「カンレイドウモン」をご存じない方でも、どこかその名前に聞き覚えがあるのではないでしょうか。
国道1号線が箱根湯本の町並みを過ぎ、左右に急に山が迫り、いよいよ「天下の険」に差しかかろうとするあたりなので、印象に残るトンネルです。また箱根駅伝の実況中継では必ず選手の通過が告げられるポイントでもありました。トンネルと言いましたが、正確には落石対策のために道路を覆う「ロックシェッド」で、山をくり抜いたものではありません。昭和6年(1931年)の竣工、土木遺産にも指定される歴史的建造物ですが、道路幅が狭くなり大型車両のすれ違いに支障をきたす区間でもありました。その解消のため、洞門脇の早川に橋をかけて迂回する側道が完成し、2月7日から供用が始まりました。実はこの迂回ルート、何か事情はあったのでしょうが、延々と工事が続き、一体いつになったら完成するのだろうと思っていました。ところが突然の「開通」です。さらに「カンレイドウモン」の方は翌日から通行止めということです。何ごとも無く通行していたところが、しかも何やら印象深い区間をもう通ることができないと聞くと、無性に名残惜しくなりました。そこで6日の夜、函嶺洞門に逢いに行きました。当夜は使命を担う道路施設ですが、翌日から遺構です。車の通る函嶺洞門、最後の夜をご紹介します。
小田原、湯本側の入口です。
箱根、塔之沢側の入口です。
側道から見た函嶺洞門です。