もまた…同じ―」

アテナ「ん?」

美しい詩と共に見えてきたのは、紺色をベースに、片翼には大きく桜の花びらが描かれた美しい機体。見たところ、あれはF-4E。ファントム、幽霊と呼ばれているあの機体はかなりの旧型機のはずだが、それにしては機動が優れているような気がする…そう考えている内に、詩は続く。

???「―だから舞おうこの空を、死期まで儚くも美しく―」

???「願わくば 桜の下にて 春死なむ その望月の如月の頃。…っあ、もう死んでるんだっけ?」

???「詩歌ってないで、戦いに集中してくださいよ。もう敵も近いですよ。」

???「まったくもう。妖夢は風流心が無いわねぇ。」

妖夢「はいはい。こちら、反乱軍第七航空師団、第零戦闘飛行隊、spirit隊よ、そっちの名を名乗りなさい!!」

霊夢「まったく、主人とは違って律儀ねぇ。こちらはMedium隊とPhoenix隊よ、これで良い?」

妖夢「む…まぁいいわ、行きますよ!!」

シュンッ―

Medium&Phoenix隊「―!!」

一同が言葉を失ったのは、彼女の機体が、信じられないほどの急加速をしたから。
あれは本当にファントムなのか?油断した!!場数を踏んだ俺と霊夢はすぐに散開出来たけど、Phoenix隊がまだ…

気付いた時には、彼女の機体はもう後ろに居た。

妖夢「獄神剣『業風神閃斬』」

ドドーン

慧音「くそっ、メイデイ、メイd―ザザザザーップツン」

まさに神速。一瞬にして俺達はまた二人だけになった。

霊夢「まったく、毎回、毎回、寮機の意味が無いじゃないの!!」

アテナ「あの機体の中身はまったく別物だ、相当チューニングされてるみたいだな…。そら、第二波が来るぞ、避けろ!!」

****

妖夢「くっ、なかなかやるじゃないの…」

霊夢「あんたも、ね」

妖夢「さぁ、もう一回ヘッドオンよ!!」

アテナ「霊夢。」

霊夢「オーライ。」

攻撃パターンは見切った。彼女は正々堂々すぎる。それこそ世に言うサムライのように。狙うは今、ヘッドオンだ。
だんだんお互いの距離が近づく…今だ!!

そう思った直後に相棒の機体だけ急降下、インメルマンターンですぐに後ろへ…

霊夢「ごめんね妖夢、あたしは貴方みたいなサムライにはなれないわ…」

妖夢「なっ、卑怯者!!」

ドーーン…

妖夢「みょーーんっ―ザザザッ、プチッ。」

アテナ「Nice kill!!」

霊夢「見事な連携だったわね♪」

幽々子「お見事。やるわね♪」

霊夢「あんたっ、今まで何処に!?」

幽々子「いや…ちょっと小腹が空いちゃって…てへっ♪」

アテナ「―!?」

まったく気付かなかった、もう一機いる事に。そもそも、レーダーに映っていなかった?何故、不意打ちすらしなかった?一瞬の間に疑問は山のように積もる。
ただ、私は無意識にこう口にしていた。

アテナ「霊夢…もうひとふんばりだ。」

霊夢「…了解。」

少し間を置いての返答。お互いに体が強張っている。

私は、この未知の相手が只者ではないと確信した。

―continued...―

幻想の夜明け ~Hearts thaw

2010-10-24 22:23:58 | The "LUNA"shooter combat...
長すぎる夜はもう明け、今私は基地で休憩している。
霊夢はすっかり意気消沈し、どうゆう言葉をかければいいのか分からない…
…扉の開く音。誰かが入ってきたようだ。

鈴仙「昨晩は本当に大変でしたね…。えっと、今魔理沙さんの部屋に入る許可を師匠からいただきました。こちらへどうぞ。」

無言で立ちあがる霊夢に私も付いて行く。

****

永琳「あら、これはMedium隊のお二人さん。魔理沙の事は心配しないで、命に別条は無いから。まったく…あんな所から落ちて生きてるなんて、羨ましいくらいの幸運ね。」

霊夢「はぁ…まったく…、気持ち良さそうに寝てるじゃないの…こっちはそんなに平和じゃ無いってのに…」

アテナ「ああ、まったくだ。敵は減らないし、味方は減るばかりだ…」

永琳「そんなに悲観しないで。私の指示に従えばノー・プロブレムよ♪」

霊夢「ごめん永琳…ちょっと席外してもらって良いかな…?」

永琳「…なるほど。ごめんなさいね。」

賢いだけでなく、勘も鋭い永琳は、すぐにどこかへ行ってしまった。
そして、霊夢と目があった。そしてすぐに彼女はうつむいてしまった。

霊夢「アテナ…さっきの事なんだけど…」

アテナ「ああ、分かってる。無理も無い。俺も最初はそうだった…」

霊夢「ごめん…あたし、怖くなっちゃって…。だから、あたし…。」

震えて言葉を紡ぐ彼女を手で制し私は一つ話をしてやった。


アテナ「…もう昔の話だ。ある男は度重なる連戦で疲弊していた。そしてまたスクランブルだ。そして男は遂に集中力を切らした。するとどうなるか、お前にも分かるだろう? …その通り、俺は撃たれた、が、俺は堕ちなかった。代わりに見えたのは隣で火を上げている、一番機だ…。初代Aegis隊隊長であり、お前のそっくりさんだ…」

霊夢「??」

アテナ「そう、彼女がいつも俺にうるさく言っていたことがあるんだ。『戦いに情は入れるな、そしてどんな時でも自分を見失うな』ってね。」

霊夢「ん…。」

アテナ「ちなみに隊長は…いや、あいつは死に際になんて言ったと思う? あたしは絶対に死なないから心配しないで逃げろ…だと。ふぅ、本当に最後まで、呆れるほど変な一番機だったよ…」

霊夢「アテナ…」

アテナ「すまん、泣いてたか?…にしても、運命ってのは分からないな。こんな世界の果てで、こんな不思議な人たちと戦うことになるなんてな(苦笑」

アテナ「長話すまないな。でも、最後にこれだけは言わせてくれ。俺は何回堕ちても構わない。だがな、お前だけは絶対に堕とさせない。あいつの、確かに空に居たっていう証を、このイージスの紋章を護りぬくって誓ったから…」

霊夢「ありがとう…」

ゴンゴンゴン。
ドアが叩かれる音。

妹紅「スクランブルだ!!今すぐ上がるぞっ、ちくしょう!!」

アテナ「はいはい、重い話ももう終わり。なかなか、俺等も忙しいなぁ(苦笑」

霊夢「たまには、ゆっくりお茶でも飲みたいわ、まったくもう!!」

アテナ「さて、お互いすっきりしたところで、行くぞ霊夢!!」

霊夢「了解っ♪」

よかった。霊夢に笑顔が戻った。
やっぱり、笑った霊夢が一番可愛い。ひそかに、そう思った。

―continued...―

混迷の空 ~Chaos of cross

2010-10-11 17:13:50 | The "LUNA"shooter combat...
???≪…あなたは食べても良い人間?≫

狂っている。まともな奴ではないらしい。

アテナ≪お前の仕業か?答えろ!!≫

???≪あははっ、今すぐ堕とす!!≫

アテナ≪くそっ、おい、霊夢!!応答しろ!!相棒!!≫

霊夢≪うぅ、ぐすっ…なんで、当たらないのよっ…≫

離脱。即座にその言葉が浮かんだ。霊夢がこんな状態だ、せめて霊夢だけでも…
思考を巡らせている内に視界に映ったのは白煙を吐いて猛スピードで空を駆ける何か。
そしてその先には紅白の一番機。

アテナ≪―!?馬鹿ッ、避け―≫
ドーン

終わった。そう思って恐る恐る目を開けて、見えたのは火を吐いて堕ちる紅白の機体…ではなかった。

アテナ≪―??霊夢、応答しろ!!≫

霊夢≪うるさいっ!!みんな殺してやるっ!!≫

良かった。無事だ。ん?待てよ?じゃあ、あの堕ちていった機体は?
その疑問は、すぐに解決した。

アリス≪よくやったわ、Shanghai4。こちらDolls1のアリス・マーガトロイドよ、よくも魔理沙を、許さないっ!!≫

見えたのは白をベースに、尾翼には七色のラインの入ったTyphoonだ。
後ろにはF-5Eなどの低コスト機体が多数見える。かなりの大部隊だ。

アリス≪さて…Shanghai隊、Oedo隊は前衛を、Hourai隊は遊撃、Orleans隊は私の護衛を、London隊は味方の護衛を。≫

アリス≪動け!!私の人形達!!≫

人形≪リョーカイシマシタ≫

Razgriz1≪なんなんだあの数は。これじゃキリがない。全機特殊兵装の使用を許可!!≫

Razgriz4≪こちらアーチャー、了解。SAAM発射準備完了です。≫

Razgriz1≪良く狙え……Fire!!≫

ドーン

アリス≪くっ…なかなかやるじゃないの。堕ちたのは五機か…≫

Razgriz1≪仕方ない。こんなつもりじゃなかったが、降りかかる火の粉を払え!!≫

****

おそろしい奴らだ。援軍で駆けつけた人形の軍勢はほとんど撃ち落とされ、残ったのはDolls1とDolls隊直属の精鋭人形、護衛部隊のOrleans隊、そして俺達Medium隊。
そして、最も驚愕すべきは敵は全員無傷、と、いうことだ。
凄まじい統率力だ。場数は相当なものだと推測できる。
事の発端である謎の黒塗りのF-22はロスト…
もう、戦う意義が無い。だが、それは避けられないようだ…

アテナ≪もうやめてくれ、霊夢!!、戦う意義が無い、分からないのか!?≫

霊夢≪意義ならあるわ、魔理沙が堕とされた、それだけよ!!≫

Razgriz3≪駄目だ、相手は一人を除いてまともじゃない!!どうすりゃいいんだ?≫

Razgriz1≪落ち着けソーズマン。ちくしょう!!来やがった、迎え撃て!!≫

アリス≪よくも魔理沙を、堕としてやる!!≫

Razgriz2≪動きが単純すぎる。ブレイズ、挟撃ってのはどう?≫

Razgriz1≪オーライ。全機散開!!≫

アリス≪―!?お、Orleans隊!!私を護…っくぅ、もう魔力が!?≫

Razgriz2≪エッジ、FOX1!!≫

ドンッ

アリス≪くはぁあっ!!≫

Razgriz1≪勝負ありだ!!攻撃をやめてくれ!!双方無益な闘いは望まんだろう!!≫

霊夢≪うるさいわ!!≫

アリス≪同じく!!≫

アテナ≪おい、まだ分からないの―≫

唐突に、私の声は何者かによって阻まれた。

永琳≪面倒な事になりましたね。私自ら出向く事になるなんて。≫

永琳≪全機良く聴いてください、魔理沙の身柄は確保しました。命に別条はありません。即座に戦闘をやめるように。いいですか?≫

アリス≪んなこと聴くわけ―≫

永琳≪鈴仙。≫

鈴仙≪承知しました。FOX2!!≫

ドーン。

Dolls1の周りの機体が全て堕とされた。

永琳≪これは命令ですよ。従わない場合は撃墜も構いません。≫

アリス≪くっ、分かったわ…≫

永琳≪霊夢、貴方はどうなんですか?≫

霊夢≪言われなくても、もう弾切れよ。まったくもう…≫

永琳≪賢明な判断です。そちらも従えますか?ラーズグリーズの亡霊さん?≫

Razgriz1≪ふぅ、一時はどうなるかと思ったよ。了解だ。今度こそ基地までエスコートさせてもらうよ。≫

永琳≪もう夜が明けたわね。さ、帰りましょう。≫

長かった、長すぎる、酷い夜だった…


―continued...―